策士

 

 

「策士…軍師って策士じゃないといけないんですよねぇ。」

突然カナタはそんな事を言い出した。

ちなみに、何故か大広間横の執務室(クラウスの部屋)に溜まっている所だったりする。(ついでに言うと、書類を片付けるのに、中にいる者達はみんな忙しそうである。)

「…うん。」

カイルはそれに頷く。

というか、軍資が策士でないと、戦に勝てないだろう。

「クラウスさんは策士ですよね、」

「、ありがとうございます」

お茶を入れているクラウスにカナタがそう声をかけると、あっさりと微笑でそう返された。

差し出されたお茶をカイルは申し分けそうな顔で受け取っているが、カナタはまったく気にしていない。

「で、なんかシルバーバーグの人も策士だそうですね、」

「………うん;」

シルバーバーグの人と言う言い方は、妙な感じだとカイルは思ったが、黙っていた。(どうせ聞かないだろうから)熱いお茶が舌を焼くが、無心でそれを飲む。

「まあ、ジョウイは置いておくとして、」

「置いておくの…?(汗)」

「あ、その書類今サインしますね〜。」

羽ペンでぐりぐりとやる気のないサインをするカナタ。

何が言いたいのか、なかなか本題を言い出さないが、この場にそれを苛立つような人間はいない。

少年はお茶を全て飲み干した。そして、タイミングを計っていたように、口を開く。

「でも、うちの正軍師はっていうと…」

 

「シュウ殿が落とし穴にはまられて重傷でーーーーーーーー!!!!!」

 

ドアの外を慌ただしく兵士が駆けてゆく…。

「ふぅ。子供の仕掛けた程度の落とし穴にはまるなんて、策士の名が泣きますねぇ?」

「カナタ…何やったの…;」

「いえ、ちょっと、あやしくありがちな落とし穴を製作して、それを避けそうなコースにも色々罠をしかけていると見せ掛けて、その実迂回するだろう確実なコースにはた目にはまったくわからないようなゲリラトラップ〜一個でもかかれば確実に命を落とすぞ☆〜をしかけて、最終的には最初のしょぼい落とし穴にはまるという罠です。」

「………。」

「シュウ殿ーーーーー!?;」

 

…多少は敬老(?)精神を持とうという話。