拒絶
「だからっ…今がムリって言ってるだけで……(汗)」
「うわーーんっっ!!カイルさんが僕の愛を拒絶しましたーーーーっ!!(泣)家出してやりますーーーっ!!」
バターンッ!!とドアを壊す勢いでとび出して行った音が、隣の家から聞こえて来た。…ついでに言うと、ドアの外で、「会社に戻って頂きますッ!(怒)」という声と、「あっ!(怒)何しやがりますかーっ!(怒)」という怒声と引きずられる音も聞こえて来ていたりもした。(後、車の遠ざかって行く音も、)
シード奥さんは、何事かと思い、手に持っていた帚を置くと、隣の部屋の様子を、覗きに行ったのだった。お隣で夫婦喧嘩が勃発する事は珍しい事ではないが、隣の旦那さんの方が出て行くとい事は珍しかったりするので、気になったのだ。(しかい、人の事は言えない率で、夫婦喧嘩を繰り広げているシードさん。)
「どうかしたのか、カイル?」
「あ、シードさん…」
花柄のエプロン(カナタの趣味)を来たままの格好で、カイルはまだドアの前に立っていた。
「それが…」
言い淀むカイル。
「ん?」
「………」
シード奥さんが首を傾げるのを見て、カイルは黙っていてもしょうがないと思ったのか、言いにくそうにしながらも口を開いた。
「それが…」
それは、夕飯の下ごしらえをしている頃の話だった。
『カーイルさんっv!!』
愛情表現ーvとばかりにカナタは、背後から旦那らしくも、料理中の奥さんに抱き着こうとしていたのだが、タイミングが悪かった。
『あ、;』
ベチィッ。
…鉄の中華鍋が振り向き様にカナタにカウンター攻撃を仕掛けたのだった。
…しかも、とても熱くなった、
『あうちぃーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!(汗)』
『カナタ大丈夫!?;今は危ないから…;』
『はっ!?もしやカイルさんは僕の愛情表現を拒絶すると言うんですか!?』
『え?』
『拒絶なんですねーーーーーーっっ!!!!!(泣)』
冒頭に戻る。
「………」
「………」
カナタが悪いだろう。そう結論付けるシード奥さんだった。
「そう言えば、カナタまた連れて行かれたみたいだぜ。多分今日は戻れないだろうな、」
「え?;」
「あんまり仕事サボるのも考えもんだよなっ…あ、じゃあカイル今日うち止まるか?1人じゃ寂しいだろうし」
「えっと…」
「遠慮するなって!」
それはそれで問題に発展する気もするのだが……まあ、それはまた別のお話……。