しるし

 

 

好きな人に印を付けよう。

たとえすぐに消えるとしても、繰り返し付け続けよう。

 

 

 

「ん、ちゅ〜〜〜vv」

「――――…」

 

あまりの天気の良さに、ついつい昼寝の最中だったカイルは、ふいに首筋に当たった生暖かい感触と小さな痛みに眉を寄せた。

続いて、胸元から風が入り込んで来て少し肌寒くなった。…同じ感触。

「………」

さすがに、カイルも目を開く。

椅子に凭れて寝てしまっていた為、背中には固くとも心地良い木の感触、それは変わらない。

…ただ。

「あ、起きましたか〜」

「…」

 

目の前にカナタ。

しかも、のしかかるような体勢で、

 

「――――…」

予想していなかった事に、カイルはどうするべきか考えた。

1、怒る。

2、沈黙。

自分が何をされているのかわからなかった為、妥当に、2を選択しようと思った(甘い)カイルだったが、

「ちゅーv」

「!?;」

さすがに、鎖骨の辺りに吸い付かれては、何をされていたのかわかったカイルだった。

 

…調子に乗った少年に、即行で選択1と、殴る→椅子から落とすというコンボ技を決めたカイルだった。

 

 

「印付けときたかっただけなんです〜っ!(泣)」

「しるし?」

頭にたんこぶを作ったカナタだ。無断でマーキングをしていた罰としてはまだ、生温い方だろう。

「僕のvってマークです♪―――ってな訳でカイルさんも僕に付けて下さい!これであいこですよね!!」

「え…?;」

そう来られると思っていなかったカイルは、ぴしりと固まった。

「さあ!ばっちりと!!」

「……………(否;)」

とても困っているカイルだ。

本気で、と言うよりは、恥ずかしさでという理由からだろう。

 

 

さすがに、今回は(表だったが為に、)未遂で終わったが、別の日首元に鬱血した跡を見せて歩いていたカナタは……………まあ、結果 だけ言うと、跡が消えるまでの3日間、庭に埋められていたらしい。