紅茶
それは一枚の手紙から始まった…
「はうあっ!!;」
「!?」
寝る直前の楽しいおしゃべりタイム(カナタの一方的な、)であった2人の前にムササビが一通 の書簡を運んで来たのだった。そして、「何でしょーかね〜?(折角のラブラブタイムに邪魔しやがるやつぁ)」と言いながら、カナタはそれを見たのであったが、それを読み終わったと同時に、冒頭部の声を上げたのだった…。
「こっ…これはっ…!!;」
「どうしたの?」
カナタはぷるぷると手を震わせながら顔を引きつらせていた為、カイルもただ事ではないと思い、心配げな表情を浮かべて問いかける。しかし、
「なっなんでもありませんっ!!それよりカイルさんっ!!急用が出来たので、先に寝てて下さいっ!!朝までには帰りますっ!!」
「………」
ぐしゃっと手紙を握りつぶして、カナタはダーッ!とどこかへ走って行ってしまう…。
―――――カイルが寝てから行けばいい物を………、少年にしては不手際だった。
残されたカイルはと言えば、
「………」
一応は言われた通り寝ていた。…しかし、カナタが帰って来た時に口を聞いてもらえるかどうかは不明だ。(本人がそんな事をしてしまう感情を理解しているかどうかと言えば、していないのであるが、)
カナタに送られた手紙の内容は…
『夜分に失礼致しますわねv
いい紅茶が手に入りましたので、連絡差し上げますわv
それと、トランの英雄様の必!隠し撮り写真集を作ってみたのですけれど…
―――今夜当たりお暇ですこと?
ジル 』
脅迫状だった。
「こんばんわーーー!!お邪魔しますーーー!!」
「早かったですわね、」
窓からの侵入者に、一応既婚者であるジル=ブライトはにこやかに話しかけた。その手には今入れられたばかりの紅茶が2つ。
「さあ!僕のカイルさんの写真集を返してもらいましょうかっ!!(※カナタのではない、)」
「その前にお茶はいかが?」
「あ、いただきます。―――いい葉っぱですね〜」
ふぃ〜…と落ち着く少年…。いい匂いが部屋中に広がっており、身も心もリラックスだ。
「―――――――って違いますーーーーっ!!カイルさん関係の物は髪一本たりとも渡す事は出来ません!!しかもプライベート写 真なんて言語道断ですっ!!」
「ほほほほほほv」
てやー!とちゃぶ台返しのフリをするが、実際にはやっていない。
「そこまで言うのでしたら私と勝負ですわ!」
「望む所です!!」
ごまかされている…。
普通に取りかえせばいいものの、ジルのペースに巻き込まれ、勝負をすることになっているのはただ単に騙されたのか、ただ単に少年がジルと同じくお祭り騒ぎ好きなのか――――…まあ後者かも知れない。
「クルガン、シード!」
「はっ!」
ジルの一声で現れたのは、武将知将のらぶらぶ(?)コンビ、クルガンとシードだった。
これには、カナタも「殺る気でやらなきゃ1人で相手はムリです!RPGは1人の敵に大勢で戦いって決まってるんですから!!」と思ったのだったが―――――…
じゃらじゃらじゃらじゃら…
「…なんで麻雀ですか……(汗)」
「一度やってみたかったのですわv」
「クルガン役ってどれだっけ?;」
「…………リーチをかけろ、」
じゃらじゃらじゃらじゃら…
「徹麻になりますわね、」
「あ〜〜…;紅茶がムチャクチャミスマッチです〜〜〜っ」
おいしいですけど〜〜〜;という情けない声が響くハイランドの城であった――――――…
(ちなみに、途中で力つきたシードに代わり、就眠中のジョウイが叩き起こされたらしい…)
「戻りました〜;お土産の紅茶です〜;(なんとかカイルさんの写真取りかえしました〜…;)」
「何してたの?;」
「麻雀です〜;」
「………………………へぇ?」
…この後の騒動は、まあ…何やら、夫婦喧嘩じみていたそうだ。