風邪
「ゲホッ!ゴホッ!ゲへッ!!!!!」
バカは風邪を引かない。―――――そのはずだったのだが、本日、カナタは風邪を引いていた。
学校への連絡は既に入れており、ナナミも看病すると言って聞かない所をカナタ本人とジョウイの説得(看病で命が危うくなるから)により、学校に行っている所だ。
広い家に一人きり…
「…………………ひゅ〜…(ちょっと寂しいかも…)」
風邪の時には幾らカナタと言えども、気弱になる、―――そんな自分を自嘲するように口元を歪めると、カナタは浅い眠りに落ちた。
どれくらい眠っていたのか―――――…
急にひんやりとした物が額に当てられた。
「―――――?」
「あ…起こしちゃった…?ごめんね、」
「――――カイルさん…」
困ったような表情で氷のうを手にしたカイルが立っていた。
夢かと思い、カナタはにへらvと笑った。
「えへへ…v夢ですか?嬉しいですけど…vv」
「夢じゃなくて…ナナミちゃんが鍵貸してくれて…これ、給食のプリンって…」
性格に言うと、ナナミに鍵を押し渡され、(給食はないと言うのに、)何故か気分的にそう言ってお見舞いの品を渡してほしいと頼まれたカイルであった。
「学校は…?」
「今日は三学年は、午前中までだったから…」
「そうなんですか〜…」
高熱が出ているのか、良くわかっていないように頷く少年に、カイルは心配そうにそれを見ながら、頭の下に氷のうを入れてやった。
「プリンは…?」
食べる?と聞くカイルに、カナタは首を横に振った。
「今はまだいーです…カイルさん手繋いでも良いですか…?」
「うん、」
カイルから、平温よりも高いカナタの手に、そっと触れてやる。それにカナタの指がしっかりと絡み付く、
「…ひんやりしてきもちいです……v」
「…うん、」
にこ〜vと笑顔を見せるカナタに、カイルも小さく笑みを零す。それに安心したのか、再びカナタの目は閉じられていく…
眠りに落ちる直前に、カナタは呟いた…、
「カイルさん…ずっと一緒にいて下さいね……」
それに、カイルは少し驚いた顔を見せたが、
「―――…うん、ずっと一緒にいようね、」
嬉しそうな、恥ずかしいような笑顔を見せて、頷いた…。
――――――――そして、一眠りして全快したカナタが、幸せそうに自分の顔の横に顔を埋めて寝ているカイルの姿を見て、鼻血を噴いて襲ったとか襲わなかったとかとか言うのはまた別 の話…