バレンタインSS

 

 

 

本日、バレンタイン。

カナタはわくわく気分で、カイルの元へチョコをもらおうと駆けつけていた。

「カイルさーーん!!愛のバレンタインチョコは…」

「あっ!;カナタ…それが――」

「――――――――」

 

チョコレートが、紛失した。

 

すぐに作り直すから、待っててねとカイルは慌てた様子で調理場へ道具を借りに向かったが―――それですませるカナタではなかった。

「盗難事件発生ーーーー!!今すぐ容疑者は大広間に集合ーーーーーッッッ!!(怒)」

 

 

 

「ひっじょ〜に、残念な話ですが、僕のカイルさんの僕への愛のバレンタインチョコが盗まれました。」

「そこ強調ですか…」

ざわざわと城内にいた容疑者…もとい、男性メンバーは汗を流して演説する少年を見る。

「疑いたくないですが、犯人はこの中にいるに違いないです!というか、いなくても腹いせで燃やし尽くしたいです!」

「止めて下さい!!」

ヒィッと悲鳴が上がる。

「カイルさんがチョコを置いていた場所は室内。…別に鍵はかかっていたわけではないので、誰でも入れたと言えば入れたんですが!一応僕の部屋なんで、衛兵がサボっていなければ入った人間はいない筈です…」

「サボっていませんよ!?;」

ギラリと光った瞳に、警護をしていた兵士は叫んで答える。

「じゃあ窓からですか!?ムクムクーーーー!!」

「ムムーーーッッ!」

動物メンバーにターゲットを向ける。

「違う? …ならば獣の跳躍力をいかして…シロですか!?」

「シロにチョコは劇物ですよ! というか、さすがに窓からはシロもフェザーも無理です!;」

「ブライトでもないです!;」

「なら犯人は一体誰ですかーーーー!!(怒)」

誰でもいいから血祭りじゃーー!とばかりに暴れ出す少年に、ギャーー!!;とメンバーらは悲鳴を上げた。

「ええいっ!怪しい世界樹は生えて不審人物が入り込んでませんかーー!?」

「樹が城内に生えたらさすがに気付きます!!;」

「カナタ様!目撃証言が!!;」

「犯人ですか!?」

=血祭りですか?と言わんばかりの勢いだ。

「いえ、犯人というか…―――カナタ様の自室の前をビッキー殿がくしゃみをしながら歩いていたと…」

「―――――」

「「「「「……………;」」」」」

さすがに少女を血祭りにはあげられない。

あげられないが、その怒りの矛先がどこへ向かうかわからない…そんな緊張感を孕んだ沈黙が広間に広がっていた。

 

「―――朗報です! カイル様がチョコを完成させたと…!(涙)」

 

「くっ…解散です!ハッピーバレンタイン!」

「生き延びたぞーー!!;」

歓喜の声が兵士らから上がった。

もう、何故バレンタインという行事があるのか…そんなことまで考えてしまう、ぼっちゃんラブ城の面々だった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ〜チョコの行方?〜

「ゼフォン何食べてるの?」

「なんか空からお菓子が降ってきてさ、団長さんも食べる?」

「萩から!?;」