バレンタインSS

 

 

 

バレンタイン直前。

カカオが品切れになった。

当然チョコもなくなった。

 

「カナタ、今年はチョコじゃなくても…」

「       」

「煤I?;」

とてもではないが、形容しがたい顔になった。

しいて言うなら、ムンクの叫びだろうか…?そんな表情で、カナタは固まっていた。

そして、ギギギギギ…と軋んだ音を立てるように再起動する。

「そ、それはあれですか遠回しなは、破局宣言ッ…!」

「なんでそうなるの?!;」

あわや悪堕ち(元々とかは言わないお約束だ)しかけるカナタに、カイルは慌てて首を振った。

「材料が暫く入荷しないみたいだから…今年はチョコ以外で」

「なるほど、わかりました!当日までに材料を揃えますね!!」

「ええと…うん;」

どうしてそこまでチョコにこだわるのか…カイルには理解出来ないが、強く止める程ではない。

「じゃあ頑張って当日までにカカオ栽培してみせますよ!!」

「―――――え?」

そんな宣言と共に、カナタは自室へ駈け出して行った。

 

 

 

 

そして、当日…。

 

 

にょきりとカカオパウダーを吐き出す、植物モンスターが城の庭に発生し、本拠地は阿鼻叫喚と化した。

 

「カナタ…本当にこれで作って大丈夫なの…?;」

「(人体)実験済みなんで大丈夫です!なんら普通のカカオと変わりません!!」

バレンタインを楽しみにしていた女性陣にも大好評です!…とカナタは言うが、それを食べる羽目になった男性陣は涙目だったという…。