→ここで待っている

 

「ごめんね…カナタ探してるから……」

「ム〜…」

カイルがそういって断ると、残念そうだと言うようにムクムクは一声鳴いた。

「もしカナタ見つけたら教えてくれる…?」

「ムム〜♪」

「ありがとう」

にこっとカイルが嬉しそうに微笑むと、ムクムクは俄然張り切って空へと舞った。探す気満々なようだ。(しかし、先に見つけだして闇討ちする気なのかもしれない。)

カイルは一人になると、また再び下の景色を見つめ始めた。

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

日が暮れて来てしまった。

この場所から動いて探していないので、みつからないのは当然かもしれないが、いつもならばそれでも見つかるのだ………

「………カナタ、」

一声呼んでみる。

「………」

 

―――――それでも、見つからない…

 

「……………」

 

本当は自分からのチョコなど欲しくはなかったのかもしれない。

だから今日会えないのかもしれない…。

 

もう日は落ちて、辺りは薄闇と僅かな冷気が漂い始めている………

「………、」

カイルは銅像の下にチョコを置くと、その場から立ち去って行った。

 

エンド