バレンタイン(テド4+主坊&おまけでロイ王)

 

 

積み上がる、箱、箱、袋、

カラフルかつ甘い匂いがたわたにするそこに、目的の物はあるらしい…。

目的の物、それは―――…

 

「さあ!愛があるというのなら、このチョコの山の中から恋人の手作りチョコを見つけ出してみるといいです!!」

 

高らかにカナタはそう宣言した…。

「――――…(怒)」

そして、テッドはそれを見て、とても殴りたい気持ちで一杯になった…。

 

 

話は少し遡る。

 

 

本日、バレンタインデー。

ぼっちゃんラブ城という、非常にアレな名称の城の中、今日は甘い匂いと少女らのさざめく声で一杯だった。

―――で、テッドも一応…まあ、恋人がいるということで、そのイベントの一端を担っていた。

といっても、カイカが渡す側の為に、テッド自体はソレを受け取るだけで良いという、非常に簡単な役割だったが………その相手がどうにも見当たらない。

(…素直に部屋で待ってりゃ良かった…;)

バレンタイン当日に城内を出歩いていたテッドは、ひしめくピンク色のムードに、居た堪れない気持ちになっていた。

諦めて部屋に戻ろうとしていたその時、

「てっど。」

「カイカ、」

タイミングが良いのか悪いのか、ようやく相手と巡り合った。

カイカは出来たチョコが入っているのだろう袋を持ってこちらに向かってくる。

…外で受け取ることになるのだろう予測に、テッドは気恥ずかしさから回れ右をしたくなったが…、カイカもテッドを探していたようで、無表情ながらも嬉しそうな雰囲気だった。さすがに置いていく事は出来ない。

テッドの元へと、ととととと、と近づいてくるのを立ち止まって待っていると―――

「、」

「うわっ!!;」

転んだ。

妙な所で、どじっこ属性が発揮されている。

躓いたカイカ自体は、テッドが男の意地とばかりに支えたものの、―――肝心のチョコが宙を舞った!

「あ、」

 

「――――――――とーーー!!!!!」

 

しゅたん!

…そこへ、猛禽類の目をした少年が飛んだ。

カナタだ。

何故かカナタが、カイカのチョコをキャッチした。

…単純に人助けかと思いきや。

「チョコは頂いていきます!返して欲しくば大広間まで来いです!!」

「………は?;」

「…」

そういい残して、カナタはダッシュで逃げた。

―――プライドやら恥じやらが邪魔をして、返せ!と叫ぶことはなかったが、テッドが慌ててその後を追ったのは言うまでもない。

 

 

 

で。その肝心の大広間まで戻る。

被害にあったのはテッド一人ではないのか、そこには大量のチョコだと思われる袋やら箱やらが積まれていた。

その主旨は最初に言った通りだ。

周りには同じようにチョコを奪われたカップル達が、不満の声を上げていた。…というか、泣いている。

「さすがに見本がないとダメでしょうから!僕が見本を見せます!」

(そんなことはお構いなしに)カナタはそう言ってチョコの山に近づいた。

「この中にカイルさんの手作りチョコを入れてもらいました!カイルさんがきちんと1人で入れてくれたんで、やらせはありません!」

「……………(汗)」

疲れた顔で立っているカイルを見れば、無理矢理この企画に付き合わされていることが丸わかりだ。

「精神統一――――僕の愛を見せ付けてやりますーーーー!!!!!」

とーー!!と、勢い良くチョコの山に手を突っ込むと、カナタは一つの箱をそこから取り出した。

一応、外装はカイルらしいシンプルな箱だ。

「さあカイルさん!」

「うん、;」

中身を空けて確認。

…一つ一つがキレイな形に作られた、とても美味しそうなチョコだ。

「………正解…;」

「愛があればこんなもんです!!」

断言すると、Vサインでカナタは一同を振り返った。(「何でわかるんだろ…;」と悩んでいるカイルを見れば、外装すらも見せていなかったに違いない…)

 

これで一気に様相が変わる。

 

明らかに人間業でない行為だったが、女性らは「私のこと好きなら当てられるよね?」「ちゃんとあたしがあげたのわかってるでしょ?」という瞳で、相手の男性らを見ているのだ。

「―――あ。別に僕も鬼じゃないんで、一回で当てられなかったからって言ってチョコ没収するってことはないですよ?…ただ、少し愛だとかその辺りの大事な物が減るだけで…

カイルお手製のチョコを食べて機嫌がいいのか、カナタはにこにことそんなことを言った。…まさしく鬼の言葉だ。

 

で、まあ肝心のテッドだったが…

「………」

「…」

微妙にカイカからの視線を注がれていた。

テッド本人はまだ受け取っていなかった為、外装すら殆どわからないような有様だ…。

それなのに、どれがカイカのチョコなのか当てるというのは、至難の業である。

むしろどうしようもない。

(どうする…!?;)

…ここは、カイカに聞くしかない。

外装だけでも、そのチョコ本体の在り処でも。(つまりは、思考を放棄した。)

「カイ――…」

「…」

…振り返って見たカイカは、とてもキラキラとした瞳でこちらを見ていた。

手品師を前にした子供のような瞳だ。

「―――――;」

つまり当てろと、

あんなチョコの山から、(既に何人かは間違えて、女性からビンタを受け取っている)

…とにかくテッドは考えた。

殆どシルエットしか記憶にないが、カイカのチョコを必死で思い出した。

 

大き過ぎもなく、小さ過ぎもない、…確か袋に入っていた筈。

 

その上で、カイカの性格を考慮してチョコを選べばいい―――

「〜〜〜〜〜っ;」

――わかるか!(怒)

…と、一瞬投げかけたテッドだったが、ふとチョコの山の中で一つだけ妙に異彩を放っている袋を見つけた。

「………」

味も素っ気もない白い袋に、とりあえずといった具合で赤いリボンが巻かれている品。

コブシ大程であろうチョコと思われる物が、これでもかとばかりに押し込まれており、それは歪に膨らんでいた。

「………………………………これか?;」

「…!」

瞳を大きく見開いたカイカは、ぱちぱちと手を叩いた。とても喜んでいる。(ちなみに中はまんじゅう型チョコだった。)

ほっと安堵の息を吐いたテッドだったが、…視線の端でカナタがチッ!と残念そうな表情をしたのを見て(以下省略)…

 

 

 

バレンタインというか、

テッドさん弄りな方向ばかりに…(吐血笑)

とりあえず、ハッピーバレンタイン〜(遠い目)

 

 

 

<おまけ。>

我が家の天魁星で一番チョコをもらうのは、王子のイメージ。(次点はトーマス君。)

「皆から『友チョコ』だってもらった…;」←女友達認定

「いや、フツーこういう時はオレに…;(ごにょごにょ)」

そんな訳で、ロイ王的に王子からロイ君に手作りチョコを渡してみました。

「…(もごもごもごもご)………っ全然!溶けねぇ!!;(もがもがもが)」

「あれ?;砂糖の量多かったかな…っ;」

「チョコに砂糖!?;」

料理下手な王子万歳!!←?