バレンタイン(ALLCP)

 

 

 

バレンタインデー。

それは愛を試される一大イベントなのかもしれない…。

 

 


主坊編

 

「はい、カナタ。今年のチョコ…」

「ちょっと待って下さい!!」

「え?;」

バレンタインチョコを渡そうとしたのを止められ、カイルは困惑した。

「カナタ…?;」

「カイルさんからのチョコはものっすごく嬉しいですけど!そりゃもー三日前から胸の高鳴りが止まらない程に!―――でも!渡し方をもうちょっと色っぽくして下さい!!お歳暮みたいな渡され方は嫌ですー!!」

「……………(汗)」

ならどうしろと、とカイルは困った。

「普通に渡さないでどう渡したらいいの…?;枕元に置くとか…?」

「サンタからの贈り物風も嫌ですー!(泣)―――えーっと、こう胸元からちょっと人肌で温かくなったチョコをはいvあ〜ん♪でチョコとカイルさんを一挙両得的に食べれる渡し方とか希望です!!」

 

メコッ(怒)

 

………結局、今年は頭にめり込み渡されることになった。

 

 

 


テド4編

 

「てっど。」

そっとカイカが差し出して来たのは、まんじゅう型のチョコレート。

………いや、まんじゅうの中にチョコレートが入っているチョコ味のまんじゅうだ。

(―――まんじゅうを渡したいのかチョコを渡したいのかどっちだ!!)

「………」
「…」

内心ツッコミたい気持ちでいっぱいだったが、渡された場所が食堂という注目を集める場所だった為、テッドは黙ってそれを受け取った。そして何を言うでもなく口に詰め込んだ。

ちなみに味は甘かった。

「…(♪)」

「……………」

それだけで喜んでいる(ような雰囲気を感じるが無表情)カイカに、多少負い目を感じつつも目を逸らす。

「はいテッド、良かったら飲み物〜」

「…あぁ」

何気なく渡された飲み物を口にすると――――周囲の人間がニヤーと笑っていた。

半分程飲んでしまったソレを勢いよく噴き出す。

よくよく見れば飲み物を渡して来た相手は、カイカの元保護者ズだ。

「何飲ませたんだ!?;」

「えー『デレ薬』?(笑)」

「?」

カイカ以外全員が仕組んでいたらしい。(飲み物を飲まなくても何かに仕込まれただろう…)

しかもデレ薬とかいう訳のわからないものを!

「帰る!」

「てっど。」

待って、なのか何なのかカイカにきゅっと服の裾を掴まれた途端―――どくんとテッドの心臓が波打った。

 

「―――お前が嫌いだから言ったんじゃなくてほら…その、気を引きたくてサ?」

「………」

 

BY(想像の限界につき、台詞は別作品より拝借いたしました)

 

カイカを除く、その場にいた全員がキモッ!!;と後悔したという……。(酷い)

 

 

 

 

ロイ王編

 

器の中に盛られた、どろりプヨプヨと膨らんだ茶色の物体…。

臭いはと言えば、甘いような焦げ臭いような…

 

―――なんだコレ?(真顔)

 

「はいっロイ、チョコレート」

「固形でもねぇっ!?;」

いやむしろ飲むチョコレートにしても酷い!

「いっぱい作ってみたんだけど、これ以上固まらなくて…」

「へ、へぇ…;」

しかし、これでもカルム(表)の最高傑作のようだ…。

一体何が固まらない要素になっているのか…

何故焦げた臭いがするのか…

それはロイにはわからなかった。

「食べてくれる?」

「………ッッ;(飲むの間違いだろッ!;)」

キラキラと宝石のような真っすぐな瞳を向けられ、反射的にロイは目を逸らした。

食べて(?)も死にはしないくらいの出来だが、確実に胃もたれを起こす程度の出来だ。

そして好き好んで身体に害のあるモノを食べようとする人間はいない。

「ロイ……」

するとカルムは少し眉を寄せ、器を持った手をロイへ伸ばすと――…

 

ガシッ

 

「――――食べるよな?」

「喜んで!;」

思いっきり脅した。

カルム(裏)がニコリと笑ってロイの返事に頷くと、艶っぽく唇の端を上げる。

「じゃあコレも」

と、ついでに唇を贈った。

 

―――あ。割と幸せかもしれねぇとロイは思ったが、それもその後チョコレート飲むまでのことだった。(普通にマズかったらしい)