バレンタイン
「ひっじょー、に!…残念なお知らせがあります」
同盟軍リーダーの少年からのお知らせに、集められた同盟軍メンバーらは早くも逃げ腰になった。
しかし、そんなことはお構いなしに、少年…カナタは、すっ…と背後から大きな銃を取り出した。
「―――豆まきを忘れてました!いっそこうなったら、節分との合体バレンタイン! 恋のジェノサイド☆バレンタインを行いますーーーー!!!!(怒)」
「ぎゃーーーーーーーーー!!!!!;(せっかく忘れさせてたのにーっ!;)」
どばばばばばば!と撒き散らかされる、麦チョコ銃弾に、阿鼻叫喚となる広間であった…。
これを後世の者は、血のバレンタインと書き残したとか(書き残さなかったとか)。
「…広間の方から悲鳴が聞こえたような…;」
「えー?そうかな〜??」
「……………(汗)」
それよりもナナミの手元から誕生しつつある、チョコ生命体の産声にカイルは気をとられた。(これが同盟軍メンバーらの悲劇となった)
―――貸しきられた厨房、その中でバレンタインチョコの作成は行われていた。
大体の者は前日までに完成させているのだが、ナナミは当日になってもなかなか納得する物が出来上がらずにカイルが付き合っているのだ。…具体的には、出来上がったチョコ生命体を昏倒させるという手伝いだ。
「よしっ出来たっ!」
怪獣チョコ!と、ナナミが完成させたのは、今にも動き出しそうな…もとい、動き出している怪獣チョコ…チョコ色の怪獣だった。
カイルは悩んだ。
完成だと言っているチョコに攻撃をしていいものかと…
そうこうしている内に、怪獣チョコは周囲の失敗チョコを取り込み、巨大化しつつあった。
「カイルさーん!!そろそろ僕に愛のチョコを―――」
そんな中、タイミング良く銃を担いだカナタが現れた。
そして、怪獣と見詰め合う。
「…戦えと、戦えという訳ですね!!麦チョコ銃がうなりますよーーー!!!!」
ギシャー!と雄たけびを上げる怪獣と、カナタの戦いの火蓋が切って落とされた。
暴れるチョコ怪獣、飛び交う麦チョコ。
城中がチョコ塗れとなり、バレンタインが終わってもその臭いは暫く続く羽目となった。この日、同盟軍はチョコ嫌いになったという…。
「で、カイルさん!僕へのチョコは…」
「…一緒に吸収されちゃって…;」
チョコ怪獣と一体化してしまった為、カナタは全部食べたとか。