エイプリールフール

 

「ねえねえ!カイルさん!!あのねっ今日ってえいぷりーるふーるなのよっっ!!!」

「エイプリールフール?」

「今日は嘘をついてもいい日なのっ!!」

きゃわきゃわと楽しそうに言うナナミだ。

本日は『4月バカ』の日。

そんな楽し気な日に現リーダーが黙っていられるはずもなく、少年は城中を駆け回っていた…………。

 

〜大広間〜

「ああっ!!フリックさんっっ!後ろからニナが飛びつこうとしてますッッッ!!!」

「なにいっ!?」

「うっそで〜す♪」

すたたたたたたと走り去るカナタ。

騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか………

騙されたフリックは、走り去ってゆく背中に向けて文句を言いかけたが………事実は小説よりも奇なり。

背後に人陰が現れた。

「カナタっ!―――どわあっっ!?」

「もー何で言っちゃうのよ〜〜〜!!」

「ニナーーーーッッ!!」

そして増える走る人数。

 

〜酒場〜

「カナタが嘘ついて廻ってる?」

ビクトールに注進にきた同盟軍兵達だが、人選ミスとしか言い様がないだろう。

「ははははは、させとけさせとけ!どうせたいした事じゃないだろうしな!!」

「はぁ…」

注進にきた兵士が困ったような表情で立ち尽くしていると、酒場の外から問題の人物の声が響いてきた………。

 

「実はビクトールさんは熊なんです〜〜〜〜〜〜!!!」

 

「誰が熊だアッッ!!!!!」

バタバタと外へ飛び出すビクトールだった。

「や、やっぱりそうだったのか…」

背後でそれを信じたメンバーが多数いた………。

 

 

「そう、なの…」

「そうなのっ!だから絶対今日は嘘つかなきゃダメなのよっ♪」

ナナミの言葉は嘘である。

「カイルさんも嘘つかなきゃ!!」

「う〜ん………?」

 

 

〜シュウの部屋〜

「カナタ殿が『エイプリールフール』で嘘をつき廻っている?」

「そうなのです、」

「―――まあ、そんな悪質な嘘ではないだろうし放って…」

シュウは自らの精神の安定のために多少の事には、目をつぶろうとしたが…………

 

「シュウの頭は実はヅラだーーーーーーーーーっっ!!!!はげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 

「誰がだっっ!」

ピシッと堪忍袋の尾がきれたシュウだったが………

「軍師殿………」

「やはり…そろそろだとは思っておりましたが…………」

「父上も使っている育毛剤をお使いになりますか?」

ほとんどの者が信じた…。

 

 

「いや〜vけっこう楽しいですね〜♪♪♪」

るんるんvと足どりも軽くスキップをしながら、カナタは廊下を通っていると、何やら聞き覚えのある声が聞こえてきた。

部屋を覗くと、それはナナミとカイルだった。

「―――嘘、つけばいいんだよね」

「そうなのっ♪だから、すっごい嘘つかなきゃ!!」

何やら親し気に話をしている二人に、カナタは少なからず嫉妬をしたが、相手はナナミだ。

取り敢えず、自分もその場に加わればよしっ!と結論づけた。

「カイルさ〜〜〜ん♪♪♪」

「あ、カナタ………」

「カイルさんっ!チャンスよ!!」

「?」

「カナタ………」

何かを決意したようにカイルは口を開いたが、カナタには何を言うのか予想がつかない。

 

「キライ。」

 

――――ぴしいっっ!!!

 

「はぐあぁっ!!!!!」

「カナタ?」

「………………(滂沱の涙)」

「―――カナタ!?」

バタンッ!

 

「きゃーーーーーーーっっっっっ!!!カナタが死んじゃったぁあああああぁっっっっっ!!!」

「カナタっ!?しっかりしてっ!!(汗)」

「カイルさんが…………カイルさんにっ……………(泣)」

あまりのショックに廃人化するカナタ。

そして、うわ言のように繰り返される言葉………

『嫌われた』☆

因果応報。

まあ、人間嘘をつくとロクな事にならないと言う話。

 

                  (嘘)>エイプリールフールだしね☆