| なんかスプラッタ的な復讐主人公に、うっかり巻き添えで屋敷に軟禁されて命の危機な主人公の話(違)

 

顔そこそこ
頭そこそこ
家柄そこそこ
性格そこそこ

金持ち学園の基準値をオールクリアーしている俺は、生徒会補佐とかをやっている。
補佐といっても、役員が片付けた仕事を運んだり配ったり、連絡を取ったりだのという雑務を執り行っている為、決定権はゼロである。
つまり、役員が仕事をしなければ俺の仕事もない。
だがしかし。部屋に溜まった書類やら連絡メモやらが散乱していては嫌になる。これだけ散らかっていたら掃除も出来ない為、どことなく埃っぽい。
とりあえず俺は期限切れの書類(連絡メモは残す)を3日に1度、袋に詰め職員室へ運ぶという仕事だけを行い後はスルーすることに決めている。
こんなことになっているのは、傾国の男が来た、とでも言っておくとするかフフフ…!
俺には関係ないものの、もー学園は荒廃中?
恋愛沙汰でおかしくなっている連中の半分は(俺を含めて)後、半年程で任期が終わる為、学園が潰れることはないだろう…と信じたい。うん。神頼み的に。

「お」

―――そして手にした書類の中に、退学予定の生徒の名簿リストがあった。
またかい。と思いつつ、俺はその名前をメモして、携帯を開く。

「――――あ、もしもしパパン?阿呆息子でっす、また転校先都合付けて欲しいんだけど…うん、成績とか希望とか本人と話してみるからパンフよろしく」

あ。ついでに、そろそろ限界そうな巻き込まれてる子にも声かけとこ。

そこそこの家柄といっても、うちの父親は教育関連に強い。
とばっちりで退学にさせられる子を、自己都合での転校という形で編入先を探せるくらいには。(甥馬鹿で頭が沸いちゃった理事長を諭せるくらいじゃないんだ☆ぜ☆)
…当然うちの学園よりはランクは落ちるものの。
いや、成績のいい子はね、同ランクか1ランク下くらいも紹介出来るんだけどね?やっぱね?成績に合ったとこじゃないとついてくのも大変でしょ?
大丈夫…共学を多めに紹介してあげるから!(俺が行きたいよ!ひゅーひゅー!…なんで行かないかって?一人くらいはこの学校出てないと箔がつかないって、悪い病気もらっても安心な三男の俺が、兄ちゃんらの為に約6年間頑張ってんの。
なんとか守り通したこの操…!卒業までに失っても暖かく迎えてくれると家族が言った…!泣きっ)

「阿呆な息子でごめんねパパン…」

お前の阿呆さは生まれた時からだ。その阿呆さのままで、無事卒業して帰って来いと言われた。…けなしてんの?褒めてんの?
ほろりと来た涙(嬉し涙ではない)を隠し、転校人数を数える。
うん、さっきメモった退学決定の生徒は確実として…やっぱり、傾国の男(笑)に連れ回されてる生徒も決定リストに入れといた方がいいな。限界そうだし…
腐っても生徒会役員を、止められる権力は俺にはないけれど、ドクターストップくらいは入れさせて欲しい。
成績は…真ん中くらいだし、この学校にいるよりかは普通の学校出て、大学で頑張って欲しい。
パンフ持ってー後、放送部に呼び出ししてもらってー、書類は役に立ってない職員飛ばして理事長室に入れといてー。ああ忙しい…

 

で。

 

今、俺は一体どういうことになっているんだろうか?
ゲームでしか見たことがないような古い洋館に、俺…もとい、俺と生徒会関係者は転がされていた。
立っているのは、俺が冬休み前に転校手続きをとった生徒の1人とその関係者のみ。(薄目で確認)
今にも、今から皆さんに殺し合ってもらいますと言わんばかりのムードだ。
何がどうなってこうなったのか、気絶したフリのまま回想してみよう。

 

 

冬休みに入る日、もうちょっとで生徒会から解放されるー(雑用だけど)と、お疲れ様とお菓子やネタジュースをクラスメートにもらい、それを鞄にまとめながら帰宅しようとしていた。
それから校門から出ようとした所、生徒会集団が通りかかったので、先に行ってもらおうと脇に寄って門を―――………はっ!そこから記憶がない!頭が痛い!誘拐!誘拐かこれ!
じわっと汗が垂れる中、周りの人間が起き出した。(俺はまだ気絶したフリ)

で、(怒鳴り散らして)事情を聞いた所…――復讐だとか血生臭いことを行うらしい。…うん、血生臭い惨劇的なことを。(大事なことなので2回言った)
え?俺も?俺も復讐対象?巻き込まれただけ?………はぁッ!!まさか悪意で転校させたと思われた!?ゴメンナサイ!おうち帰して!!
じわじわ背中に汗が出て冷たい。
激昂した声が聞こえた瞬間に、俺の生存本能が爆発した。(だって雰囲気がマジヤバイ☆いや、真剣にね?)

起き上がり、近くの荷物を引っ掴んで声がする方から逆へ向かった。
運良くそっちは部屋から出るドアが何個かあったので、ダッシュで逃げる。
後ろで声が聞こえた気がするけれども、それは無視する!仕事以外であの集団と一緒にいるとしんどいから!見捨てたとか、囮作戦とかでなくね!
集団行動も単独行動も危険は変わらないから!(言い訳)
…ていうか、「こんな所にいられるか!俺は部屋に戻る!」な行動は死亡フラグの気がする。
廊下を走っても当然モンスターは出て来なかったが、嫌な予感がひしひしとしたので俺の悪運……直感に従い、部屋のドアに飛び込んだ。
古いながらも人の手が入った室内(寝室だった)に、ぞわぁっと背筋が粟立った。
こう、建物丸々を準備するまでの力というか悪意というか…怖すぎる。

「とりあえず、バリケード…」

持って来ることが出来た荷物を椅子に置いて、ベッドを動かす。重いけども、ジリジリ動かしてドアに立てかける。汗が…止まらないぜ!
他に小さな机やら、荷物を退けて椅子やらも積み上げる。
…うん、ジェイソン以外なら侵入を防げそうだ。
一息ついたものの、気を抜かず更に隠れ場所を探す。よし、クローゼットに隠れよう。てか、クローゼットしかない。(カーテンの裏は論外だし)
そう…密室の中に密室を作りだし、そこで敵を待つ!って漫画で読んだことがある。問題は武器がないことだな…泣くっ。
クローゼットにインした後、持ち物をチェックすることにした。

地方の銘菓×3箱、バラ多数
ネタジュース×6本
尻ポケットに財布と携帯(圏外)

………ありがとう、級友達!後、パパン&ママン&兄ちゃん、3日以内に俺を見つけだして!それ以上は持たないよ!
ずんだ餅をもちもちさせつつ、クローゼットで体育座り…。
うぅ〜…こう薄ら暗いと眠くなるな…
とりあえず、寝よう!

 

 

食べる→寝るを何回か繰り返した後…(携帯で確認した所、丸一日は経っていた。…トイレ?水の止められたバストイレがついてたぜ!クローゼットから出る時、かなり緊張した…)
ドガガガガガガ!と、工事現場のような騒音に強制的に意識が浮上させられた。
何?!何事!?
ガッターン!やらガーンッ!やら、破壊の音が響きまくった後―――不意に静かになった。
足音がこっちに近付いて来る…。
心臓がバクバク言って、息が出来ない。く、苦しいっ。

クローゼットのドアが開き、眩しさで目が眩む。

 

「みぃーつけた」

 

「ひぎゃーーー!!」

こ、攻撃を!「あぐぁー!;」…焦り過ぎて、クローゼットから床に転がり落ちただけで終わった。

「大丈夫?」
「だい……あぶぁっ!!;」
「ずぅーっとね、君と話したいって思ってたんだ…」

恨みつらみ、恨みつらみを!?
そう叫びたかったものの、俺は2つの事に気付き、人語を喋れなくなった。
1つは血痕。それはもぅ、生臭いスプラッタ的な。
2つ目は………表情、俺の気のせいでもなんでもなくその…恋する乙女…乙メン?のような潤んだ目と赤らんだ顔で俺を見ていたせいだ。

「お礼が言いたくて…その、」

俺の微妙にズレた心遣いに惚れたとか腫れたとか…
―――OK、わかった…まずはその血痕が致死量のものなのか、そうでないのかを答えてもらおうか!話はそれからだ!!



勿論、復讐主人公は敢えて成績を抑えて周りを鼻で笑っていた訳ですが、成績に合わせた学校を紹介するから!と空回り気味に勧める主人公に胸きゅん。
恋と気付く前に学校変わっちゃいましたが、復讐ついでに見事再会かつゴールイン(?)
殺してはないです。半殺しで嬲りました。
裏設定的に、主人公が連れて来られたのは偶然です。王道っ子にぶつかられ頭打って気絶(たんこぶ程度)したので、誘拐時にまとめて連れて来られました。
床に転がされていたのは、復讐っ子が腕力的に持ち上げられなかったのと他の人間に触らせたくなかったせい。証拠に主人公だけ縛られてなかった為、逃げられた。
悪運が強く、バイタリティ溢れる主人公にますます惚れたとか。

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