拍手で使用されたSSです。

 

<主坊>



「軍主に夏休みをプリーズです!!」

カナタはそう力説した。
………山と積まれた書類の前で。

「ほぅ…(怒)」
ピクピクと正軍師は怒りで頬を歪めている。
夏休みよりも、この『夏休み終わり間近の宿題』といった感じの仕事を何とかしろと彼は言いたいに違いない。
「〜〜〜寝ぼけた事を言わず、この書類を片付けていただきましょう」
「黙れへぼ軍師」

サラリとカナタは相手を切り捨てた。(言葉の暴力で)
「このッ――(怒)」
「シュウ殿!押さえて下さい!!;」
乱闘になれば、目に見えてこちらが不利なのだ。むしろ正々堂々仕事を投げ出される上、部屋と書類が壊滅状態に陥る…。
「カナタ殿、どうして夏休みが欲しいのですか?」
「え〜☆それはですね〜♪」
クラウスの問いに、カナタはにこにこと子供そのものの笑顔を浮かべ、うっとりと夏休みの計画を口にする。

「カイルさんと湖で水遊び(not泳ぎ)して〜♪海にも行きまして〜♪スイカ割りに挑戦してみたり〜♪あv森に行って虫採りとか〜♪川遊びもしたりー!後街に行ってはむやみやたらに交易所を覗いてウィンドウショッピングも楽しみたいですーーー!!!!それにぷち旅行も♪」

遊んでばかりの夏休みだ。

「…………カナタ殿、それだと普段やっていらっしゃる事と変わらない気が…;」
「…………あ。それもそうですね。
  じゃあ僕カイルさんと遊びに行ってきまーす♪♪♪(逃)」
「〜〜〜〜〜〜〜(怒)」
「あ!シュウ殿!?;」

胃痛で倒れたシュウを尻目に、カナタは逃げ出した。

 

 


<テド4>


テド4

「「「「おめでとうございます!特賞!特別旅行南国の島へご招待!!しかもカイカ付き☆」」」」

………………船内で買い物をし、何気なくクジを回した結果…そんな事を言われた。―――出た玉を目の前ですり替えられて。



「―――で、今度は何の真似だ?(怒)」

ぶち切れて戦闘を開始した後、(痛み分けで戦闘を中断)テッドはそう問い掛けた。
「えっとさ、せっかくだからカイカに夏休み取ってもらおうと思って!」
「普段から遊んでるヤツに必要ないだろッ!(怒)」
「そんな事はないですよ、カイカは普段からしっかりリーダーとしての責任を果たしつつ、遊んでもいて、更には戦闘も行っているんです」
「さすがに働き過ぎだろ?夜まで全力で走り回ってるしなぁ…」
「遊ばせるのを止めれば良いだけの話だろうがッ!(怒)」
「それは可哀相だろうが、カイカはずっと働きっぱなしだったんだから、せめて自由に行動してもらいたいと――」
「それで一日走り回ってたら同じだろうがッ!!(怒)」
もっともだ。
「とにかく!そんな訳で、カイカに暫く夏休みをプレゼントしようかな〜?って計画なのよ」
「あ、ついたようです」
「そーれ!運び出すぞー!!」
「カイカも急げよ」
「はーい!無人島0円生活にお二人様ご案内〜♪」
「「「わっしょいわっしょい!」」」
何する!とも文句を付ける間もなく、人海戦術でテッドは威勢よく船外へ連れ出される…。


「この…!(怒)」
2人がペッと船から出されたのと同時に、まんじゅう船は出発した。船全員がグルになっているのだろう事が確信出来る行動の早さ だ。
「水はそこなー!」
「テントは洞窟の方に準備してあります〜!」
「カイカが居れば食料は普通に手に入るからー!」
「ちなみに迎えは1週間後だー!」

「そこまで準備してるなら最初から相談くらいしろッッ!!(怒)」

小さくなるまんじゅう船に、一応叫ぶだけは叫ぶと…テッドは疲れたように息を吐いた。
まあ…
「―――一週間付き合ってやるか…」
青い空と澄んだ海にほだされたという事にして、
「…カイカ、」
「?」
頭を掻きつつカイカに呼び掛けると――――妙に離れた位置から気配がした。

「―――いきなり巨大蟹を採ろうとするなッ!!(怒)」
「…マグロ?」
「違うッ!!種類がどうこうじゃなくて大きさだ―――倒すなーッ!!二人で食べ切れる量か!?無理だろうがッ!?(怒)」

…平和な、とまではいかなくとも、楽しい夏休みにはなるようだ………。  

 



<主坊(学園ネタ)>



「夏休みが嫌ですー!(泣)」

…そんな事を言って来たカナタに、カイルは困ったような表情をした。
夏休みと言えば、カナタはきっと小学生のように喜ぶものだと思っていたのに、カナタは机の上に置かれた通信簿を潰す勢いで身を乗り出しているのだ。
「どうして?;」
「だってカイルさんに会えないじゃないですか!!」
毎日会えなくなりますー!!今だって学年違いますから授業中は会えないのにー!と絶叫するカナタに、カイルは何と言って良いのかわからなかった…。しかし、このまま少年を放置しては学内中に被害が広がる事だけはわかっていた。
「カナタ、夏休みだったら一日遊べるから…;」
「丸一日…!」
カナタはビクリと動きを止めた。
「うー…いや、でも…僕のうきうき軟禁学校生活計画…ッうーん〜〜〜;」
「……………(汗)」
軟禁学校生活計画…?;と、かなり気になる単語があったりしたが、カイルは通信簿を鞄に直しつつカナタの言葉を待った…。

「…毎日遊びに行ってもいいですか?」
「え?;…うん、カナタの宿題が滞らない程度なら…」
「やります、ていうか勉強教えて下さい。…たまにはお泊りしていいですか?」
「…カナタの家の人が良いって言うなら…;」
「やったーーー!!ビバ☆夏休みーーーッ♪♪♪」

やったー!と喜ぶカナタを見て、これで良かったのかな…?;と一抹の不安を感じるカナタだったが、とにもかくにも全校生徒らの夏休みは守られた…。  



<テド4(学園ネタ) >
※お付き合い後くらいの時期


「………もうすぐ夏休みだな、」
「(こっくり)」
「……………何か、その…〜〜〜予定とかあるのかっ?」
「あるばいと。」
「…いつまで?」
「?」

真っ黒に埋まったスケジュール帳。

「………そうか」
「?」
「………」
「…」


(どこか誘うつもりだったテッドさん)  

 



主坊+テド4


1

白い雲…
青い空…
一面に広がる水平線と砂浜とくれば―――…

夏だ!
海だ!
どざえもん祭だ!

「何でですかー!!(怒泣)」
頭にワカメを付けた砂塗れのカナタが、ガバリと起き上がり叫んだ。

そんな訳で海である。


「カナタ、大丈夫…?;」
「何でですか…何でですか…!何で僕は泳げないんですかーッ!(泣)」
「泳げないのが問題じゃなくて、泳げないヤツが波乗りなんかするのが問題なんだよ…;」
バシバシと砂浜を殴るカナタの頭からワカメを外すカイルと、その光景に突っ込むテッド。彼が突っ込まねば誰も突っ込まないという、最後の良心役を彼は果たしていた。
「ううっ…(泣)カイルさんの前でかっこよく波乗りをしたかったのに…っ!海と言えばサーファーなんです!!(涙)」
「危ないからやめて…;」
懲りないカナタに、カイルは躊躇いながらもやんわりと窘めた。
「はぁ〜;―――あ?そう言えばカイカのヤツどこへ…」
少年を救助した、海の玄人カイカの姿がない事にテッドは首を傾げた。
誰もいない島に来ているとは言え、何となくカイカは(ある意味)放っておけない雰囲気があるのだ。
テッドが辺りを見回すと、ちょうどタイミング良くもカイカが顔を出した所だった。…ザバ〜と海の中から。しかも両手に魚を持って。

「服着たまま泳ぐな!後、魚を手掴みで採るな!!(怒)」
「?」

「久々の海で大はしゃぎですね!」
「…………;」
カナタのコメントにカイルは困ったように苦笑するしか出来ず、「ちょうどいいからお昼にする?;」と話を逸らしてあげる事しかできなかった。  

 




魚から内臓を抜いて食べやすく処理をする。小さな魚は串に刺して網の上に、大きな魚は刺身にするかどうかを考えながら、その合間に持って来た食材を鉄板で焼いていく。
カイルが調理をする間、テッドが砂浜に座り込み、火の番をしていた。
「…アレ、放って置いていいのか?」
「食材確保になるから…」
引き攣った顔で言うテッドと、微笑ましそうに微笑を浮かべるカイルの視線の先には、カナタとカイカがいた。

「おお〜!!タコですかタコ!!次は何か貝とか採って来て下さい☆」
「…(こくっ)」

テッドの目には正しく、鵜飼いと鵜の光景に見え、カイルの目には子供二人が仲良く遊んでいるように映っていた…。

「全く…(怒)」
面白くはないが、止める程でもないと判断し、テッドは火を見ながらも二人を監督し続ける。
貝を取りに少し沖へ出たカイカは、海面から岩場に立つ少年に向かって、採った貝をうまく放っていた。
網の上を見てみると、大分スペースが残っており、貝があれならそれを焼こうかという気持ちになった。
「――カイカ! こっちにも投げてくれ、」
手を振りテッドがそう呼び掛けると、海上のカイカは小さく首を振ったのがわかった。そして勢い良く手に持っていた食材を一つ投げる。
「おー…」

空から黒々としたものが飛んで来る。
近付く毎にそれは鋭い輪郭を宿し始め―――…

「ッ!!; テッド!危ないっ;」
「うお!?;」
その声で反射的にテッドが跳び退くと――…そこには黒々としたウニが刺さっていた。


「ウニを投げるな!!ウニを〜〜ッ!!;」
「〜〜〜っ???;」
海から引っ張り出され、頭を両手でグリグリされるカイカは?マークを飛び交わせるだけだった。

「愛があればきっとウニだって受け止められる筈ですよ!知りませんケド!」
「そういう問題じゃないから…;」  

 




「おいしー♪♪です!!カイルさんおいしいですよ!!」
「よかった…」
食材は山のようにあった(採った)為、4人で食べるには充分過ぎる程の料理が完成していた。
それをもぐもぐと成長期真っ最中(でも身長は伸びない)といった勢いで食べるカナタは、カイルと幸せそうに笑い合っている。
平和な光景だ。(保護者と子供にも見えるが…)

テッドも焼いて口の開いた貝にしょうゆを垂らしながら、その光景をやれやれと見ていた。
潮の香りとしょうゆの匂いが混じり、食欲がそそられる―――中、妙に甘い香りが漂う。
「?(汗)」
隣に立つのは真剣な表情を見せたカイカで、テッドは思わず匂いの元を捜す事も忘れて何事かと固まった。

が。

次の瞬間には、別の意味で固まった。

「まんじゅうを焼くなーーー!!!!(怒)」
「焼きまんじゅう。」
「こんな時だけキッパリ答えるな!(怒)デザートから食べるのが問題なんだッ!」


「怒鳴りっぱなしですね〜」
「……………(汗)」  

 




スイカ割り。
それは騙し騙されないかの頭脳戦である。

目隠しをして30回転後、スタート!

「右右左左上下Aジャンプです!!」
「嘘を教えるなッ!!(怒)」
「カイカさん;そのまま真っ直ぐ…」
「それから回転ジャンプですよ!」
「だから…オイ、少し右にズレたぞ!;」

「?????」

次々にされる指示に、カイカはどう進めば良いのかわからなくなる。
特に1名嘘を言っている為、その通りに動くと目茶苦茶になる。

「〜〜〜????;」

―――カイカは混乱の頂点に達した。


一閃!


「おわあ!!;」

…危うく、スイカごと全員斬られる所だった…。(当然、カイカはテッドから「危ないからお前のレベルでむやみやたらに一閃を使うなッ!」と怒られた。)  

 




素足が砂の上を伝う、
神経を集中すると、人の気配は近くに3つ。
潮の匂い、
波の音、
砂の感触、
全てに集中し、無機物の気配をも探る。

…動かない丸い物体、

それだと目星をつけ、一度手に握る棍で宙をなぞり―――勢い良く振り下ろす。

バキャッと確かに粉砕されただろう手応えに、カイルは目を覆っていた目隠しを外して周りを見た。
スイカは真っ二つに割れ、中から真っ赤な果肉と種を敷物の上に撒き散らしていた。
そしてギャラリーは………
「…どうしたの?;」
「いや…;」
「何て言うかスイカ割りを見てる気がしませんでした!」
「…(ぱちぱち)」
冷や汗を垂らしている二人の中、カイカだけが素直に感心して拍手を送っている。  

 




「夏の海と言えば!花火です!!」

『カナタ作手持ち花火!』を掲げ、カナタは宣言した。
………制作者が制作者だった為、一様に不安になったのは間違いではないだろう。


しかし、不安は杞憂だったようで、パチパチと色とりどりに花火は綺麗に燃えていた。
「…(♪)」
「お〜」
真っ暗になった海辺に花火が小さく爆ぜ、充分に夏の夜を満喫出来る。
持ち手だけが残った花火が、バケツの中を大量に占領した頃…カナタが再び張り切って大きな花火を持ち出して来た。
「じゃーん!締めはコレです!!国の予算突っ込んで作成しちゃいましたよ♪」
「カナタ?;」
問題発言だ。

「あの某天国の恋の花火に勝るとも劣らない出来の!打〜ち〜上〜げ〜花〜火〜ッッ☆」

大砲のようなものを空に向けると、カナタは勢い良く導火線に火を付けた。
「カイルさんに届けー♪僕の愛ーーー♪♪」

ドゴーン!!と、大きな音を立てて打ち上がった火の紋章片をたっぷりと使った花火は、空一面に真っ赤なハート型の華を咲かせた…。

「わあ…;」
「(ここまで来ると逆に)凄いな…;」
「…!(拍手)」
「どうですか!?カイルさん!僕の想いは届きましたかっv!?」
………上がったまでは良かったのだが………。

「「「あ;」」」
「Σぎゃあッ!?;」

………咲き終わったハートの花火は、見事に真ん中から真っ二つに割れたように終わったのだ…。



「僕の想いーー!?!?ブロークンハート!?(泣)カイルさーん!?!?!?(号泣)」
「大丈夫だから;落ち着いて!;」
「お〜い;そろそろ撤収するぞ〜;」
「片付け終わった。」