ハロウィンSS
ハロウィンパーティー当日…というには、いやにおどろおどろしい会場であった。
いや、ハロウィン自体もおどろおどろしいといえば、それはそうなのだが、…百鬼夜行会などと書かれた垂れ幕が下がり(しかも墨汁が垂れている…)、まんじゅうが積み上げられている様子を見ては、ハロウィンパーティーとはとても呼べないような代物だ。
「カボチャランタンは南瓜に目と口を書きました!さすがに削るのは無理です!そして、後で美味しい南瓜汁になります。」
「子供達の目が死んでる!!;」
楽しいはずのハロウィンが、妖怪の集いにさせられたのだから無理もない話である。
クッキーやキャンディが消え、代わりにまんじゅうが塔のように積み上げられ、南瓜の入った煎餅が小袋に包まれている。仮装衣装は和服のみで、猫娘や座敷童になった子供達が微妙そうな顔をしていた。…まあ和菓子好きはまんざらでもない顔でいるが。
「一体なんだってこんなことを!?」
「いや〜トリックオアトリートって選択させるより、もう最初っから悪戯しとこうかと思いまして〜☆」
「誰かカイル呼んで来い!!;」
少年の供述。「なんとなくやってみたかったんです!(反省の色なし)」
とりあえず、おどろおどろしさは据え置きなものの、新たにハロウィンパーティと書かれた垂れ幕を下げ直し、西洋風なセットやお菓子が運び込まれ、無事にハロウィン&百鬼夜行パーティーが開催された。(和菓子が勿体なかった為。)
「とは言え、和洋折衷風ハロウィンもなかなかいいですよねー」
「そう?;」
座敷童がちび魔女と共に、羊羹とクッキーをもらっている光景は、なんだか違和感がある。
ちなみに、今年のカイルの衣装は花魁…になるところを、抵抗に抵抗を重ね、和装+猫耳しっぽだ。しっぽの先が2つに分かれているので、猫又ということらしい。
もはやハロウィンというよりも、コスプレ会場だ。
「―――ところで、カナタの恰好は何?;」
「『金魚草』です!」
「金魚草!?;」
巨大な金魚(不気味)の着ぐるみを被ったカナタは、一体どこの層へサービスしているのかわからなかった…。