ロイ王編
「ん?何だ?」
ロイがぶらぶらと城内をうろつき、ヒマ潰しにと目安箱の中に手紙を入れようとしていた時の事だった。
…何故かカルムの部屋の中から、どったんばったんと争うような音が響いて来ていたのだ。
「何やってんだアイツ…?;」
しかし、ふと脳裏に閃くものが合った。
(――――賊か?)
もし暗殺者が城に潜り込んでいたなら――…とまで考えたが、…さすがにそれは、ないないと苦笑いでその考えを笑い飛ばす。
…でも、まあ気になったには気になった為、何となく足がカルムの部屋に向かってしまう。
「おい、王子さん。何かあった――」
ドバキバターン!!
…ドアが無理矢理中から弾け飛んだ音だ。
ロイは見事にその下敷きにされた。
「―――クソッ!逃がしたかあの×××野郎…っ!」
怒るカルム(裏)の罵声が、ロイのちょうど真上でした。
××潰れちまえとまで宣言する声に、こりゃあ相当キテんな…と、ロイは遠い目で思った。
………が、キレやすいロイがそのままの状態に甘んじている訳はなかった。
「って!いきなり何しやがるっ!(怒)」
バーン!とちゃぶ台返しの要領でドアを投げ飛ばし、相手の顔を睨み付け――――――…
「………」
「………」
怒りも痛みもどこかへ飛んだ。
…何故か、目の前には、キラキラのピカピカのドレスを着たカルムが立っていたのだ。
無論女物だ。
銀色のキラキラと煌くドレスに、シルバーのティアラ、とても高そうというか手の込んだ品は、あつらえた様にカルムに似合っていた。…難を言うなら、目がチカチカする点だ。
ロイは停止した思考を捻り、何とか口を開いて言った。
「…ぶ、舞踏会か?(汗)」
「ねェよ!(怒)」
ドレスの裾から渾身の蹴りが放たれ、ロイの額にヒールがめり込んだ。(…下から素足とガーターベルトが見えた。)
「〜〜〜〜〜(怒///)」
もう何をどう表現していいのか感情がぐちゃぐちゃになったカルム(裏)は、顔を真っ赤にしてヤケクソのようにヒュッと引っ込んだ。
「あっバカ…!;」
「………ロイ?」
途端、きょとんとした様子でカルム(表)が、不思議そうに瞳を瞬かせた。
「あー…王子さん、その、落ち着いてそのまま目ぇ閉じろよ;」
「? 何言って…え?え、え、…ええええええええええ!?(///)」
…一足遅く、自分の格好に気付いたカルムは、真っ赤になって悲鳴を上げた。
「王子!何があったんですか!?―――その格好は!?」
王子の危機!とばかりにリオンが病室から脱走して駆けつけて来た。
「わ、わからないっ…(///) 気が付いたらこの格好でっ目の前にロイがいてっ…!(///)」
「オレの名前を出すなーーッ!!;」
恥ずかしかったとのだと言いたかったのだろうが、自分で自分の身体を抱きしめ床にへたり込んだ半泣きのカルムがそんな事を言えば、誰の名前が出ても犯人確定の威力だ。
「ロイく〜〜〜ん!?(怒)」
「あ、ひょっとしてこれじゃないですかぁ?ほら、ハロウィン!今日の臨時の新聞に載ってましたよ〜仮装のお祭りだそうですよぅ♪手書きみたいですけど、一体誰が書いたんでしょうねぇ」
「わぁー王子、似合いますねー!ロイ君、グッジョブ☆」
「グッジョブじゃねーッ!(怒)」
集まって来た女王騎士らに、オレじゃねー!(怒)とロイは主張するも、犯人は分からずじまい…。
しかも部屋の戸が壊れてしまった為、カルムの逃げ込む場所もなく…どんどん騒ぎは大きくなっていったという………。