ひな祭り
「へっぷ。」
うぃーっと赤い顔で目を回している少年。
明らかにカナタは酔っていた。
(カナタへの)アルコール、ダメ、絶対。が標語になっているこの城で、カナタが何故酔っているかと言うと、今日がひな祭りであるからだ。
正しくは、祭という名目で飲みたい酔っ払い達の仕業である。
イベントごとに騒動を起こすカナタと、その騒動に巻き込まれるのを防ぎたいメンバー達。
とりあえず、カナタを行動不能にしておけば騒動は起きない。=カナタを酔い潰しておこう。
一番混ぜてはいけない方法が混ざってしまった。
誰が悪いかと言えば、どちら(方法も、日頃の行いが悪いカナタ)も悪い。
「ひっく。」
ぅにへ〜と笑いながらカイルの膝枕の上で、腰に抱き着いているカナタは、確かに今日はもう起きないだろう。
しかし、――――非常に犠牲は大きかった。
「あ……」
「うぃぃ〜」
メキメキと城の中から生える巨大な桃の木に、ついに目の前で城の一部が崩れた。
酔っぱらったカナタが起こした大惨事がこれだ。バイオプラントテロとでも名付けるべきだろう。
同盟軍メンバーらが死屍累々とばかりに倒れているのを見ても、他にも色々とやらかしていると見て正解だろう。
(本当にどうしよう…)
「カイルさ〜ん…むにゃむにゃ」
酔っ払いを膝に、カイルは遠い目をしながらも、起きたら叱ろうと心に誓った。
今日は楽しいひな祭り?