※一発ネタです。

 

 

 

「カイルさん、僕とぷち旅行に行きませんか?」

 

と、そんな事を言うのは、ここ三日間ほど睡眠以外は執務室に軟禁されているはずの少年、カナタである。

ちなみに、自室だというのに、窓から顔を出していたりする。

 

「カナタ…なんでそんな所から…?;」

「お出かけは窓からすると、一味違った冒険が出来るって言うおまじないです!! さあっ最低限の荷物だけを持っていざ行かんです!!」

「………(汗)」

 

少しカイルは悩んだものの、ここ最近のカナタの追い詰められように、同情したのか、差し出された手をとって自分も窓に足をかけた…。

「どこに行くの?」

「カイルさんとならどこへでもっ! あ、でもトランの観光に一回行ってみたいです♪」

 

 

そんな訳で、二人のトラン共和国へぷち旅行することに決まった。

 

 

 

グレッグミンスターから出ることは止められていたけれども、カイル付で尚且つ、大統領からのお墨付きがもらえれば、もう観光し放題だ。(レパントの許可は無理矢理とったのだが…)

…ただ、問題はかなり長期の旅行になってしまうことだろう…。(帰宅は一瞬で済むが、)

「………」

そして、自分変えてしまった――良い意味でも悪い意味でも――町を見るのは、複雑な気分のカイルだったりするが…

「カイルさんー♪ここから近い町はどこですか〜♪」

「ロックランドだけど…」

「ならそこから行きたいですーvで、カイルさんの時の本拠地とか見てみたいです!」

わくわくと純粋に観光を希望する少年の顔を見ると、何だか悩んでいたことが嘘のように思えてしまえる。

「どっちですかー?」

「あっち…」

方向を示すと、手を繋いで、引っ張られた。

「えっへっへーv」

「………」

まあいいか、と微笑するカイルに、カナタが大はしゃぎしたのは言うまでもない。

 

 

 

――――――しかし。

カイルが行く先で見たものはというと…

 

 

 

「あ、お墓のメッセージにクライブさんの名前発見ですー!」

「……………」

「細かいイベントですよね〜♪…ねーカイルさんー?;」

「……………」

…元々は、ふかふかのわらぶきの寝床と、ぼたん鍋と、圧制と処刑の町だった町は、見事に活気のある町になっていた。

…それはいい。

それはよかったのだが!

「…カイルさん」

「………」

「お土産…買ってもいいですか!?(真剣)」

「絶対ダメ。」

ついにカナタが避けていた地雷原な会話を口にした。

そう…ここ、ロックランドでは、今では名物はトランの英雄グッツになっていたのだ。

 

「いらっしゃいいらっしゃい! トランの英雄まんじゅうだよ!お姉さんロックランドに来た記念に一つどう!?」

「ロックランドにしかない!トランの英雄の持っていた棍のレプリカだよ!」

「さあ買った買った!」

 

…活気があるのは良い。

良いが、異様過ぎる光景だ。

「カイルさんのフィギュアー;」

「………(怒)」

物凄く欲しそうな目をした少年の頭を、ポコッと棍で叩くだけで黙らせると、カイルは考えた。

――――一体どうしてこんな事に!?

戦争に勝った方の軍の旗頭が、英雄として祭り上げられることは、理解できる範疇だけれども、間違ってもアイドルとして祭られるなんて、ありえない…!

…カナタが聞いたら、「いえっ!僕には納得できます!」と熱く力説することだろうけれども、さすがにカナタに人の心を読む能力はなかった。…もしあったとしても、今のカイルにそんな命知らずな発言は出来ない。

「………;」

カイルは…もうどうしようもなくなって、頭を抱えてその場にうずくまった。

「カイルさん…;(そこまでショックですか!;)」

そして、そんなカイルの元に、追い討ちをかけるような、群集のざわめきが耳に届く…。

 

「あ〜早くグレッグミンスターの共和国公式グッツ店開かないかな〜?」

「あれなんで当分休業だっけ?」

「え?改装かなんかだろ?」

 

 

――――― ア イ ツ か (怒)

 

 

念のため、レナンカンプの町も回ってみたが、同じような状況だった。

 

 

 

 

 

 

グレッグミンスター〜城内〜

 

非公式会見の場で、レパントは死の危機に瀕していた…。

 

「――――どういうつもりだ?」

に〜っこり、と青筋まで立てて、気合の入った笑顔のカイルは、完全に解放軍時代のオーラが戻ってきてしまっている。

対するレパントは、脂汗をダラダラと垂らすしかない。

「いや…これには事情がありましてなっ…(滝汗)」

「どんな?」

「そうです!そうです! 僕にも内緒でこんな国ぐるみで面白い企画をやるなんて!納得いく理由を言ってくださいーっ」

くっついてきていたカナタが同意の声を上げるが…まるっきり言いたい事が違っている…。今のカイルにさえ全く態度を変えずにくっついてそんな事を言えるのだから、この少年の愛vカイルさん魂は相当なものだ。

そんな少年の姿に、少しだけ怒りのオーラを和らげながらも、カイルは追及の手を緩めなかった。

…返答しだいでは、殺る気満々の様子だといえよう。

「そっそれはっ…;」

 

「―――そう、れっきとした事情があるのです…」

 

「、アイリーンさん…」

「アイリーン!」

妻の登場にレパントは気色を現し、カイルは怒りを引っ込めた。

…まともな事情とやらを、聞く気になったのだろう。

「この人は貴方が去ってから、考えました…」

長いまつげを伏せ目がちにして、アイリーンは誰にともなく口を開く。

「解放軍リーダーとして、新しい国の統率者にならなかった貴方を、どうやって父殺しの英雄という誹謗から守ろうかという事を…」

「……………」

「そして、思いついたのが…国を挙げての一大ファンクラブの設立ということでした…――――――――まあ、殆どこの人の趣味ですが

 

溜息をついてのアイリーンの言葉に、カイルは今度こそ、容赦なく一国の主の頬に、ボコォッ!!と拳を叩き込んだ…。

 

 

 

 

 

 

 

「もうトランに戻りたくない…」

「わ〜vじゃあ僕の城に移住してください〜vv グレミオさん(保護者)付でいいですから〜v …て、僕も今はあんな仕事の溜まった場所に戻りたくないです…
  海の方に行って見ませんか〜?? しばらくの間!」

「………うん、」

ぷち旅行じゃなくて、ぷち家出かも…と思いながらも、カイルは頷き、手を引かれるままについていった…。どうしても、逃避に走りたい気分なのだ。

 

…蛇足になるが、カイルの本拠地は、観光名所として、看板まで立てられていたということだ…。

 

 

 

 

 

…こんな話になりましたv(吐血)

…アップしようか悩みました…orz

特にPSP版幻水をやり直していると、余計に…(殴)

というか、旅になってませんね??;逃避行に走る直前って感じにっっ!?;(土下座)