おっもいーっこんだらっ♪いっばらーのみーちぃーを〜

 

…謎のテーマソングが鳴り響く中、少年は崖の上で何故かポーズを決めて、立っていた。

そう、今回は彼、カナタの漢の修行について紹介させていただこう…。

 

 

 

ここは、漢の修行場と呼ばれるカナタの秘密基地で、彼はこの場所で漢を上げるが為の修行を繰り広げているのだ。

単独、または複数人で。

「今日はオンリーワンですよ! オンリーロンリーグローリー!」

何か色々と引っかかりそうなことを言っているが、とにかく、彼は今、自己を高めるために、この場にいた。

すなわち、完全無欠な漢にならんが為に。

少年の目指すもの、それは全ての2主が目指すかもしれない事…そう、愛すべきマクドールさんにふさわしい漢になりたい、と。

「コスモを高めたら、こんな崖から落ちてもヘッチャラなんですーーーー!!!!!」

で、その少年は、とりゃーー!と勢いよく宙を舞った。

 

………

……………ぐしゃっ。

 

嫌な音が遠く、小さく響いた。

この修行…本当に効果があるのかないのかは不明だ…。

そして、どうでもいいが、エピソードGが好みである。

 

 

 

「ふー!耐久力アーップ!!」

頭から血がダラダラ出ているカナタが、さわやかな笑顔でそう言った。

…もっとも、彼の言うように実際耐久力がついているのかは定かではないが。

「次はバランス感覚をアップです! 身体能力の向上こそっ!漢の基礎体力となります!!」

言うが早いか、カナタはピエロのごとく宙に張った縄の上を歩き始める。

長い棒を持ち、すたすたと縄の上を歩く姿と速度は、さすがとしか言えまい。

しかし、まあ。

 

「あ。」

 

そんな速度がそう長く続く訳もなく。カナタは再び崖の下へとまっさかさま。

「重力ピエローーーーッ!!;」

バンザーイ。

 

 

 

 

「おっかしいですね〜? 魔界都市のお医者さんは、足場が急に崩れても、片足で立ってましたよ〜??」

西新宿のせんべい屋が好きである。

変な方向に曲がった首を直しながら、少年は再び漢の修行場に戻ってきていた。

「まー!基礎体力は後で、タイヤを引きずりながら、うさぎ跳びをするとして、次は技能ですね!」

実際の所、その訓練の効果はないらしい。

ごそごそとカナタが懐から取り出したもの、それは――――編み棒と毛糸だった。

「漢たるもの!プレゼントは手作りに限る!です!!」

…カナタは言い切った。

「どりゃーーー!!」

と、ピンクに赤文字で、『愛vラブYOU!』と柄の入ったマフラーを高速で作り、

「うりゃーーー!!」

と、裁縫針と布で、チャイナドレスを仕上げ、

「うららーーー!!」

と、細い鈎針で、繊細なレースを作り、

「ぐにゃーーー!!」

と、あまつには白い花の可愛いコサージュまで作った…。

 

――――どう見ても、漢の修行とは思えない。

 

むしろ、花嫁修業だ。

「漢たるものお嫁さんの家事手伝いはすべしですーーー!! 野菜の皮むき特訓ーーーー!!」

シャーーー!!と、機械のごとくのスピードでジャガイモやらニンジンやら、リンゴやらの皮がカラフルに宙を舞う。

どうやら、今夜のメニューは甘いカレーのようだ。

「あいたーーー!!;」

…まあ、その速度で剥いたら、どう考えても指を切る。

「まだまだーー!! 今度は漢の見せ所ーー! 手打ちうどーーん!!」

どったーん!バッターン!と小麦粉のかたまりが武器のように巨大な台の上を、縦横無尽に暴れ回る。

「―――で、寝かしときましょう。」

しかし、濡れふきんをそっと被せる手つきは、丁重である。

こしの強い、美味しい麺になっている事だろう。

「後は糠をかき混ぜて〜 あ!漢の集会の為に、密造ウォッカ☆アルコール96%の発酵具合も見ないとです〜♪」

そこまで来ると、職人芸だ。

「さあ!後は、来るべきイベントの日に向け!アクセサリーのデザインとか、調達材料とか、製造方法の試作ですよ!!」

バサーー!と、無駄に地面の上に資料を撒き散らし、その場に座り込んでふむふむと考え始める。

「白…黒…いや、ピンクとかいいですね…! 今回は真珠のプレゼントをしたいです…! ああっ;でもっ…」

そう、少年には問題があった…。

それは…

 

カナタがカナヅチだということだ。

 

漢カナタは、漢らしくなく、カナヅチだったりする。

プレゼントは原料も調達☆を目標に掲げているが、真珠は淡水であれ、何であれ、水に潜らなければとって来れない。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜今日最後の漢の特訓を成功させるしかないですね…!;」

 

冷や汗を流しながらも、やる気に満ちたカナタの向かった先は、漢の修行場の片隅にある池である。

別に溺れると呪いにかかる、呪い的池ではないが、カナタは真剣に水面を見つめると、キッと決意を固めた瞳で、腰にロープを巻きつけ始めた。

ロープの先には、何気なく巻き取り機が設置されている。

「…どりゃーーー!!;対カナヅチ用特訓ーーーー!!!!!」

どっぼ〜〜ん!!

勢いよく水飛沫を撒き散らし、泳げない(強調)カナタは、水中に身を投げた。全く持ってスワンダイブには、程遠い飛込みだ。

 

そして、

1分…

2分…

3分…

 

 

…5分後、ガーッと音を立てて、巻き取り機が、作動を開始した。

その先には、どざえもん…もとい、カナタが水死体のごとくぶら下がっていた。

「うーん…;未来の世界に連れてかれる〜〜…」

 

ゲホホと、水を吐き、自力で蘇生を果たしたカナタは、ハァハァとびしょぬれで荒い息をつき、地面に座り込んだ状態でいた。

「……………」

見事に溺れたカナタは重い沈黙を続けたが、しばらくすると、頭を振って気を取り直す。

「さあっ!;今日の漢の特訓は終了です!!;明日へ向けてカイルさんへの熱い思いを胸に、朝日に向かってダッシュですーーー!!;」

何だか、カナヅチ対策から逃げ出したようにも思えるが、本日の修行は終了なのである。

 

彼がカイルにふさわしい漢になる日は、(この脱線したように突っ走る修行方法を修正しなければ)まだまだ遠いようだ。

負けるなカナタ!頑張れカナタ!

少年の未来は遠い。

 

 

 

 

 

 

「カイルさーんv」

「びしょ濡れだけど、どうしたの?;」

「内緒です!何故ならそれは秘密の特訓なんですから!!」

「………程々にしてね?;(ほとんど言ってるような…>汗)」

風邪引くから、と心配するカイルに、喜び余って抱きついたカナタは、見事に相手を濡らし、お風呂イベントをGETしたという…。

まあ、修業を終えた後は、こんな日常に戻るのだ。

 

 

 

文中に、他作品を大量に使ってみる…(ダメじゃん!;)

さあっ!全部わかった人はいるのかっ!?(いや、偏りすぎ…)

というか、書き溜めていたストックこれで尽きました。

次更新まで少し間が空くやも…