いつまでも平穏な日々が続くと思っていた。
―――父がいて、グレミオがいて、クレオがいて、パーンがいて、テッドがいる…。
そんな日常、
…すぐ外には荒廃が広がり、既に国が腐敗する臭いは漂い始めていたのに…それを許せないと感じていても、どこか遠くの出来事に感じていた。
仕官に出向き、世界の外を見るまでは――――…
あの、雨の日…
確かに僕の少年時代は終わったのだろう…
―――それでもあの時、僕はまだ…未来を信じていた………
積み上げられた幾千もの死体、
敵も味方も関係なしに放つ腐臭は、何が正しくて何が悪なのかもわからなくさせた。
「……………」
――――これが僕が選んだ道、僕が仕出かした事実…
乾いた血の貼り付いた手は、傷もないのに引き攣ったような痛みを伝えて来た。
「初めての戦にしては上出来でした」
マッシュの言葉にゆるゆると振り返る。
この死体の山が、
失われた命が、
―――あの女性(ひと)が背負っていた全ての物が、
『私の見ることの…できなかった…自由な世界を……』
…僕の肩にのしかかって来た。
自分が何かを口にするだけで、幾千もの命が失われ…目の前に横たわる肉塊に変わる…。
「………行こう、」
「はい」
それでも、
進むべき道を決めたならば、前に進もう。
躊躇いはいらない。
―――――そこに確かな未来があると信じていたから…(だから呪われた紋章を宿した右手と共に、屍の作り出した道を行こうと決めた。)
『お願いです。ぼっちゃんは、最後まで信じることをつらぬいてください。』
グレミオが死に…
『お前も、お前の信じたものの為、生きるが良い、私は、お前の選択を祝福しよう……』
父を殺し…
『今度こそ…本当に…お別れだ……俺の分も生きろよ…』
友を失い…
「行くぞ…!」
それでもまだ、何かが…(未来が)
自分を立ち上がらせる何かがあると信じていた…(失われた命が作り出す物が必ずあると信じていた)
「私は、お前を愛していた。」
「嘘よ。お前の愛していたのは、私の中に残るクラウディアの面影よ!」
「それは違う。私は、お前の瞳の奥に沈む悲しみを、消したかった。受け入れられぬ者の悲しみを。
私は、お前を愛した。しかし、それは間違いだった。私の犯した、ただ一つの過ちだ。そして、それは許されるものではない。」
「やめて、やめてちょうだいバルバロッサ。」
―――この喜劇は何だろう…?(笑えない程の悲劇は何…?)
ただここには、人の想いだけが溢れていて………(誰かが作り出した正しさや悪なんてなかった)
「私は、私の帝国を自分の過ちによって失った。カイル、君が、はたしてここに、どんな国をつくるのか…」
そう言って、二人は城から身を投げた…。
呆気もない最期に呆然とする間もなく、僕は…
僕は…
――――僕は壊れた
(あっと言う間に、ほんの一瞬で)
真実
人の想い
何が悪で何が正しいのか…
行き場を失った全ての怒りや、ぶつける筈だった悲しみが、溢れる事も出来なかった感情が、僕の心を内側から砕き割った。
…戦いが一つの終わりを告げた直後、僕は逃げ出した。
いや…逃げ出した、というよりは、壊れかけの人形がいびつな動きを繰り返すように、ただ動き続けようとしたのかもしれない。
「坊ちゃん…」
「………」
僅かばかりに残った大事なものと共に、僕は国を後にした。
躊躇いはなかった。
紋章の呪いよりも何よりも…自分自身から逃げ出したかったのかもしれない…。
―――それからの3年間は、何をしていたのか…何も覚えていない。(ただ生きていた)
も一つ思う通りにかけなかった…ハズカシながらもアップ。(貧乏性)
ノーコメントでお願いします!;
後。解放軍時代のカイルさんはつらつ殺戮時代は、海月にも書けない謎の時代です。(吐血)
そして、次の作品でラストですー。
投票企画はそれで締め切ります!!
でも、今は…?
「カイルさんー!一緒に戦って下さい〜♪♪」
「うん…」