フリルとリボン。
レースで出来た白エプロン。
「是非コレで!!」
「………」
…恐ろしい事に、カナタが差し出したそれは、総レース(手作り)だった。
ある時、カナタがお腹を空かせていたので、
「お腹減りました〜…成長期なんですー。」←身長は伸びないが、一応成長期ではある。
「…何か食べる?」
「えっv もしやカイルさんが作ってくれるんですかッ!?」
「え?;」
決して、そういう意味で聞いた訳ではなかったのだが、少年はキラキラ☆と、瞳を輝かせて、喜んでいる。
「……それじゃあ…;」
別に作りたくないと言う訳でも、作って悪いと言う訳でもない為、カイルは首を縦に振った。
「やったですー♪♪」
「………」
そんなカナタの喜び具合に、カイルは苦笑に近い微笑みを小さく浮かべた。
そこまで喜んでもらえるなら、カイルにしても悪い気はしない訳で…ほのぼのとした、ムードが流れていた。―――――この時までは。
「じゃあカイルさんvv」
「?」
ごそごそとカナタは懐を探り、何かを取り出した―――――――――
「…………」
レース製のエプロンを見て、カイルは思った。
出来る事ならば、いっそこの手にある物を引きちぎってしまいたい…と。
しかし、ここまで精巧に出来たレース細工を壊すような真似は、彼にはとても出来そうになかった。
「頑張ったんですよ♪背中で結ぶリボンを大きめに作りましたvvv」
バッチリですね!絶対似合います!!と、少し興奮気味に少年は言う。
「着てくれますよねっ!」
「嫌…」
「着せてあげます〜〜〜♪♪♪」
強制着せ代え。
――――――いっそ、料理中に間違って燃えてしまえばいいと、カイルは思った…。
「…………(汗)」
結局着せられてしまったカイルは、(少し落ち着きを取り戻し)包丁を握りしめて厨房に立っていた。
レストラン用ではなく、他に作られた小さな厨房な為、使い勝手はいいのだが…。
―――――こちらを、じぃ〜と、見続けているカナタの姿が異様に怖い。
(やりにくいんだけど…;)
しかし、そう文句を言ってもカナタは見るのを止めないだろう。(見るからに溢れる熱意からいっても。)
「……………」
それくらいなら、まだ食べたい料理について聞く方が建設的だ。
…カイルは遠い目をして、そう思った。
何しろ、食材があり過ぎて何を作っていいのか悩んでしまうのだから。
「カナタ、何食べたい?」
「カイルさんが食べたいですvv」
「……………。」
カナタは即答した。
―――しかし、まあ…カナタにも、言い分があった。
フリフリエプロンを着たカイルが、自分の為に厨房に立ち。視覚フレームには、花とハートが飛び交っている中、小首を傾げながらカイルは振り向き―――
『カナタ、何食べたい?』
と、聞いたのだから。
まるで新婚さんのような会話を交わしたのだから。
だから、もう。(以下説明不要…)
「カイルさん〜;」
「はい、出来たよ?『麻婆豆腐』『カレー』『コボルトパイ』に『キムチ』。」
「ああああああ〜;」
食べてね?と笑うカイル(怒り状態)に、カナタはどうあっても、「食べられません…」とは言えなかった…。
せっかく頂いた美味しいお題には、
激辛イベントが待ち受けておりましたようです。(爆)
そして、このリクを下さった方vには、分かるレースのエプロンネタです…。
お揃いですv(笑)