のっけから詳しい話ははしょらせてもらうが、現在テッド復活の儀式が行われていた。
「お願いしますっ…!」
と、頼み込んだ相手は、死者蘇生事実のあるレックナート様で、彼女は快くそれを了承してくれたりした。
…カナタが裏から手を回して。
(↓裏?)
「テッドさんはカイカさんの(元)恋人で、復活した暁には!今後何か進展があった時にビデオでお知らせすると約束します!!」
「よろしいでしょう―――では、」
108人分の力を、3人でまずは作ってください。
と、そうレックナート様はあっさりおっしゃった。
そして、3人の特訓は始まる…。
ひーきゃーわー!と絶えず悲鳴が上がり、それはもう特訓は筆舌に尽くせないほどのものとなった…。(詳しくははしょる)
「はー…はー…;僕頑張っても、別に何か利があるって訳じゃないんですよね〜…;」
「カナタッ…頑張って…!(潤んだ瞳)」
「…!(頑張ってお願いっという視線)」
「はいっ!;頑張ります!!;」
とにかく、3人は頑張った。
生と死の紋章
始まりの紋章
罰の紋章(贖い済)
テッドの魂(inソウルイーター)
3大真の紋章と、門の紋章に魂、それに3人で108人分の熱い思いを使い―――…
「テッド…っ!」
「カイル!?」
「…!」
「オマエは…カイカーーーっ!?;うおっ;なんでこんな場所に!?オレ死んだはずじゃ…!?」
「カイルさんーーっっ!!僕以外の人にくっついちゃイヤですーーーっっ!!(泣怒)」
無事、テッド復活は果たされた。
…とか、そんなような前提ストーリーがあって、この話は始まる。
オレンジドラゴン国、ぼっちゃんラブ城。(どんなネーミングだ。)
そこに、テッドは滞在していた。
しかも、
「カイカ…」
「てっど…」
非常にこう…イチャイチャしていた。
紋章の呪いも、二人を阻む障害もない――ついでに、やらなきゃならない仕事もなし――な為、誰に憚ることなく、怠惰で平和な時間を過ごしていた…。
ちなみに、もっと言うなら、布団の上で。
まあ、やる事も別もない上に、止める人もいないわけである。
今まで我慢に我慢をしてきた分、イチャイチャしようが何をしようが一体誰が彼を責められるだろうか?(PSP版幻水1&2も出たことだし)
カイカの方も、きゅーっとテッドの背中に抱きついているため、誰がどう見ようと、二人はイチャついている状態だった。
まあテッドとしては、以前までの態度が態度だったため、素直にイチャつくのは気恥ずかしいものがあるものの、カイカは至って気にしていないようなので、安心していたりなんかするらしいが。
数百年単位の邂逅に、名実ともに恋人な2人は遠慮なくこうイチャイチャと…(しつこい)
――――しかし。
そんな平和な時間を邪魔する者は、邪魔するのだ。
「お邪魔します−ーーー!!」
「どわーーっっ;」
ドンドン!ドガーン!!と、乱入してきた、まさしくお邪魔虫の出現に、テッドは反射的にカイカをちゃぶ台返しの要領で投げ飛ばした。
「人んちの城で僕とカイルさん以上にイチャイチャするのは禁止ですよ!! むしろサイト内で主坊以上にテド4が繁栄する事には断固反対の姿勢です!!ええっ一漢として!一2主として!!」
「その前にプライバシーを守れよっ!!?;」
テンションも高く暴走するカナタに、テッドは正論な突っ込みを入れるがそれで止まるような少年ではない。
「そんなことは気にしないで良いです!!むしろ真の愛があるなら誰が来ようとイチャイチャできるはずですよ!?」
「イチャイチャって言うな!!;」
テッドは心の中で、親友の名前を呼ぶ…。もうとっくに、この少年を抑えられるのは、カイルしかいないと学んでいるのだ…。
「まあそんな些細な事はともかく!」
「些細!?」
色々言いたいことはあったが今は早く出て行ってもらいたいという一心で、とりあえずテッドは(渋い顔で)ことばを呑む。
そして、カナタが言うには。
「テッドさん…僕と手を組みましょう!」
キラン☆
そんな効果音付の、あくどい提案のように見えた…。
「手を組むって…何でだよ?;」
むしろ、何故?という感じだ。
「――――テッドさんとカイカさんがいると、(特にテッドさん)、カイルさんが僕のことを構ってくれないんです…」
相手はフッ…と目を伏せ、ぽつりと漏らす。
「ああっ…!憎んでも憎み足りない好敵手(と書いてライバル)!! でも憎んだりなんかしたら、僕がカイルさんに嫌われちゃいますっ!!それならばいっそ!いっそ手を組んで僕とカイルさんがイチャイチャかつラブラブできるように手伝ってもらいたい!!
―――そんな訳で、同盟を組もうと提案しにきたんです。」
ピタリとハイテンションな口調をやめ、いつものペースで締めくくる。この辺りが冷静なのかそうでないのかわからないところだ。
「僕とカイルさんの事手伝ってくれたら、僕もテッドさんとカイカさんの事手伝ってあげますよ♪」
「いるかっ!!(怒)」
邪魔をしておいて、何を言う、だ。
「まあそんな訳で僕と手を組んでください! Wデートとか味わえますよ!?」
「人の話を聞けッ!!;」
全く聞いていない。
しかし…こうなってしまっては、もう抵抗も今更だ。何せ、カナタの耳には全く否定の声は聞こえていないのだから。
「まあよろしくですよ!――――ところで、」
「………なんだよ?;」
ぐったりとしたテッドに、カナタは何事もないように言う。
「カイカさんベットと壁の間に挟まって抜けなくなってますけど、いいんですか?」
「おわっ;カイカーーーっっ!!;」
「…」
「ほーら早速僕役に立ってますよ〜♪」
「いいから早く引っ張れよっ!!;」
「…っ…!」←痛い。
うんとこしょ、どっこいしょ…と引っ張り出されるカイカだった…。
そんな訳で、(無理矢理)手を組まされたテッドだったが…。
悩んでいた。
(何をどう協力しろって言うんだ…?;)
「テッド? 何か考え事…?」
「あーいや…まあな;」
まさか、よくわからない同盟を組まされ、自分の親友(カイル)との仲を応援しろといわれているとは言えない。
二人して釣堀に糸を垂らしながら、のんびりとした時間を過ごしているというのに、テッドの心中は暗澹たるものだった…。ちなみに、カイルはというとひたすらに、幸せそうな笑みをニコニコと浮かべていたりした。…親友が戻ってきたことが嬉しくてならないようだ。
ちなみに、その場にはカイカもいるにはいるのだが、釣堀に興味があるのか、釣りの邪魔にならないように、少し離れた場所で水面を覗き込んでいたりした。無表情ながらも楽しそうな様子だ。
「何か悩みがあるなら、相談してね?」
「ああ、そうだな…」
いつも通りに明るく言おうとして、言えるならな…;という気持ちが邪魔をして失敗してしまった。
大体、手を組んで何をどうしろというのだろうか?もういっそ、全部を話して、波風でも何でも立ててやろうか…
そう思ったテッドだったが…。
「テッド、はいお茶。」
「お、サンキュー…―――――ブッ!!;」
「テッド!?」
思わずお茶を噴き出したテッドの視線の先には、般若の笑みを浮かべたカナタ(岩場に隠れ中)があった…。
しかも、彼はまんじゅうを手にカイカにこいこいと手招きをすると、あっさり寄ってきたカイカを羽交い絞めにした。そして、その咽にナイフの刃を当てている…。
(手を組んだじゃなくて、それじゃ人質だろうがッ!?;)
そのようである。
「テッド!?;お茶熱かった??ごめんねっ;」
「いやっ大丈夫だっ…(お茶は!;)」
ブルブルと怒り(外道なカナタとあっさりつかまったカイカに対しての)に震えながらも、テッドは必死に冷静になろうとした。
―――今ほど、親友に託したソウルイーターを懐かしく思ったことはない…。
「なあ、カイル…」
「なに?」
「今、オマエ…付き合ってるヤツいるんだよな…;」
「え?唐突にどうしたの?;」
語尾が震えないように言うのが精一杯で、会話の流れの不自然さまで気にする余裕は今のテッドにはない。
「いや、ちょっとな…;あの(人質を取って脅迫するような根性のまがったガキの)カナタと、何で付き合ってるんだ?」
微妙にカナタの持つ刃が、カイカの咽に近付いている…。
「何かこう、好きになった理由とかあるんだよな!?」
「え………っ; えっと…別に…」
プスッ(耳には聞こえない音。)
カイカの首から僅かながらも、赤い液体が垂れた…。
(カイカーーーーっ!!;オマエも少しは抵抗しろッ!!>怒)
人質の当人であるカイカは、もぐもぐとまんじゅうを頬張っている以外は、特に反応も見せず無表情のままである。
「テッド…?;」
頭を抱えてしまったテッドに、カイルは心配げ声をかける。
「〜〜〜〜〜ッ何かっ こう特別なわけだろッ!? そいつを放っておいて、俺とばっかりいて良いのか!?;(直球)」
「今はテッドとの時間の方が大事だから…」
ぷっすう。(耳には聞こえないが、深く刺さったような音。)
(おわあああああっ!!;)
さすがにカイカも眉を寄せて、居心地悪そうな顔になっている。そして、対照的にカナタの表情はというと、青筋を浮かべながらも笑顔である。…余計に恐ろしい。
(ムリか…っ!? 刺殺される前に助ける方法はないのかッ…!?;)
恋人と親友、どちらをとると迫られれば、親友をとるだろうが、こんなくだらない理由で恋人を失うわけには(常識から言っても)いくまい。
「テッド?本当にどうかしたの?;」
「いや…なんつーかもう…;」
なんとかしてくれ。
「……………カナタの事だけど、」
「あ、;ああ?」
一応問いに答えようと考えていたのか、カイルは迷いながらも口を開いた。
「好きか嫌いかって聞かれたら、多分…好きなんだろうけど…」
「(多分は止めてくれっ;)そうか…」
「多分特別、なのかもしれないし…」
悩んでいるらしいカイルの顔は、朱色に染まっていた。…照れているのか耳まで真っ赤だ。
「でも、それはやっぱりテッドの事とは別だから…きっとカナタもわかってくれてると思うし」
(分かってないから、あそこで人質をとってるぞ!?)
いやむしろ、わかっていても理性と感情は別物ということなのだろう…。
―――でも、まあ。
(この反応見る限り、一応は恋愛感情みたいだな)
昔よりは発達したらしい親友の情緒に、テッドは軽く息を吐く。
とりあえず、この反応程度で人質は解放されやしないかと、再び視線をカナタに向けてみると―――…
「カイルさんーーーーーっっっっっっvvvvvv(泣)」
「えっ!?カナタっ!?」
ものすごい勢いでカイルにタックルを仕掛けていたところだった…。
「(鼻血噴くくらい可愛い表情で)僕のこと特別とか言ってくれましたーーーっっvvv」
「え!? 聞いてたのっ!?」
どうやら、アレで満足してくれたらしい。
やれやれだ。
「はあ〜…; っと、カイカは…」
テッドが解放されたはずの人質(カイカ)を見ると―――
脳天にナイフが刺さり、顔中を血まみれにしたカイカの姿があった…。
「カイカーーーーーッ!!!!!!;」
完全に致死レベルだと焦ったテッドは釣竿を投げ捨て、慌てて相手に駆け寄る。
「大丈夫かっ!?しっかりしろッ!!;」
「…」
ふるふる。
と、カイカは顔にかかった血が気持ち悪いのか、頭を振る。
「じっとしてろッ!!(怒) いいか、こういう時はだなぁっ;呼吸を吐いて吐いて吸って…;(混乱)」
カラーンッ…
ナイフが簡単にカイカの頭から転がった…。
「………」
「…」
…テッドは黙って、その場にしゃがみこむと、ナイフを拾った。
そして、その先端に指を当ててみる。
…刃は簡単に柄の方にめり込むと、先端から赤い液体を静かに流した…
もちろん、テッドの指は何ともなっていない。
「…………おもちゃ?」
「…」
カイカは無表情ながらも、顔についた血が気持ち悪いと眉をしかめて、頭を振る。
「〜〜〜〜〜〜っっっ(怒)」
テッドは心配した恥ずかしさと、苛立ちからカイカの頭に拳を振り上げると―――
ゴインッ!!
「〜〜っ!(涙)」
思いっきり振り下ろした。(教育的指導)
ついでに言っておくと、背後では、カナタ(かなづち)が、恥ずかしさのあまり混乱したカイルに湖に突き落とされ、派手な水音と悲鳴を上げている所だった…。
しかし、テッドはこう思った―――…
そのまま沈んでろッッ!!(怒)
終。
手を組んだではなく、手を組まされたテッドさん…。
リクに添っているのかいないのか…;