12月某日Xday間近…

 

 

テッドは悩んでいた。

それはもう、額に眉を寄せてその皺が跡に残るくらいに悩んでいた。

―――そう、何をそんなに悩んでいるのかと言うと、それは『クリスマス』についてだ。

「〜〜〜〜;」

理由やら話やらは割愛するが、自分が死の淵(というかぶっちゃけ死んでてソウルイーターの中)から戻って来て、恋人(多分)と迎える初めてのその類のイベント…。

呪いからも開放され、人目さえ気にしなければ、堂々とイチャつけるというそんな(美味しい)状況になっているというのに…!

………元々の素直じゃない性格が災いして、恋人…カイカに対してその手の恋人らしい甘く気の利いた対応が出来ないでいた…。

親友が出来てからの性格をどこに置いて来た!?というくらいに、自分でもマズイ態度をとっているとわかっている…。…別にカイカは気にしている様子も見せないのだが、それが余計に罪悪感を掻き立てていた。

 

だから…

 

「………このクリスマスこそは…………っ;」

 

 

テッドは我知らず、拳を握り締めていた。

 

 

 

 

 

 クリスマス

 

 

 

 

頼れるのは、やはり親友だろう。

考え過ぎて寝不足になったテッドは、足取りも荒く尋ね人の元へと急ぐ。

幸い親友、カイルはそう長くはかからない内に発見出来た。

「一生のお願いだッ! カイル!ちょっと付き合ってくれッッ!!」

頭を下げ、頭上でパン!と手を合わせてのお願い。この行動に親友が滅法弱いのは百も承知だ。…相手も、テッドが弱みをついておねだり攻撃を行っていると知ってはいるだろうが…。(しかしそれでも、負けてくれるのだ)

「付き合うって…どこまで?」

「それが決まってないから何日か付き合って欲しいんだ!頼むよ、親友!」

「うん、それはいいんだけど…」

 

「ダメですッ!(怒)」

 

カイルの隣にくっついている子供(と書いてガキと読む)が、抗議の声を上げる。

一応、親友と付き合っているという恋人らしいが、親友との関係の温度差は見ている方が引くくらいのものだ。(別にカイルが低いという訳でなく、相手が灼熱の温度なのだ…)

しかし。こっちも必死な訳で、そんな苦情は知った事ではない!

「よし!なら早速行こうぜ!」

親友のOKの言葉だけを耳に入れて、その手をガシッと掴む。

「ごめんねっ…カナタ;」

「カイルさんッ!?もうすぐでクリスマスなんですよッ!?恋人達の祭典に離れ離れになっちゃったらどうするんですかーッ!?(怒泣)」

「クリスマスには戻るから…;」

その通りだ。

それが最終的な目標なのだから。(クリスマスを過ぎたら話にならない)

とりあえず急ごうとカイルを引っ張りながら踵を返すと、正面にカイカの姿があった。(どうやら物凄い勢いで走るテッドに気付き、少し遅れながらもついてきたらしい。)

照れ半分と、ちょうど良かったという気持ちが半分、同時に沸き起こる。

「カイカ!ちょっと出かけてくるから大人しくしてろよ」

「いってらっしゃい?」

よくわかっていないのだろうが、カイカは首を傾げて子供じみた言葉でテッドを送り出す。

相変わらず、無表情ながらもどこか「早く帰って来てね?」と告げている姿は、…やはり何だか愛おしいものだったりする。(末期)

そんなカイカの姿を見て、テッドはもう一言言葉を残す。今度はカイカに向けての言葉ではなく…

「―――後、カイカの面倒も頼む!」

「ギャーッ!(怒)僕のカイルさんを強奪したあげく、何面倒な事言い逃げしてるんですかーッ!? あ゛あーくそーッ(怒)カイカさんに変な事仕込んでやりますーッッ!!」

 

背後から上げられる声を綺麗に無視して、テッドは再び走り出した。

 

 

 

「所で、どこに行くの??」

「…………ちょっとアイツに、何だ…その、クリスマスの…プレゼントをさ…」

「走って行くとクリスマスまでに間に合わないと思うけど…;」