メルヘン童話お伽話マゼコゼ幻水劇場65

 

『3枚のお札〜カイルさんの場合〜』(???:カナタ ???:カイル)

 

 

3枚のお札。

それは、やまんばの山に入ったお寺の小坊主さんが、和尚さんからもらった3枚のお札を使って、小坊主さん食べようと追って来るやまんばから逃げる話である。

 

 

 

例えば、3枚のお札という物があるとしよう。

 

「カイルさーんっっ(泣)帰っちゃヤですーーッッ!!!」

「………(汗)」

 

それを使えば、この少年から逃げられるだろうか?

…別に、逃がすまいと背後から抱き着いて来る少年が、嫌になった訳ではない。(…多分。)

ふと、…最近まともに実家に帰った事があっただろうか?…と思い出しただけである。

一定の周期で思い出し、何とか家に帰ろうとであるが、どうしても帰してもらえない訳で…

 

「帰っちゃ嫌なんですーーーッッ!!(号泣)」

 

号泣する少年を引きはがして帰ろうにも、ガッチリと腰に巻き付いた腕は押せども引けども剥がれる様子を見せない…。

―――こんな時にもし3枚のお札があったら、どうやって逃げられるだろうか?

ふぅ、と溜め息を付きながらカイルは思った。

 

「カイルさんが帰ったら泣きますよー!!?居てくれないとヤなんですーーー!!」

 

自分の身代わりに、お札に返事をさせる。

………すぐにばれそうだ…。

 

お札で山を作り出す。

………すぐに乗り越えて来そうだ…。(バナーの峠も越えて来てるし…)

 

お札で川を作り出す。

………これは、泳げないから少し時間がかかりそうだが…やはり、船を作って越えて来そうだ。

 

「………」

 

そこまで想われていると判断するべきか、そこまでの独占欲に恐怖すべきか…

判断に苦しみ所である。

でも、とりあえず…

 

「カナタ…」

「何ですか!?」

「………一緒に帰る?(///)」

「行きますーっ♪」

 

 

前者で受け取ろう…。