大晦日年越し。(主坊+テド4)

 

 

 

「…(うつらうつら)……(はっ)」

「………」

「…(うつらうつら)……(はっ)」

「………」

「…(うつらうつら)……(はっ)」

「………おい、カイカ…;」

「…、」

コタツに頭を埋めそうになっていたカイカは、テッドの呼びかけにはっっと頭を上げた。

瞳でなになに?と問いかけてくる姿は、無表情ながらもあどけない様子だったが…今は心を鬼にするしかない。

「頼むから寝るなよ;」

「…(こっくり)」

しかし、そう返事はするものの、カイカはまたすぐに瞼を落とし始める。

「寝るな!;」

それを揺さぶり再び目を開かせる。

ひたすらそれを繰り返し。

…別にテッドも憎くてそんなまねをしている訳ではない。むしろ、逆だ。

「寝るなよ!寝たら何されるか…!;」

「あははー♪人聞きが悪いですよ〜?」

コタツの正面に座る少年が笑うが…その瞳は何かを企んでいるようにしか見えない…。

そんな大晦日だ。

 

 

 

そう、テッドやカイカ、それにカナタにカイルは、年越しの為に日付が変わるまで起きていることになった。

しかし元々、早寝早起きが習慣付いている人間には割りと辛い。

今もカイルがコタツに伏せて(綿入れを肩にかけられて)仮眠をとっているし、カイカももうそろそろダウンの様子だ。

………そう、カイルの目がないからこそ、カナタを制止出来る者がいないのだ。

「カイカさんも寝ちゃっていいですよ〜♪ちゃんと12時頃には起こしますし♪」

どうも寝ている所を悪戯しようとしているらしい少年は、さり気なく仮眠を勧めてくる…。

力技で来ようとしていないのは、ひとえにカイカが起きているからだろう。(別にテッドならやすやすと倒せるという訳ではなく…前衛と後衛が接近戦をしたらどっちが勝つかという問題である←?)

「…(ふるふる)」

そんなカイカは、テッドの視線からか首を横に振った。

「じゃあ眠気覚ましにお茶入れますね〜♪」

そう言って、カナタはコタツから出る。

 

(―――いったい何企んでるんだ…?;)

 

じっとテッドがその後ろ姿を見送ると、ぽとりと少年のポケットから何かが落ちた。

…細い筆、

落書きでもしようというのかと考えたが、ふと別の考えが頭に浮かんだ。

―――紅筆!

相手は女装(着物)を計画している…!

これでテッドまでも犠牲になることはないのが確認されたが、計画の邪魔になるテッドを排除しようとしていることも確認出来た。(勿論邪魔をするから)

「はいカイカさんーテッドさんにも渡してください〜」

「てっど。」

絶対に止めることを心に誓うと、テッドはカイカから湯飲みを受け取った。

どうやって止めるか、それはやはり力尽くかカイルを起こすかだったが、カイルは何故か起きる気配さえない。…まるで薬でも飲まされたように―――

そこまで考えて、テッドが口元まで運んだ湯飲みを止めると、ゴトリとカイカの頭がコタツの上に沈んだ。

「カイカ!?」

返事がない!

カイカは完全に寝ている。

…原因は、今手にしているお茶に間違いはないだろう。

テッドは反射的に湯飲みを投げ捨てた。

「飲み物に薬を仕込むなッ!!(怒)」

「ふっふっふ!これで障害物はテッドさんのみですよ!!」

全く話を聞いていない。

「さあ!正月に華を供える為に!!今年最後の戦いです!!」

「させるかっ!!;」

 

ここに、今年最後の決戦が開始された。

…その戦いの中で、ソウルイーターが使われただとか、許すものの印が使われただとかが噂されたが、確かではない。

ただ確かなことは、カイルが目を覚ました時、部屋には初日の出の光が差し込んでいたということだけだ。そう、じかに。

「…一体何があったの?;」

崩れた部屋の中、カイルは1人そう呟いた。

 

 

(カイルさんはミカンの中に仕込まれた当たり睡眠ミカンを食べました。)