七夕
ちくちく、ぬいぬい、
ちくちく、ぬいぬい、
―――プツン
「―――よし、完成です♪」
とある夜更け…カナタは明かりもつけずに、闇の中でなんらかの作業を終えていた―――…。
そして、怪しく瞳を輝かせると、寝台の上で横たわっている人物に視線を移す…
「ふっふっふ…後は…」
ギッ、と軽くベットを軋ませながら、眠るカイルに近付く…。
そして、カイルの寝巻きを手早くはだけさせると―――
「ん……?」
本能的な危機感からか、カイルがぼんやりと目を開いた。
「…?」
「あv気にしないで寝ててください♪」
「………」
そういわれて、一瞬目を閉じかけるカイルだが、ていっとばかりに上着をぬがされると当然、起きる。
「カナタッ!?」
「ああっ!!;暴れちゃダメです!!試着がっ!」
「試着!?」
カイルは良くわからないながらも、何か着物のような物を着せられかけるのに抵抗する。
激しい攻防戦の結果―――…
「っこうなったらさいしゅー手段ですっ!!」
「!? 」
―――――――――うっちゅーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
…題して、酸欠熱烈キッス作戦を行ったカナタだった……。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!」
じたばたと暴れるカイルだったが、五分後、カクッ…と気を失ってしまう。
「ふっ…作戦成功です!」
-朝-
「…………」
カイルはぼんやりと目を開いた。
いつも通り清清しい(?)朝だ…。
――――夢だったのか、
とふっと安心するカイルだったが――――…
「……………」
――――――――今、カイルが身につけていたのは、薄桃色の中国風の衣装だった…。
ずーーーん(汗)
もはや、落ち込む意外にする事はない。
「あvカイルさん起きましたかーーv
そういいながら、部屋に入って来るカナタも、中国風な薄青色の衣装(男物)だった。
―――というか、元々この手の衣装は普通にも着られている為、特に特殊な感じはしない。しいていうなら、似合っていないという事くらいだろう。
対するカイルはというと、お約束通りの女物の衣装で――――――――…
「………………(汗)」
思わず溜息だ。
「とゆー訳で、今日は七夕なんです!!今日の催しは、全員織姫or彦星スタイルで!…」
モ〜〜〜
「他は別に何にもないんですけど、ただ単に七夕衣装のカイルさんがみたかったっていうか〜v…」
モ〜〜〜
「カナタ…;」
「はい?」
先程から、セリフの合間合間に動物の鳴き声がしている。
「もしかして…(汗)」
彦星…牽牛星…牛飼いで、
「はいっv!ばっちり牛借りて来ましたよ!!」
もさもさ〜。
カイルの、「返してきて…;」という力ない言葉に、牛は何とか返却されたという…。
「………」
取りあえずもう、色々と慣れて来てしまったカイルは、既に同盟軍メンバーによって飾り付けられた笹の前で、カナタに手渡された短冊に願い事を書こうとしていた。
――――まだ、猟奇的なイベントをされるよりマシ…;そう自分に言い聞かせているようだ。
見た目にも、現在同盟軍は華やかな感じではある。…まあ、宴会状態になっているが、
「カイルさんv何って書いてるんですか!?無論僕は『カイルさんと一生ラブラブv』ですけどっ!」
むぎゅ〜〜っ!と背後から抱き着かれ、カイルは「かけないから…(汗)」と呟きながらも、小さく笑みを漏らしていた。
ちょっと平和だったりしたが…。
「この後『巨大笹バトル』が企画されてますからねーv」
問題発言に凍り付いた。
確か、衣装以外何もないといっていたのではないだろうか…?
「……『巨大笹バトル』?」
嫌な予感に、カイルは眉を寄せる。
「はいっ!巨大な笹のてっぺんに短冊をつけた人が勝者でその願い事は王様ゲーム式で叶えないといけないんです!」
「………………………………」
「無論僕も参加優勝ですよーーー!!(燃)」
中庭にのびる巨大な竹(すでに笹ではない)を指差しそう宣言した…
「カイルさんv応援して下さいね!!」
「………………………………」
この時、カイルは今年の願い事は『カナタが少しは懲りるという事を知りますように』にする事に決めたという――――…