七夕。

 

 

「現状に異義ありです…」

 

ある日の朝食の席で、少年はそんな事を言い出した。

カナタの視線の先にあるものは、カイルにあれこれとお勧めの食事を紹介されているテッド(復活)の姿だ。

――――カナタも、暫くの間は我慢をした。数日の間は、死に別れた親友との再会にカイルが過剰にテッドと仲良くしているのにも耐えた…。

しかしっ!いつまで経ってもカイルは自分をそっちのけでテッドとくっついているのだ!テーブル席で正面同士で座る事に堪え切れず、ついにカナタはぶち切れた。

「カナタ…?」

「ふ…ふふふはははは!;しかも七夕っ七夕の日にまでこんな!」

「大丈夫か?;」

心配気な表情のカイルと、引き攣った顔のテッドに声をかけられた瞬間、カナタ弾かれたように席を立った。

――――そして横で食事をしているカイカを掴んだ。

「七夕らしく!引き裂かれた恋人ゲームでもしましょうかー!?あはははははは!!」

壊れた。

カイル欠乏症発症だ。

「オイッ!(怒)」

「カナタ落ち着いて…!;」

「今日中に僕を捕まえられなかったら!カイカさんには『ドキドキ魔女審●』な刑にあってもらいますからねーっ!!」

「…」

言い捨てると、少年は一瞬でカイカを引きずり姿を消した。

―――ちなみに『ドキドキ魔女●判』とは、身体を触って触って魔女かどうかを見破るという公式ギリギリゲームである。

「カイカーッ!ちょっとは抵抗しろッ!(怒)」

「カナタ…!」

言う意味はわからずとも、嫌な予感を感じた二人は慌てて後を追った。

 

 

 

七夕の飾り付けをされた城内…ざわめきで満ちている筈のそこは、何故か今は静まり返っていた。

「…何でだ?;」

「さあ…;」

心当たりはと言えば、カナタのあの暴走である。あれ以外に原因はない。

一応警備の兵士らが(必要最低限の人数のみ)ぽつりぽつりと立っていたのだが…

「…とりあえず、聞いてみるか;」

「うん;」

そうだね…;とカイルも相槌を打ち、兵士に近付こうとするテッドに続いたのだが。

――――何故だか兵士が慌てた表情を見せた。

 

途端、

 

「っ―――危ない!」

「うわあ!?」

殺気に反応し、カイルはテッドの身体を床に押し倒した。

その頭上に竹が刺さる。

「「………………」」

ビーン…とまだ揺れが納まらずに壁に刺さるそれは、明らかに殺意に満ちている。…『愛こそ全て』と書かれて吊された短冊を除けば。

「お怪我はありませんでしたか!?;」

「〜〜〜一体何なんだコレはッ!?(怒)」

「戦争中にカナタ様が考案された城内の警備装置です!;何でも賊が侵入した時に使うとおっしゃって、スイッチ一つでトラップ塗れになる仕組みとか!;あまりの危険さに現在避難勧告が出されております!」

「死ぬぞッ!?;(敵も味方も)」

「カナタ………」

捜索も一筋縄ではいかないようだ。

 

 

しかし。罠か何なのか…カナタの居場所自体はあっさりと発覚していた。

 

 

←僕の居所!後500m

「…………構われたいだけなのか?(怒)」

「多分…;」

 

 

 

「あははははは!よくここまで辿り着きましたね!でも果たしてカイカさんを奪取出来ますかね!!」

30分程しか捜索に時間は費やされていないが、その短時間でカナタは七夕らしい衣装を着込み、人質であるカイカには織り姫コスをさせている。

…勢い良く流れる河を前に、展望台のてっぺんに立て篭もって。

「有り得ないにも程があるだろ!(怒)」

河なんかなかった場所に河が出来ていたら、誰だってテッドのように叫ぶだろう。

「さあ!早くカイカさんを助けに来てカイルさんを僕に返してくれないと!カイカさんにまんじゅうを食わせまくりっ今日一日のカロリーを全てまんじゅうで埋め尽くしてやりますよ!!」

「…!(♪)」

「地味な嫌がらせをするなッ!!(怒)後!カイカも喜ぶなッ!」

ぎゃー!ぎゃー!と言い争いが続く中、カイルは一人この河の謎を探っていた。

どう考えても、この量の水が湧いて流れているのはおかしいのだ。しかも、その流れた水がどこへ消えているのかもわからない。

「………、」

テッドの袖を引く。

「どうした?カイル…」

「テッド、あれ…」

…視線の先では、幾つもの水の封印球が装置につけられ、限界という雰囲気で輝いているのが見えた。

「………あれか…幻か?」

「………うん、多分;」

無駄な技術を使ってるんじゃない!!(怒)と、テッドの矢が容赦なく装置をぶち壊した…。

 

 

 

「だって〜!構って欲しかったんですよー!(泣)」

「ごめんね…?;」

泣き落としに合うカイルと、

「あっさり捕まるなってあれ程言ってるだろうが…!(怒)」

「ごめんなさい…」

とくとくとカイカに説教をするテッド…。

あまり七夕らしくもない光景だったが、騒ぎに慣れ切った兵士達は生温かい視線を彼等に注ぐのだった。

 

 

 

 

割と勢いのみで作成。七、夕…?

どうでもいいですが、主坊テド4の混ざりネタでは、

2主は雇われ国主で本拠地に4人滞在しているとか何とかの設定。(笑)

史上初?アルバイト国王!真の紋章持ちが4人もいると危ない為、安全な場所に暫く滞在!

出来高制なので、働く時は働かねばなりません。(どうでもいいよ!;)