ホワイトデーSS

 

 

 

「カイルさん!今年のお返しです!」

「……………」

反射的に、カイルは重心を後ろに下げてしまった。

少し後ずさり、そっとカナタの手元を見ると、手のひらサイズの包みが見えた。

可愛い包装ながら、ごくごく一般的なサイズの代物だ。

「ありがとう、」

カイルはほっと息を吐いて、カナタからお返しを受け取った。

毎年毎年、とんでもな量のお返しが来るので、ついつい身構えてしまうのだ。

「開けてみてください♪」

「…うん、」

開けたら膨らむ?と一瞬カイルが身構えたのも、無理はないことだろう。(ちなみに、周りのメンバーらに至っては退避している。)

「あ」

「手作り金平糖です♪♪」

まるで職人の技術だ。

「ちなみに金平糖を作る道具から手作りです!」

「ありがとう?;」

礼を言うカイルに、カナタは笑顔満面だ。

――――しかし、その笑顔が急に消える。

 

「その道具を今現在ナナミが使用してて、蠢く金平糖達が大量生産中なんですけどね…」

「!?;」

 

遠くから聞こえ始めた悲鳴に、カイルも固まった。