バレンタインのお返しホワイトデー。
お礼はやっぱり3倍返し!
やはりそんな理論に基づいた少年は、ホワイトデーの前々日と、前日とうきうきと楽しそうにどこかへと出かけてゆく。…そう、戻って来た時には、甘い匂いをぷんぷんと漂わせつつ…。
「カナタ…;」
ホワイトデーにはどんな事が起こるのかと言う不安に堪えかねたカイルは、再び「お礼製作現場」へと出かけて行こうとするカナタに声をかけた。
「…あの;」
「何ですか〜v」
どう言おうかと、カイルは悩み、そして遠回しに告げる事にした。
「…そんなに『お返し』…頑張らなくてもいいからね?;」
「任せて下さいっ!!」
…自信満々に言い切ったカナタは、カイルの意図する事を汲み取る事もなく、最後の仕上げへと向かってしまった…。
残されたカイルはどうしたらいいのかわからず、机に顔を埋めるばかりだ。
「じゃーん!!カイルさんホワイトデーですっ!受け取って下さいーーーっ!!」
「…ありがとう(汗)」
バーン!とカナタが示したのは、たかさ100m程もあるアメ細工だった。いや…実際に中が入る事も出来そうな、琥珀色の城と言うべきかも知れないが、
…これ、食べるの?(汗)と悩むカイルは当然の事だろう。
「どうですかっ!?頑張って作ったんですよーっ!あ、これ10000分の1スケールのアメですv」
「うん(汗)」
渡された精巧なアメ細工を、受け取るカイルだったが、こっちだけで良かったんじゃ…と思ってしまう。
しかし、ふいに気付いた事が一つ。
「…カナタ、全部アメなの?」
「そうですよっ!!ちゃんと防水コーティングかけましたからアメにも大丈夫ですし!防虫剤でどっかにやりましたからアリにはやられませんっ!!」
「………カナタ;」
カイルは言いにくそうに口を開く…。
「――――――溶けると思うんだけど;」
「あ。」
…組み立てる行程は夜にやり、部分ごとの製作は地下で行っていた…。
…太陽は今日はとても照っている。
でろり…と溶ける城…(その溶けたアメの処理はとてもとても大変だったらしい。)
「わーーーんっ!!カイルさ〜〜〜んっ!!!!!(泣)」
「こっち(10000分の1スケールアメ)ちゃんともらったから…(汗)」