ホワイトデーのお返し。
それは、バレンタインデーの品の3倍返しとされている。(らしい)
そして、バレンタインに「期待してるわ♪」と言われながら、チョコを受け取った男性諸君は、この日の為に悩みに悩むのだ。
―――そして、ここにも一人ホワイトデーのお返しに悩む少年がいた…。
「うーーん…;カイルさんにどんなお返ししたらいいんでしょうか…こう、気持ちのこもったお返しーーッ!…みたいなの、」
トントン、と指で机を叩く。
「やっぱホワイトデーと言ったら、アメですか?でもそれは結構やりましたし…」
トントントントン…、だんだんと苛立ちが混ざったようなリズムになる。
「100万本のバラでカイルさんの部屋を埋め尽くす…!! ああッ!!;でもカイルさんの実家の方に立派な薔薇屋敷が存在してますしっ!!インパクトに欠けます…ッ!!;」
ギシギシと、少年の座る椅子が、壊れる程に軋む。
「うーーー…僕とカイルさんの記念碑でもトランか本拠地に立ててみるとかッ!! ああッ!;でもそれは、ホワイトデーじゃなくて、もっと大々的なイベントに――――――…ってギャーーーッ!!;」
ゴーーンッ!ドサドサドサッ…
…少年は、椅子からひっくり返り、机の上に積まれたあった書類の山に埋め立てられた…。
清清しい朝だった。
窓から入る風は、もうずいぶんと春の気配を漂わせ、どこからともなく花の良い匂いも薫って来る…。
「………」
カーテンを開け、息を大きく吸い込んでみた。
…今日は、一日良い天気になりそうだ。
―――また久しぶりに実家に戻り、寂しいような落ち着くような気分を一日味わった。
寂しい、はほんの僅かで、落ち着いて寛いだと言う気分の方が多いのだが、それは…
「、」
お茶をティーカップに注ぐ、
また一つ部屋にいい香りが加わった。
カップは二つ、
一つは自分、もう一つは…
ドドドドドドドドドドドド!!!!!
階下から賑やかに上がって来ている足音の持ち主の分である。
寂しいと思う間もなく、相手がやって来るのは中々に幸せな事なのかもしれない、とこんな良い天気の日には思ったりもする。
トントン、バッターーーンッッ!!
―――何やら慌ただしげに、ほぼノックと同時に少年…カナタは、カイルの部屋に入って来た。
そして、言った事には…
「カイルさんッ!!結婚して下さい!!」
「Σ!?;」
…危うく、カイルはティーポッドを割ってしまう所だった…。
「…落ち着いた?;」
「やー…もう、自分でも何がなんだかわかんなくなっちゃいましてー ごめんなさいですー;」
頭を掻きながら、お茶をもらうカナタだったが、その頭に何故かたんこぶが出来ているような気がする。しかも出来たての、
「おかしいですね〜?;思い付いた時には、イイプレゼントだって思ったんですケドー?」
「………(汗)」
ホワイトデーのお返し…
どこをどう悩んだのか、はたまた考え過ぎて混乱したのか…先程の騒動になったらしい。
「でも…愛がッ!僕はカイルさんからの愛に相応しい品を用意出来ませんでしたーーーッ!!(泣)あるのは婚姻届―――」
「(婚姻届は)いいから;」
しくしくと本気で泣いているのがわかるので、強くは言えないカイルだ。
「いつも言ってるけど…気持ちだけでいいから…;」
「でもーなんかこーっ!気持ちを思いっきり形にしてみたいって言いますか〜〜っ!(泣)」
ぎゅうぎゅうと身体に抱きつかれているのも、もう諦めの境地で好きにさせている。
そして、タイミングを見計らい、カイルは困った顔で提案を口にした…。
「………一緒にマシュマロ作る?」
「え!?カイルさんとラブラブマシュマロ作りですかッ!?」
「……………」
ここで、肯定しないと、話が戻ってしまうので――――――…カイルは少しだけ、首を立てに振った…。
〜おまけ〜
「カイルさん!愛を込めてちょっとジェラシーりながらも!原寸ムササビマシュマロ作ってみましたv!!」
「…食べられないから;」
大きさと形的に、