ホワイトデー…
それはカイルにとって、バレンタインよりも不安を感じるイベントだった…。
バレンタインはバレンタインで、また色々と騒動が起こる(今年はダンボール一杯の書類にカナタが溶けたチョコを流し込んで固める等といった事件も発生した…)のだが…それとはまた別種の不安だ。
「………;」
巨大なアメ(カナタ入)
巨大なアメの城を建設
食べるのが困難な巨大マシュマロ…
毎回毎回、カナタは3倍のお返しを意識してか、とてつもないお返しを企画してくる…。
「……………(汗)」
今年は一体どんなお返しをされるのか…それがカイルにとって不安だった。
―――しかし。
いつまでも部屋の前で立ち尽くしているわけには行かない。(何故だか中からとてつもなく甘い匂いがするが…)
色々な覚悟を決めたカイルは、ゆっくりとドアへ手を伸ばした。
そして中で見たものは…!
「―――――…」
一面の薔薇。
アメ細工のバラだ。
多くは、薄い黄金色に染まった色をしていて、一部には何かの色素で染めた薄ピンク色のものも混じっている。
部屋一面に置かれた幾枚もの大皿の上に、花畑のごとくアメ細工のバラが生えている。
…このむせ返るような甘い匂いはその所為のようだ。
「……………………………………カナタ…;」
「はっ!!;もうホワイトデーですか!?」
バラに埋もれるように、一心不乱に溶けたアメを伸ばしていたカナタは、カイルが来た事も、日にちが変わっている事もわからなかったらしい…。
「カイルさん!ホワイトデーのプレゼントのバラのアメです!!僕の愛を表現しようと作ったんですけど!全然時間も量も足りませんでしたよ〜♪♪」
「…―――食べられないから!!;」
素直に賞賛するには、量がとんでもなかった…。
それでもカイルは、今年もカナタの重すぎる愛を受け取るのだった…。
ホワイトデーネタは毎回短い気がする…。