で。

その翌日であったホワイトデー。

 

「かくかくしかじかで、急いで作ったんでクッキーなんですけど…;」

珍しくも、しょぼーんと落ち込んだカナタが差し出したのは、包む手間も惜しまれたのか、かわいい模様の入った大皿に乗った、シンプルな白黒ブロッククッキーだった。

見るからに甘く、香ばしそうなクッキーだ。

「ホワイトデーです!」

「ありがとう」

やけくそ気味に、少年が勢いよく差し出すと―――…カイルは花もほころぶような笑顔で、それを受け取った。

例年まれにないほど、純粋な笑みだ。(毎年ホワイトデーは、困った笑みや引きつり顔だ…)

「っカイルさん…!」

カナタは感動に打ち震えた…!

 

「(来年…!来年こそはカイルさんに今年の分も僕の愛をお返ししますっ…!!>感涙)」

「(良かった…本当にっ…;いつもの量とか大きさとか形だと、どうしていいかわからないから…;)」

 

笑い合いながら、そのクッキーをお茶菓子にお茶をする2人の内心は、激しくかみ合っていないもの…

それでも彼らはうまくいっているのだと信じたい所存だ。