13日の金曜日
それは、夕食時間もとっくに過ぎ、夜番の者以外就眠準備を始めている…そんな時間に起きた。
バサバサバサ〜ッ!
…と、何か紙のようなものが降り注ぐ音がしたかと思うと、その部屋の中から、カルムが紙の山を抱えて涙目で飛び出してきた。
「!!!!! ロイ〜〜っ!」
「なんだよ王子さん、うるせぇな…」
とか言いながらも…乱れた夜着、解れ、頬に張りついた銀の髪、蒼い鉱物のような目が潤んだ…そんな様子に、動揺が隠せないロイだ。(両手に抱えられた紙の山はともかく)
「あのさ、ロイ…;」
「外出してこようか…?;」
「変な気回すなッ!!;」
「? あのさ、部屋で寝ようとしてたら…急に変な手紙が降ってきて…!」
それで怖くて…と、言い募る青ざめた表情をしたカルムに、ようやく3人も何事かと手紙を覗き込み…
『 じぇいそんが来る…じぇいそんが来る…
血祭りに上げようと
斧を片手に殺人鬼がやってくる……… 』
「「「「〜〜〜〜〜」」」」
大体そんな感じのことが書いてある。
悪戯と済ませるには、量が異常だし、文字から伝わる恐怖が半端ない…4人は沈黙するしかない状況だ。
「どうせ…悪戯かなんかだろ; …オレはやってねーぞ。」
「そ、そうだよね、」
「ロイの字じゃないもんね…」
カタン、
ビクゥッ!!;×4
(―――来るのか、ジェイソンとかいう殺人鬼が…!;)
ご丁寧にも、絵まで描いてある手紙まであり、怪物としか見えないソレに恐怖は募るばかりだ。
「み、ミアキスには言ってくるからっ…泊まっていっていい…?;ダメならリオン(医務室)の横のベット借りるけどっ…;」
「や、やめとけ…バレて大事になるぞっ;」
顔色からリオンに怪文書のことがバレる→軍師に伝わる→大々的な警備 …の連鎖だ。
「べ、ベッドくっつけよっか!;」
「ドアもしっかり閉めよう!;」
どこからか飛び火した恐怖は、突然怪談話を聞かされた日のごとく、黎明城の一角を眠れぬ夜へと変えた…。
(ちなみに、フェイレン、フェイロン、ロイ、王子の順で寝た。)