13日の金曜日

 

 

 

「うわーーーんッッ!!!!;13日の金曜日が来ましたーーー!!;」

 

…また来たらしい。

カイルは溜息をついた。

前回、カナタはジェイソンと思い込み、間違ってナナミが連れて来た人物…山の木こりさん、樵田キル造さんに殴り掛かっていた…幸い(?)その木こりさんも強かった為、大事には至らなかったのだが、一歩間違っていたら、大変な事になっていた。(いつもの事だが。)…しかし、それでもまだ懲りないらしい。(これもいつもの事だが。)

しかも、毎度の事ながら、この暴走はどうあっても止まらない。

「カイルさんッ!!―――ジェイソンは本当にいるんですよっ!?(泣)忘れた頃にやってくるんですよ!?」

「うん…;(見たからわかるけど…)」

「今日こそジェイソンを倒さないと僕らに後はないんですーーー!!;敵はグレードアップしたジェイソン!来年の一月まで13日の金曜日はないですしッ!このサイト続いているかわかんないですから!やつは絶対今回こそ本気で僕の命を狙いに来ますーーー!!(泣)」

ギャーー!と喚きながら、前回も言った暴言を繰り返す。

…カイルは一体どうやって止めればいいのか、悩んだ。

で、

「…なんでカナタが狙われてるの?;」

「そんなのは魔王が何で世界せーふくを目論むのか!とか聞くのと同じような事なんですーーッッ!!ジェイソンが人を襲うなんて事はーーーーッッ!!」

それに、最初はともかく、一度ジェイソンを撃退した僕にはジェイソンは必ず復讐しにきますーーーッッ!!と、錯乱心地に叫ぶ…。

この状態から一番周囲に被害がでない解決策は何だろうか…?

「こうなったらやっぱりこっちから撃って出ます!!殺られる前に殺れーーーッッ!!」

「カナターーーッッ!!お姉ちゃん気付いちゃったのーーーッッ!!今日13日の金曜日よーーーッッ!!気付かなかったら良かったわ〜ッ!ねぇ一緒に逃げようっカナタ!!?」

「ナナミ!それより戦って倒そう! だって逃げたら一生追い回されるかもしれないケド、倒したら一瞬の話だよッ!ヤルは一瞬の恥じ!やらぬ は一生の恥じーーー!!;」

「倒すのッ!?そ、そうよねっカナタ強いもんねっ!お姉ちゃん応援するわ!恐くないからねっ!!」

「よーしっ!やるぞ〜ッ!!;」

「やるわよ〜〜ッッ!!;」

ズドドドドーーー!!…と、2人は駆け去って行く…。

「…あれ?;」

 

カイルが気がついた時には、一番最悪のパターンになってしまっていた…。

 

 

 

「ヤツは不死身ですっ!!火炎槍も銃も武器も効きませんッッ…!!」

ぶるぶるしながら、カナタは黒板を示す。

…カイルは取り敢えず止めようと思ったのだが、逆にいつも通り巻き込まれてしまっていた。

「そんな訳で!罠にかけ!箱に詰めて水に沈めるとか!海に流すとかしようと思います!!;後封印された遺跡とかに閉じ込めたりッ!」

とにかく脱出不能の場所、そして目に見えない所にやってしまいたいらしい。

「そこでッ!!ジェイソンほいほいセットですーーーーッッッ!!」

 

出された物は小屋だった。

丸太で出来た。

 

…一体どこから持って来たのだろうか?

「ジェイソンは丸太小屋を見たら壊さないと気が済まない性質を持つはずです…! これに引き寄せられないはずがないっ!」

そんな事がある訳がない。…ここが、まわりに何もない森の中だったなら未だしも…

しかし、カナタは「古ぼけた洋館とかでもいいんですけどッ!さすがにでっかいですから!」などと叫んでいる。

とにかくまあ…テンションを上げて、恐怖から逃れたいらしい。

「カナタ…;」

 

「どわああああ!?な、なんだ!?なんでこんな所に丸太小屋が…!?;」

 

「あーーー!!かかりましたーーー!!ジェイソンがかかりましたーーー!!どりゃーーーーーッッ!!!!!(泣)」

「そうよーッ!!やるのよカナターーーッッ!!(泣)」

「落ち着いて!フリックだから!!;―――フリックもなんで正直にかかって…!!;」

 

 

 

 

 

…なんだかんだとあって、子供が起きているには、遅い時間…

 

「〜〜〜〜…;」

暴れまわったせいで疲れたのか、…はたまたカイルの近くにくっついていたら落ち着いたのか…カナタとナナミの2人は、すかーっ…!と気持ち良さそうに眠っていた。

時折悪夢を見ているように、手をバタバタと動かしているが…

「むーーーッッ!!;じぇ、ジェイソン〜〜〜ッ…カイルさん今助けまふーーーッッ!!;」

カナタがバタバタと暴れると、「お、おねえちゃんもーーッッ…!!;」とナナミも暴れ出す…。

そして、その度に、カイルは

「大丈夫だから…;」

と、落ち着くように宥めてやる。

その手の感触が気持ち良いのか、カナタはだんだん落ち着いた表情となり…

「カイルさん〜…v」

「え?」

ぐいっ!…ぎゅーーっ

…カイルは一瞬で、カナタの下に抱き込まれてしまっていた。

どうやったものか、全く分からない早業だ。

しかも体勢的にちょっとマズイ状態だ。

「ちょっ…(///)」

慌ててカイルはカナタを退けようと頑張る。…が、まったく少年の腕は外れようとしない…。

「カナタ…!;(小声)」

ナナミも傍にいるというのに、全然離れようとしない。(もし見てもナナミは気にしない上に、拍手を送って応援しそうである。)

…寝ているとはいえ、恐ろしい執念だ…。

「………;(どうしよう…)」

こんな所を見られては、さすがに恥ずかしい事になるだろう。

カイルは困った。

 

――――その時…

 

チュィィィィィィイイイイイィィィンッッ!!

「!!」

 

(―――まさかジェイソンが来た!?)

 

こんな時に限ってやってくるのだ…。

カナタは熟睡してしまっているが、相手は本気なのか、木製のドアがガリガリと音を立てて削られて行く音がする。

「!!!!!;」

チェーンソーの先が見え、ドアが切り取られる…!

マズイ…!恥ずかしい!!―――その気持ちで一杯になった時、カイルは…………

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜『裁き』ッッッ…!!;」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジェ!!ジェイソンです!!!!!これはジェイソンが出たのに間違いないですーーーッッッ!!!!!(泣)」

「お部屋がめちゃめちゃに壊されちゃってるわーーーッッ!!(泣)」

「あ…;」

「ここに落ちてるチェーンソーが証拠ですねっッ!!カイルさん大丈夫ですかッッ!?」

「え、あ…;うん…」

「次こそは打倒ジェイソンですーーーーッッ!!」

「カイルさんを怖がらせた敵討ちよーーー!!」

「………;(言えない…)」

 

 

そして、真実は闇の中―――…