13日の金曜日
「ひぎゃーーーーーーー!!!!!;」
「!?;」
唐突にカナタが叫んだ。
奇行が多い少年とは言え、これは奇行極めたりだ。
カイルが何事かと見てみれば、カナタはプルプルしながらカレンダーを指差していた。
―――――13日の金曜日。
「ぎゃあああああ!!!!;また来たんですーーー!!悪魔の日がーーーー!!!!;」
「……………(汗)」
カイルは思った。ああもう。気付かなければ良かったのに、と。
で。まあ、そんな訳で少年の奇行は更に始まる。
「エロイムエッサイムエロイムエッサイム…我は求めを訴えたりーー!!」
「………何してるの?;」
黒ミサにしか見えない光景(湯気の上がる怪しい液体の詰まった大なべの前、黒ローブで謎の呪文を唱えている)を前に、カイルは恐る恐る問いかける。…今日が例の日ということで、大体は想像できるのだが…。
「ジェイソンに対抗できる悪魔とか魔物とか魔王を召還しようとしてます!」
「………(ジェイソンと悪魔とどっちが恐いんだろ…;)」
むしろ二次災害が発生しそうだ。
「エコエコなんとかー!エコエコなんとかー!サモナイト石とか古木の枝も投入ーーー!!」
「……………」
これで気が紛れるというのなら、もう放っておこう…と、カイルは匙を投げた。
とうっ!とおッ!とカナタが大なべに怪しいブツを投入しまくっていると、ふと―――中の物体が膨張した。
「!?;」
「ついに何かが出てきますね…!出でよ!何かーーー!!」
「何か出てきたら困るから!;」
…怪しい物体が怪しい化学反応を引き起こしたのだろう。
ヘドロのような黒い塊が、もここもと大なべの中から競り上がってきた…。
そして、大なべの縁まで盛り上がると…そのままどばーーー!!と外へ流れ出た。洪水のような勢いだ。
「よし!これでジェイソンもいちころです!!」
「ジェイソンだけじゃなくて他の皆も危ないから!!;」
ガッツポーズをとるカナタは、カイルもろとも「ドロヘドロー!!」と流されていった…。
同盟軍本拠地、ジェイソン被害により壊滅。(再建まで一週間の月日が費やされた。)
カナタの部屋のカレンダーから、13日の金曜日は姿を消したという…。