作戦
「そうだっ!!!いい事思い付いた!!」
唐突にカナタは叫ぶ。
しかし、そんな事にはもう慣れていたメンバー達は黙々と自分の作業を進めている。
ただ2人を除いては、
「え?何々?カナタ、何か面白い事〜!?」
「カナタ殿、この書類を片付けるまでは…」
書類整理に飽きていたナナミは、嬉しそうに身体を乗り出す。
それとは逆に、シュウはもはや血管が切れそうな表情である。
それを思いっきり無視して、カナタは話を続ける。
「そう!名付けて、『カイルさんゲットだぜ!〜これであの人も僕にメロメロ?〜』大作戦!」
なぜかサブタイトル付きだ。
「すごいわっ!!それでどんな作戦なの!?」
「それを今から考えるんだよ!!」
「じゃあ、お姉ちゃんも手伝うね!!」
和気あいあいと、手を取り合って修羅場と化している会議室から出てゆく。
「シュウ殿?いかがなされた?」
さっきからピクリとも動かなくなった軍師様にむかって、リドリーが尋ねた…が、
バターンっっっ
「シュウ殿ーーーーーー!!!誰か!ホウアン殿を呼べ!!」
シュウは担架で部屋の外へ運び出される。
ちなみに病名は神経性胃炎である。
「---でそれからどうなったの?」
トコトコと、もうお決まりになった道のりを歩きながらカイルは話す。
「あー、まあ、シュウは大丈夫だったんだが、リーダーがな…」
フリックは言いにくそうに口を濁す、
「?」
話を聞く限り、そう妙な事は起こしたように思えない。(いつもの事だから、)
「部屋から出てこねぇんだよ、」
言いにくそうなフリックに代わって、シーナが口を挟む
「いつから?」
「ん〜、三日ってとこか?」
「シュウの胃潰瘍が悪化しないうちに連れ出さないといけないんだが…」
「リーダー命令で『部屋に入るな!』だとさ、」
しかも、ナナミが部屋の前で見張っていると付け足す。
--------で、連れ出されたのがカイルだ。
「………協力しなきゃダメ?」
できればそんな事には、巻き込まれたくないと言うのが本音だ。(自分の身の危険だから、)
「「ダメだな、」」
間髪おかず言われ、もはやカイルにはため息をつく事以外できなかった。
一軍主の間一(カナタの部屋)
これもお決まりになった部屋を、カイルは見上げる、(毎回連れ込まれてるから、)
しかし、今日はどことなく(?)妙なムードが漂っている。
「あっ!!カイルさん!!カナタ〜〜!カイルさんが来たわよ〜〜〜v」
「ええっ!?ホント!?」
だだだだだと、走る音がした後にあっさりと、三日間開かずの部屋と化していた扉が開かれる。
「カイルさ〜〜〜〜〜んvvv」
「わっ!?」
油断していたがために、あっさり床へと押し倒された形になる。
「お、おもい………っっ」
「この三日間、カイルさんの事ばっかり考えてたんですよ〜〜〜!?」
落とす方法をだろ!?、とツッコミたくなるのをぐっと堪える観衆達。(命が惜しいからv)
スリスリと一頻り抱き着いた後、懐から分厚いノートを取り出す。
そこにはカナタの字で『カイルさんを落とす100の方法vvv』と、書かれていた。
後ろでは、これはヤバいとおもった元解放軍メンバー達が素早く逃げてゆく。
「20まではすぐに書けたんですけど!そこからが大変だったんですよ〜?」
「…『火炎の矢』」
なるべく威力を弱めたそれは、的確にそのノートを焼き尽くす。
「あ゛あ゛あ゛ああああああ〜〜〜〜〜!?」
メラメラと消し屑となったノートを見て情けない声が上がる。
「カイルさ〜〜んっっひどいです〜〜〜〜っ(泣)」
「…カナタ『死の指先』と『冥府』どっちがいい?」
に〜っこりと、カイルは言う。…額に青筋を浮かべて
「ええーーーーーー!?やっぱり34の『薬をつかう』がダメだったんですか〜〜!?」
とりあえず逃げつつ、カナタは叫ぶ
「そういう問題じゃな〜〜いッッッ!!『冥府』!!!」
逃げおくれたメンバー達と、カナタをソウルイーターは飲み尽くしていった…。
『ソウルイーター内一週間体験ツアー』だった。
おまけ
「は〜〜〜vここって言うなれば、カイルさんの中なわけだよね〜〜〜vvv幸せ〜v」
心底幸せそうな顔でカナタは呟いた。
「良かったわね、カナタ♪」
ナナミも嬉しそうである。
不幸なのは、巻き込まれたメンバー達だけであろう………。
完