血の料理

 

 

「カイルさん♪料理勝負の練習したいんで、手伝って下さ〜いv」

「うん、いいよ」

 

 

 

トントントン…

 

厨房に規則的に音が響く、

 

『あ〜vもうっvvvこういう生活もイイな〜っっ!!!』

 

野菜の下ごしらえをするカイルを眺めつつ、カナタの妄想は膨らんでゆく…

 

『カイルさんv今帰りました!!』

『お帰りカナタ、ご飯にする?それともお風呂?』

『カイルさんがいいです!!』 [がばあっ]

『うわあっっ!?』

(一一一一一現在となんら変わりなし…。)

 

「やっぱり、基本はこう、エプロンで………」

「カナタッ!?お鍋焦げてるよっ!!?」

カイルは異臭を感じてカナタの方を向いたのだが、カナタの手に握られた中華鍋はもはやもうもうと黒い煙りを上げていた。

「え?わあ!!焦げてます!?」

カナタが気づいたときには…

すでに火が立ち上っていた。

 

「水、水、水ですーーーーーー!!!!」

あわてて、鍋に水をかけようと走り回る。

「カナタッ!水はっっ…」

 

ゴウッ

 

「あっちーーーーーーっ!!」

消える瞬間、火は一際大きく燃え上がりカナタの前髪を焦がす

 

「っ一一一一一…」

指のちくちくとした痛みに眉を潜める、

「大丈夫?」

「大丈夫です、指火傷しただけですから…(髪の毛も焦げたけど、)

「指見せて、」

「?はい、」

手袋を取って、それをカイルに見せる

 

パクッ…

 

「一一一一一一一一一一一一一一一一一え?」

カナタはその意外な行動に一瞬意識を失っていたらしい、

カイルが自らの口の中に、カナタの指を含んだのだ。

 

「後は、ホウアン先生に薬一一一?カナタ?」

 

『カイルさんが一一一一一一一?僕の指…え?え?え?一一一一一一一えーーーっっ!?』

 

カイルの行動が、カナタの脳に到達した瞬間。

 

ブッ…

 

大量の鼻血が床と言わず、壁と言わず、そこら中に飛び交った…

 

「うわあっ!?カナタ!?しっかり…」

カイルが慌てて床に倒れたカナタを助け起こす。

「ーーーーーーっっひざ枕ッ!?」

また大量の血が(鼻から)流れ出す。

カイルもそれを浴び、さながらスプラッタ映画のようになっていた。

 

「お前ら、レストラン閉め切ってなにしてるん…一一一一一だっ!?」

「カナター♪お姉ちゃんも手伝う…カナタ!?」

2人して様子を見に来たフリックとナナミはその壮絶な状態を見て動きをとめた。

 

「カナタがカイルさんと心中〜〜〜〜〜!!」

「うわーーーっっ!!ホウアン先生を呼んでくれー−ー!!」

「えっ、ちょ…」

パニックを起こした2人はカイルの制止も聞かずに、外へと飛び出す。

どこからか、『お姉ちゃんを置いて行かないでー−!!』と泣叫ぶ声と何やら猛烈にはねとばされたメンバー達の悲鳴が聞こえてきていた…

 

何やら騒ぎは大きくなり、城内は混乱に落ち入った。

 

 

 

 

 

「あははー。びっくりしましたよー。起きたら棺桶の中に居るなんてー、」

やっぱり、城に墓場があるっていいですね、と呑気な事をしゃべっているカナタの口にカイルは黙って生レバーを突っ込んだ…。