雪山遭難
一一一清風山〜吹雪吹雪く頃。
ゴォオオオオオオオ
「うわ〜〜んっっ!ビッキーの『テレポートの練習したの〜』なんて言葉信じなきゃよかったです〜〜〜〜ッッッ!!」
吹雪の激しさに負けない程の大声でカナタは叫ぶ、その半身は雪に埋もれていた。
「………」
相変わらず巻き込まれているカイルの方は、カナタに庇われているからか、比較的マシだった。
散歩がてらビッキーの修行の成果を試すだけのつもりだったため、何の装備も持ち合わせていない。
そして、『またたきの手鏡』はカナタが使おうとして落としてしまっていた。
視界は雪のために全く見えず、隣にいてもそれとわからない程だ、
二人とも半袖なので、出ている素肌が痛々しい程凍てついていた。
「カイルさんッ!大丈夫ですかッ!?」
頭の上に雪を積もらせてカナタが叫ぶ、どうみてもこちらの方が大丈夫じゃ無さそうだ。
「何とか…」
言いながら、カナタの頭の雪を払い落とす。
「そうだ!こういう時は『ピザハンバーグ』ですよねっ!?」
「『ピザハンバーグ』???」
ピッツバーク→雪山遭難時の対処法。穴を掘り、そこに潜って吹雪を凌ぐ。(多分)
「『かまくら』もいいですよね〜v作りましょう!!」
半分凍死しかけだと言うのに、まだまだ余裕があるようだ。
「…うん。」
とりあえずカイルもまだ凍死したくなかったため、その案に賛成した。
「わ〜い♪トンネル開通です♪♪♪」
「カナタ、穴開けたらかまくらにならないよ………?」
凍死するのも時間の問題である。
「あっ…結構暖かい、」
「僕火種もってますよ〜v」
シュボッと、あぶらのしみこんだなわに火をつける。
暖かい火を見つめている内に、二人の目はとろ〜んとしかけていた。
「はっ!寝ちゃダメですっ!!」
慌てたカナタがカイルを揺さぶる、
「あ!そうだよね…、」
あわててカイルも目を開ける、
しかし、それでも眠いらしくしきりに目を擦る、珍しく幼い仕草にカナタはビクッと反応を示す。
『うわ〜〜〜〜っむちゃくちゃ可愛いですっ!!』
きゅぴ〜んっとカナタの瞳が輝く、
「カイルさん!!」
「?何??」
真剣な様子の少年に、カイルは戸惑いつつも向かい合う。
「眠気を覚ますためにも!服を脱いでお互いを暖めあいましょうっ!!」
「なんでっ!?」
「雪山で遭難したら、人肌で温もりあうと相場は決まってます!!」
言っている事は正しい(?)が、妙な迫力がある。
「う…ん?そうかな………???」
しかも、納得しかけている。
「じゃあいいですよねっ!!」
がばあっ
「ちょ、ちょっとまっっ…」
ばさばさと勝手に脱がせてゆく、かなり慣れている。
「いっ今思うんだけど、そういうのって下が雪の所でやるんじゃないような???」
雪と同じような色合いの肌を隠しつつ、カイルは後ずさる。
「………まあ、細かい事は置いときましょうv」
「………細かくないと思う」
「据え膳食わずは男の恥で〜すvvv」
「す、すえ?」
事態に気づき、カイルはようやく抵抗を始める。
「カナタッ!」
「離しませ〜んッッッ!!!」
ぎゃ〜ぎゃ〜と暴れはじめる。
その拍子にボスッとかまくらが破壊される。
「あ!」
「?」
壊れたかまくらの方をみて、カイルが声をあげる。
そこにはなくなったはずの『またたきの手鏡』が埋められていた、(かまくら制作時に紛れ込んだらしい。)
「ああ〜〜〜っっっ!!」
カナタの悲鳴も空しく、カイルは手早くそれを掴み、本拠地へと帰還を果たす。
「っっっっっ!!!」
「カイル様っ…(///)」
「…………」
本拠地に帰還し、二人の(主にカイル)姿を見たものは、顔を赤くしたり、前屈みになるなど様々な反応を見せた………
「ああっっ!!カイルさんの素肌を見るなんてッッ!!(怒)」
「……………誰の所為だと思うの?(怒)」
相変わらず騒がしい、本拠地だ。
終える。