昼寝
「カイルさ〜ん!!」
いつものように、大きな音と声を立てて自室のドアを開け
そこにいるはずの大好きな人を探す。
「カイルさ…あっ、」
カナタはしまったというように、口に手を当て黙りこむ
目的の人は珍しくも、寝てしまっていたのだ。
軽い寝息を立てて、ベットに凭れ掛かるようにして寝入っている姿はとても起こすに忍びなかった。
「寝ちゃってる…」
声を潜めて、そう呟く
もう少し近くでその寝顔を堪能しようと、カナタは正面に座り込む
思った通りにその寝顔は幼く、かわいらしいものだった。
『まつげ長いですよね〜v………』
顔を覗き込むようにもっと近づくと、その瞳がぼんやりと開かれる
至近距離で目と目がぶつかる。
これでは、どんな疑いをかけられても仕方がない距離だった。
「あっ!あの!これはですね!!!!」
慌てて離れようとするカナタだったが、意外な反応に目を丸くする。
ぼんやりと微笑むと、手を伸ばしカナタを抱えるようにして抱き着いてきたのだ。
ね、寝ぼけてる?
いや、ラッキーだけど、これじゃあ理性がもたない〜〜〜!!!
心の中でそう叫ぶと、カイルを起こさないようにして離れようとするが、
子供が寝る時にぬいぐるみを放さないようにカイルの腕もびくともしなかった。
「……取れません…」
カナタは離れる事をあきらめこのラッキーな状況を満喫する事に決めた。
「ん…?」
カイルは自分が寝ていた事を悟り、そして何か暖かいものが抱き着いている事に気づいた。
見るとカナタが気持ちよさそうにして寝入っていた。
「そうだ、カナタと約束してて…」
寝てしまったのだ…
「…起きるのまっててくれたんだろうな……」
窓の外を見ると、もう夕暮れだった。
申し訳ない気分になりカナタの顔を覗き込むと、その顔は至福の表情をしている。
「いい夢見てるのかな…」
微笑ましく思いながら、起こさないよう注意し身体を離そうとするが…
「は、離れない…」
背中にまわされた手は、がっちりと結ばれ決して離れようとしなかった。
「どうしよう…」
同じ思いをカナタがしたとは気づかずに、カイルはそのままでいる事に決めた。
「僕も、もう一回寝ようかな…」
そういってカナタの肩に頬を預け、目を瞑った。
幸せな2人だった。
しかし、ここに怒れる不幸な人が一人…
「遅いッ!!時間厳守だと言っておいたはずだっっ!!!、カナタ殿を早く連れてこい!!」
軍議の事などはすっかり忘れ果てているカナタだったとさ。
おわる