愛してるの言葉…

 

 

 「あ…んぅ…!!」

 突き上げられる快感に俺は身を捩って逃れ様とした。
 でも、俺を犯す男は俺の事などお構い無しに俺の身体を貪るように抱く。
 今夜、何度目の性交だったか最早覚えてはいない。
 快感だけが俺を支配し、理性を蝕み、骨の髄までこの俺を犯す男で満たされる。
 繋がった部分が熱くて仕方ない。
 とろけて、溶け合って、二人の人間が繋がっているのではなく本当に一つに、二人でありながら一人の人間になったみたいだ。

 「も、う……やめ…」

 激しすぎる快楽。
 朦朧とする意識。

 俺は男に懇願した。
 もう無理だ…限界だ…、と。
 しかし、男は只薄い笑いをその口元に浮かべ、欲情に濡れた俺の瞳を覗き込むだけ…。
 止める気は、毛頭無い。
 言葉はないけどそう言っている。
 氷を思わすように薄青い瞳の奥の熱いモノがそう言っている。
 先程よりも、より早くより激しく突き上げられる。

 「んぁ…ああ……くる、がん…っはぁ!!!」

 痙攣を起こす俺の片脚を掲げ、男が激しく俺を揺さぶる。
 優しく絡められる指が俺の欲望を育てる。
 頭が如何にかなりそうなほど激しく…甘く…。
 今やもう、俺は快楽の奴隷だった。

 非生産的…非道徳的…、とその行為を否定しながらクルガンに求められるまま身体を重ね。
 淫らだ。と己を罵倒しながら自ら腰を揺らす。

 なんていう矛盾。
 なんて淫らな俺。
 なんて、なんて…弱い俺…。

 男を咥えて喜ぶ男なんて…。
 情けなくて仕様がない。
 それでも気位高いはずの俺はクルガンを安易に受け入れる。
 仕方がない…。
 この男には逆らえないんだ…俺は…。

 クルガンに惹かれた。
 虜になった。
 心が身体が…クルガンを求めた…。
 愛してるから…。
 クルガンがいないと…生きてけない…。
 俺を満たしてくれるのはこいつしかいないから…。

 

 ―――――人は誰しもその半身となりうる者が存在する

 

 うん、そうかもしれない。

 誰が言ったの事かわからないけど、誰が考えた事か知らないけど、俺もそう思う。
 だって俺はこんなにもクルガンを求めてる。
 冷徹な男が見垣間見せる優しさを独り占めしたいと叫んでる。

 愛してるなんて何万回言ったって足りない。
 身体なんて重ねても重ねても足りない。
 完全なる呪縛。
 完全なる虜。
 完全なる、奴隷…。

 ふいに、涙が頬を伝った。
 悲しいわけじゃない。
 痛いわけじゃない。
 けど…涙が止まらなかった。

 不安…なんだろうか?
 何に対してかはわからないけど…不安なんだ…。
 いや、本当はわかってる。
 クルガンが俺への興味をなくすのが怖いんだ。
 それが不安なんだ…。
 こうやって身体を繋いでいる”今”は確かだけど…。
 明日、朝起きて”さよなら”されるのが怖いんだ。
 怖くて怖くて…堪らない。

 ぼろぼろと涙を零す俺を見て何を思っただろう?
 情けない奴だ、と嘲笑うだろうか?
 仕様の無い奴だと苦笑するだろうか?

 クルガンの大きな手が俺の頬を包み込む。
 その唇で俺の涙を吸い取ってくれる。
 俺の不安ごと吸い取ってくれる。

 クルガンが口付けをくれた。
 うんと濃厚な口付けを…。
 まるで告白みたいな口付けを…。
 愛してるって…

 歯列を割って舌を絡めて唾液を交換して…。
 突き上げて快楽の虜にして肉欲に溺れて…。
 何度も何度も言葉じゃなくって伝えて来る。
 言葉よりも強いもので…。
 直接俺の中に流れ込んでくる。
 上から、下から注ぎ込まれる。

 それらを受け止めながら俺も心の中で呟く…。
 狂ったように何度も何度も…。

 

俺も愛してる…

 

 

THE END

 

 

シード→クルガンな話が書きたかったのですよ。
しかし、これは…只やってるだけ…。(吐血)
まあ、「触れ合う事によって言葉よりも
強いものが確かな『今』を証明してますよ〜。」
と言う事ですv
補足説明が要るような文書くなよ…。(撲殺)

紺野碧