ふと目をしました瞬間、そこは闇の中だった。

 

「―――――!?;」

 

慌てて身を起こそうとしても、手は何かで繋がれているようで、身じろいだだけで終わってしまった。

チャラチャラと手首から響く金属の音で、鎖に繋がれているだろう事は分かった…。

「……………」

少し考えた後、―――大体の原因は分かった。

何度か呼吸を繰り返し、瞬きをする。瞼に触れる柔らかい感触で布か何かで視界を隠されているのだということが分かる。

誰が、何故?

その答えは分かりきっている………

「あ♪目、覚めましたか?」

カイルさん♪とかけられた声に、反射的に拳を握り締めた。

「カナタ…」

カイルは思わず相手を殴りたくなった。

…しかし、とりあえず先に問うておく。

「…何してるの?」

「えへv様々な事情と欲求で!新たなプレイを企んでみました!!むしろ若気の至りで監禁したい気持ちがムラムラと!」

ぶんっ!

サッ!

声で大体の見当をつけて蹴りを放ったが、さすがに避けられた。

「解いて」

「ダメですv」

言うが早いか、カナタにグッと足をつかまれ、押さえつけられた。

―――ついでに、ずぼっと上着の下に手を入れられた。

「!!!!!;」

何をされるか分からない漠然とした不安に、カイルは反射的に暴れる。…というか、うっすらと予測がつくので、抵抗してしまう。

「ああっ!まだそんなスゴイ事もしてないのに抵抗するなんて〜!!」

「何っ…;」

ゴトン。

何する気!?;と、最後まで言い終わらない内に、―――何か硬い物にぶつかった。

 

ブィー…ブィー…ブィ〜…

 

「……………!?;」

「あ〜落としちゃいました〜;」

何が落ちて…!?;とカイルは硬直し、ふっ…と意識が遠くなった。

…しかし気絶した場合、確実に好き勝手なことをされるだろう。カイルは気力だけで、意識を保持した。

「そこはかとなくSM要望が多かった気がするんでー☆そんな得意でもないですけど、それっぽいことをしてみようと思ったんです♪」

「やっ…!;〜〜〜〜っっ!!」

すぽっと下半身を素早く剥かれ、カイルは既に両足を揃えて抱えるくらいしか抵抗は出来なかった。

「大丈夫です!軽くっ!軽ーくですから!…心持ち、中の上級編〜くらいを目指すくらいで!」

「どこに手っ…やっ入れっ…!?」

再び上着の裾から手を入れられ、カイルは視界の利かなさも加わり混乱した。

まっ平らながらも、滑らかな触り心地の胸を弄るカナタは、とても嬉しそうである。

「この辺りですかー?」

「あっちょっ…」

ふにふにと指先で胸の突起を探られ、カイルの身体は反射的に小さなしこりを作り出す。

「―――っ…」

「あ、ここでしたねー」

楽しそうな少年の声にも、カイルはぷるぷると震えて耐えるしかない。…勿論怒りである。

「じゃあここと、ここをこうして〜♪貼っちゃいまして〜」

「なにっ…!?;」

ひやっとした小さな無機物の感触が、カイルの胸の中心にそれぞれに何かで貼り付けられた。

「後はー…えい。」

「やっ!?」

どろりと、寄せ合わせた太ももの間に何かの液体を注ぎこまれ、思わず声が上がる。

感触からすると、瓶を丸ごとひっくり返してかけられたようだ。

「…これだけだと、まだ弱い気がします…SMじゃなくて、ただのローション&ロータープレイに…」

「か、カナタっ…」

まだ今なら何とか制止出来るかもしれないと、カイルは(今までの経験上)思い、おそるおそる声をかけた―――が、一足遅かった。

「そうです!カイルさん♪」

「んぅっ!?」

いきなり唇を唇で塞がれ、思考が停止する。

抵抗も忘れて、口の中を舐められる感触に身を竦めていると…暫く後に舌と入れ替わりに、何か硬い物を入れられた。

「――んうぅっ!?」

「これです!色っぽいです!これならいけます!SMっぽいですよ!」

「ふぅうううッッ!!」

…カイル本人が今の自分の姿を見たなら、憤死しそうな光景がカナタの目の前で繰り広げられていた。

何せ口に(かなりヤバめの)轡だ。カナタはテキパキと、頭の後ろに留め具を回している。

「で!後は僕以外のものを入れるなんてそんな事僕には出来ません!!と葛藤して妥協したこのローターさんを!」

「んんんっ!!!」

垂れたローションでぬるぬるになった入り口に、カナタの指ごと何か小さな物がゆっくりと入れられる。

嫌がって下腹部に力を入れても、逆に中の異物を感じるだけだ。少年の行動を阻むことは出来ない。

「あんまりいいとこだと拷問になっちゃうんで、この辺りに〜…」

「ふっ!うううう!!」

口の中のかませを噛み切りたい気持ちで叫ぶものの、見事に意味のない言葉にしかならない。

「カイルさん…大好きです!だからこれが僕の趣味であって僕の趣味でないことだと信じて下さい!正直ちょっと楽しくなってますけど!!」

「〜〜〜〜〜っ(怒)」

蹴ろう。

自由になったら、後で力いっぱい蹴ろう。

カイルは心の底からそう思った。

「じゃあスイッチオーン☆」

「んんふうううっ!?」

右胸、左胸、お尻の中と少し遅れて同じ振動を伝えてきたそれに、カイルは背中を反らせて反応した。

弱い振動を与えてくる異物に、身体の奥から背筋にかけてピリピリとした刺激が這い登る。

そんな悪戯をしでかしたカナタはというと、すぐ近くに座り、ただ見ているだけの様子だった。

「放置プレイっていうか、どっちかって言うと視●プレイの気がしますね〜…あ、大丈夫です!それだけだとイケないと思いましたから、ちゃんと媚薬入りのローションにしましたから☆」

「ううううううううッ!!」

 

――――勿論、生殺しの振動と、薬で無理矢理火を付けられた身体にカイルは泣いて啼く羽目になった…。

 

 

 

 

「うわっ、カイルさん中熱くてきゅうきゅうでっちょもう出していいですか!?抜かずに続けられますからー!」

「カナタっ胸のもとってっ…!とってぇっ…!!」

薬と焦らしに理性が飛んだカイルが、シーツの上で身悶えて哀願し、ようやくこの電波なプレイは終了したという…。

まあ当然、カナタは据え膳をお腹一杯に頂いたようだが。

 

 

 

 

 

で?

 

 

「………やり返して良い?(怒)」

「ぎゃー!;カイルさんっ!;それ違います!それSMじゃなくて拷も…――あぢーーーッッ!!;」

少年に、火の付いたロウソクの蝋をボタボタと落とすカイルの姿は、割と鬼気迫るものがあったりした…。