夏と海と夕日

 

ジリジリと肌を照りつける太陽 。

辺りに響く波の音。そして潮の香り

辺りには熱帯地方の植物。

 

常夏の海だ。

まあ違う所と言えば、観光客(?)が辺りに犇めいていない所だろうか?

クルガンとシードは海に来ていた。

 

「うっしゃー!海だーーーー!!」

ガッツポーズで海に向かって叫ぶシード、純粋に海に来れて嬉しいのか、それとも仕事をしないでいられる事が嬉しいのか、それは不明だが嬉しい事は確からしい。ちゃっかり水着を着込んでいる。

はだしで焼けた砂浜を歩き、アチ〜ッ♪などと楽し気に叫んでいた。

 

「シード、」

 

「んあ?」

背後から声になんだよ?とシードは振り向く。

「泳ぐのなら日焼け止めを塗っておけ、あとで後悔する羽目になる」

パラソルなどを立てつつ、クルガンは無表情にシードに言う。

もちろんこちらも水着姿だ。

知将と言われているが、筋肉の付き方でかなりの腕前とわかる。

引き締まり、無駄がない筋肉と体格。男性として理想的な体格だ、

それにシードは見蕩れると共に理不尽な怒りが込み上げてくる、

つまり、『なんでこいつこんなにガタイいいんだよっっ!』と言う事だ。

シードが華奢と言う訳ではない。適度に筋肉がつき、瑞々しくスラリとした体つきは普通 は羨ましがられる部類だろう。

が、シード的にはクルガンのような体格になりたかったという思いがあるのだ。何となく羨ましい気持ちがあるのだろう、思わずジ〜ッと見ても仕方の無い事だ。

「どうかしたのか?」

まあ、クルガンとは骨格からして違っている、その事はシード自身もわかっているが…。

頬をプッと膨らませると『なんでもない』と言って、クルガンに手を差し出す。

日焼け止めをよこせと言うのだろう。

子供っぽい仕草にクルガンは、目で笑い口を開く。

「私が塗ってやろう、」

「クルガンが?(まあ、塗んのめんどくせーし)―――おうっ、頼む♪」

「ああ、」

そこへ転べとクルガンはシートの方を示す。

素直に寝転がったシードは、呑気にクルガンに身体を任せた。

 

―――ぺたぺたと塗り付けられる日焼け止め。

マッサージをしているような動きの所為か、シードは心地よさにうとうとし始めている。

かなり甘い判断だ、こんな無防備な態度でいられるとクルガンでなくとも悪戯したくなってしまう。

クルガンは何か考えるように動きをとめるが、ある意志を持って再び手を動かし始めた………。

「ん〜………あ?」

シードが何かおかしいと思ったのは、クルガンの手が脇腹を撫で回し――普通はこの時点で気付く――その手が水着の中まで入り込んできた時だった。

「どっどこまで塗ってんだよっッ!?」

ぎゃあッと叫び、跳ね起きるシード。クルガンはそんな様子がおかしくて堪らないのか、ククッと含み笑いをしていた。

「さあな、」

よっぽどシードの反応が予想通りだったのが、面白かったのだろう。

「やめろってっ!!―――っ」

あわあわと混乱するシードだったが、このままこんな事を続けられると自分がどうなるのかイヤと言う程知っていた。

右手で砂をわっしと掴むと、それをクルガンに向かっておもいっきりぶつけた。

「!」

目くらましにクルガンの気が逸れたのをいい事に、シードは一目散に逃げ出した。

クルガンの事だ、目に入るようなへまはしていないだろう。

クルガンは首を左右に振ると、笑みを浮かべふっと息を付いた。

 

 

 

「なんで急にあーゆー事すんだよっ!!クルガンの奴っっ…」

ブツクサ呟きながら海岸に向かって歩くシード。

『急』でなければ良かったのか、聞いてみたい所である。

シードが気を取り直し、よっしゃ泳ぐぜ!と気合いを入れ直した時、遠くに見た事のある人影を見つけた。

「アレは―――…。カナタじゃねーかーーーー!!おーい!」

同盟軍リーダーカナタ。その少年が何故こんな所に(しかも、浮き輪とバケツを持って)いるのかわからなかったが、知り合いに会ったら声をかけると言うのが鉄則だろう。

ブンブンと勢いよく手を振るが、相手は全く気付いていないのか、テケテケと呑気にどこかへ歩いて行こうとしている。

「あーくそ、気付けよなー」

シードがふと足下を見ると、手ごろな石が落ちている事に気付いた……………。

「♪〜〜〜」

そして、それを掴むと思いっきりカナタの方に投げた。

 

「♪〜〜〜コレも、カイルさんに見せましょう〜〜♪」

なにやらヒトデやら、あめふらしやらをバケツに放り込みながら、最愛の人トランの英雄の名を呟く。

未発達な子供ボディに、小学生並みの水着(名前つき)、かなりの者は見かけに騙されがちだが、中身は真っ黒小悪魔だ。

「るりら〜〜〜〜♪――――がふっ!!」

ゴスウッと、唐突にカナタの頭に石がめり込む。普通なら即死と言った感じだろうか?

思わずカナタはバケツごと砂浜にひっくり返った………。

「hhっ…誰ですか〜!?」

くるりと振り返ると、見覚えのある真紅の髪が見えた。

「おーい!!」

「あーシードさんです。(つーか、呼び止めるだけに石ぶつけたんですか………。)」

「こんな所で何してんだよ?カイルは?」

「一言で言えば『遭難』ですvvvカイルさんは昼寝中(実際は気絶)です♪そして僕はお見舞いの品をゲット中なんです!!」

「へー。(なんだか良くわかんねえけど)そうなのかー」

この少年が何をしでかしたのかは全く不明だが、ビッキーのテレポートミスでここまで飛ばされてきてるのは確かだろう。

「シードさんはクルガンさんと旅行ですか〜?」

「まあな………。」

見上げてくるカナタの視線からプイッと目を逸らし、そう言った。

先ほどの事を思い出したのだろう。

「……………。」

カナタは何かあったのだろうと気付き、にこ〜と笑いながら、ちょっと掻き回してやろうと目論んだ。

「あんまり喧嘩してると、クルガンさんに『あきられ』ちゃいますよ〜?」

「はぁっ!?」

唐突な言葉にシードはカナタを凝視するが、そこには子供特有の笑顔があるだけだった。

「何言ってっっ…(///)」

「―――はっ!カイルさんが僕を呼んでいますッ!!」

「は???」

「今行きますーーーーーっっ!!!!!」

謎電波(?)をキャッチし、カナタはマッハの速度でどこかへ駆け出して行った………。

「な、なんなんだ………一体???(汗)」

 

 

 

(―――なんだってんだよっっ!訳のわからねえ事言いやがって!!)

バシャバシャと波をかき分け、泳ぎ続ける。

何時間も泳ぎ続けているのだが、シードにはまったく呼吸の乱れ1つ見えなかった。

(なんでオレが飽きられるってんだよっ!)

頭の中を空っぽにしたいが為に泳ぎ続けているのだが、思考は正しい判断を失っていくだけで、先ほどカナタから言われた事とクルガンのとの事が頭の中で廻り続けている。

(大体外でなんかできる訳ねーだろがっ!―――そんな事っっっっっっ―――――だあっ!)

 

 

 

 

 

ポタポタと流れ落ちる水滴が砂浜に跡を残す、

ようやく海から上がる気になったシードだったが、何時間も泳ぎ続けた所為で辺りはもう夕暮れになっていた。

夕日が反射する海面、何となくそれに苛つきながらシードは元居た場所―――――クルガンの元へと走り出した………。

 

 

 

パラソルの下で何スルでもなく横になっていたクルガンだったが、不意に陰が落ちた事で無表情に目線だけを上げる、

そこにはシードが立っていた。

しかも何やら思いつめた表情で、

「…どうかしたのか?シード、」

「クルガン………」

シードはそう呟くと、すっかり冷たくなっている身体で抱き着く、

「すっかり冷えてしまっているな、」

「」クルガンが背をさすると、シードは更に身体を寄せて強くしがみついてくる、

―――ふっ、とクルガンは嘆息し、口を開く

「私が暖めてやろうか?」

「―――――っ勝手にしやがれ…」

照れて顔を真っ赤にして背けるシード。

何があったかはしらないが、とんだ役得だとクルガン氏は密かに思った………。

 

 

「んっ―――――……」

 

触れてくる手が暖かいと思うのは、身体が冷えているからだろうか―――?

 

そんな事を思いつつ、シードは砂浜の上で身悶える

汗と海水とで濡れた背には砂がくっついていたが、シードにはもう気にならなかった。

眩しい夕日とクルガンの指先とで頭のどこかが麻痺してしまっているのだろう

「ああーっ…」

潮風でパサついた髪が首を振る度に揺れる

限界まで追い上げられた身体は貪欲に目の前の男を求めていた。

「クルガンッ…」

強請るような口付けを自ら行うと、クルガンはそれに応え激しいものとなる、

口付けに溺れ、身体の力が抜け落ちた途端身に覚えのある―――そしていつまで経っても慣れない熱が身体の奥に押し入ってきた……………。

「――――――っっああぁあっ」

異物感よりも快感が強くなってしまった身体では、ただしがみついてクルガンの名を呼び続ける事しか出来ない、

シードはボロボロ涙をこぼし、クルガンの背をきつく抱き着く

「クルガン…クルガン……おれっ…こ、と飽きんなっっ………よ、…」

「………ああ、」

何を言っているのやら、とクルガンは苦笑しシードの額に軽く口付けた

「つあああっんっっ―――――」

真っ白になった意識はそのまま紅い夕暮れの中に溶けていった―――――……。

 

 

 

日がすっかり落ち、涼やかな風が吹く頃

すっかりらぶらぶムード(?)に、二人は出来上がっていた………。

 

 

そして、謎の言葉を残していった少年はと言うと………

 

「あ。」

「―――っなっに…?」

唐突に声を上げたカナタに、カイルはなんとかそう尋ねる。

『帰らないの?』と言うカイルに『僕といるのが嫌なんですかーーーッッ!!!?』『そ、そうじゃないけど…(汗)』(以下略)なやりとりが行われた結果 、帰れなくなっているのだ。

しかも、『今日はカイルさんから乗って(死)下さい〜〜〜♪』というカナタの願いから、カイルは無理矢理カナタの上に乗せられている………

中途半端にはだけた恰好が尚更色っぽい…。

「いえ、『あきれる』と『あきられる』って、違う意味ですよねーーー。まっv『ら』が入ってるか入ってないかの違いですから全然オッケーですよねvvv」

「―――っ?」

 

あはははははは♪と言う呑気な笑い声が、更けた夜の海に響いた…………。

恐い程綺麗な満月の夜だった……………………。

 

                        完

 

 

 

 

ごめんなさい。

いやもう、ただそれだけです。

何が書きたかったのか定かではない、そんな作品。

さあv墓穴でも掘るかv

はっはっはv(逃)