勝者は誰だ!

 

この物語は1人の英雄の決心と、一匹の小悪魔の野望とある女性の陰謀から始まる……………。

 

 

『今日こそは家に帰らないと……』

そう考えながらカイルは、(一応)この城の主である少年の元へと歩いていた。

もういいかげん諦めているのだろうと思われている事だったが、ふとした瞬間に思い出したらしい……自分がどれだけ家に帰っていないと言う事を、

 

―――――その頃、カナタには一つの荷物が届けられていた。

 

「うーーーーーん。」

届けられた荷物の前で、腕をくんで唸る少年。本当に珍しい事だが、『考え込んでいる』状態らしい。一応物事を考えると言う事が出来るのだ―――――持続性はないが。

まあ、ともかく。カナタが考え込むのもムリはない、その荷物のサイズと言えば、人、1人入ってもゆうにくつろげる程の大きさだったのだから…。そんなものは送った事はあったとしても、送られた事がなかったのだ。

「差出人は――――『ジル=ブライト』―――ジルさんからですか。」

伝票を確認し、何やら納得している。

うんうんと頷く仕草をし、ガムテープを剥がしにかかる。

「あはは〜vジルさん絡むとロクな事にならない気がしますけど、取り敢えず開けないとヤバいですよねーーーー。」

バリバリと箱を開けたとたん………

 

「マンネリですわ。」

 

即座にそう告げられてぴしりと固まるカナタだ。

なかには予想通りジルが入っていたのだが、唐突にそんな事を言われるとは思わなかったらしい。

「くっは……(汗)こんにちわですジルさんっ……」

引き攣った笑みを浮かべて挨拶をするが、ジルは全く気にせずひらりと優雅に箱から出てくる。

「ワンパターンですわ!ラブラブだなんだとおっしゃっていても、いつも同じ事の繰り返しではありませんのっ!?」

そう叫ぶジルの胸元に抱えられたものは、大量のビデオテープだ。おそらくはここ最近のカナタとカイルの生活映像だろう。

「コレではせっかく新型のビデオを買いましたのに、意味がないですわ!!」

チャっとどこからともなくピカピカのビデオを取り出すジルだ。

「グハアッ!!しっ心臓に刺さる言葉ですッッ!!(泣)僕にどうしろって言うんですかッッ!!?」

胸を押さえて床にしゃがみ込むカナタにジルは聖母の笑みを浮かべる………………『聖母』という形容が正しいかどうかは不明だ。

「簡単な事です……貴方にこの『マンネリ防止新プレイ伝授100連発』を差し上げますわv」

「あああっ!何かとてつもなく怪しいタイトルですケド、なんだか役に立つような気がしますッ!!!ありがたく受け取ります!!!!!」

そっと手渡された本を受け取り、熱い握手を交わす2人だが、ジルの手に持っているビデオが邪魔でうまく握れていない。

「お礼なんていいですわよv」

そう言い残すと、ジルは何処へと姿を消した………

 

 

「――――――って、ノリで受け取ったのはいいですケド、ジルさんが『お礼なんていい』って言うのがかなり怪しーですねー。まあ、手はうちましたけどv」

ボソっと何やら呟くと、カナタは懐にビデオテープをしまい込み、ぱらぱらと受け取った本をめくり始める。

 

「っ!これはっっ!!!」

 

 

 

「カナタ?入るよ……?」

「どうぞ〜v」

にこ〜と喜色満面なカナタを前にして、カイルは言い出しにくくなるがダメ元で言ってみようとなんとか覚悟をきめる。

「今日、家に帰るからね」

「はい!どうぞっっ!!なんならルックもつけます!!」

「…………………………………じゃあ……………」

あっさりとにこやかにいわれ、カイルの胸中は複雑だ。

カイルが?マークを浮かべながら、去って行くのをカナタは手を振って見送る。そして、ドアが閉まると同時に、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「よっしゃーーー!!とっとと後を追っかけます!!!!今から走れば夜にはつきますーーーーーーー!!!!!!!!」

 

て〜いとベッドの上に投げ出された本が、風に吹かれパラパラと捲られる………そして、偶然開いたページの見出しは『夜這い』だった……………。

 

 

 

 

 

『眠れない…………』

いつも側にある体温がない事も原因だが、周囲に気を張るのが久しぶりなため眠れないのだ……。いつもならカナタがやってくれていたのだ。(多分)

これまでの経験上、明日にはカナタが(朝一番即行で)迎えに来るだろうから、と眠ろうとするのだが全く睡魔は訪れようとしない。

『そういえば、あんなにあっさり返してくれたのは初めてだったような…………』

 

 

なんとかうとうとしかけた頃…

 

ぎしっ…ぎしぎし……

 

「………?」

部屋の中―――というか、寝台の上に気配がある。

しかも、よく知った………………。

「………………カナタ…?」

「あははv起きちゃいましたーーーー?」

予想通りの人物にどう反応していいのかわからない。

「こんな時間に何しに………?」

「夜這いに来ましたッッ!」

「よ、夜這い……?」

ハッキリとした答に、カイルは嫌な汗を浮かべる。すでに上からうぎゅっと抱き着かれて逃げようにも逃げれないでいる。

「もしかしなくても、今日あっさり帰してくれたの……」

「ぴんぽーん!ですv」

「……………」

全く悪びれた様子のないカナタに、カイルはどう反応していいのかわからなくなる。相手は無邪気にニコニコと笑っている、まさかはたき倒す訳にもいかない。

「さあ!そういうことで失礼しますvvvvv」

「!!!!!(汗)」

「まったなしですよ〜vvv」

うちゅっとカイルに口付けると、わさわさと寝間着を脱がしにかかる。

「る〜〜〜vvv」

カイルの捲り上げられ、露になった素肌にぬるりとした生暖かな感触が走る

「やっ!(汗)ストップ…っ」

「知りませ〜〜〜んvんーーーーーvvv」

カナタはちゅ〜と、柔らかな突起部を吸い、固くなってゆく感触を楽しむ、

「っん……」

「そう言えば、カイルさんの家でするの滅多にないですよね、」

一度言ってみたかったんです〜とカナタは呟き、にこ〜っとカイルに顔を向ける

「あんまり、声出すとグレミオさんとかに見つかっちゃいますよv」

「っ!(怒)」

せめてもの仕返しに、髪を引っ張るがあまり効き目はない。

どうでもいいが、グレミオやクレオに見つかった場合、殺されるのはカナタだろう………。

 

―――――窓の外に気配があった。

 

 

 

少し戻って、

「ふふふふふふvうまくいったようですわねvvv―――カゲ」

「はっ」

「早速行って2人の営みをこのビデオに納めていらっしゃい、」

そんな訳で、以前の雇い主の恐さを知っているカゲだが、この雇い主の恐ろしさもよお〜く知っているだけに断れないままトランへと旅立って行った………。できる限り、自分は見ないようにしようと心掛けて、

ちなみにジルは、

「寝不足はお肌と健康の敵ですわ!!今日はクルガンとシードもナニもしていないようですし、寝る事にしますわ。」

と、言って自室に戻って行った。

 

 

 

「っは………」

いつまで経っても慣れない行為にカイルは荒い息をついてなんとか回復しようと必死になる。が、それをまってくれる程相手は善人ではない。

「もーいいですよねv」

「ッ…………(よくないーっ)」

プイっと目を背けた拍子に、窓の外が目に入った……

ビデオが突き出ている…………(撮影者は見ていないようだが。)

それに気付いたカイルは真っ青になり、カナタに伝えようとするが………

「ちょっ!カナタっ!まって!やっ―――(汗)」

慌てるカイルにカナタは何を思ったのか、顔中満面の笑みを浮かべる。

 

「問答無用ですv」

 

「―――――っ!」

声にならない悲鳴が、誰にも届かずに消えていった…………。

 

 

 

 

 

 

「たりらりら〜〜〜vお洗濯ですーーーーー」

どこからかパクってきた洗濯板とタライでごしごしと洗濯中なカナタ。真夜中でなければ、ふよふよと空中を漂うシャボン玉 が綺麗だっただろうが……………。

「……………。」

シーツやら寝間着やらを洗うカナタに毛布を頭からかぶったカイルは何か言いた気な視線を送る。

「―――〜〜。(汗)大丈夫ですよー?」

無言の抗議に耐えかねてカナタは懐から、何やらを差し出す。それは一本のビデオテープだった。

「?」

「あのビデオ、ちゃんとテープ抜いときましたからv」

「………(いつの間に?)」

 

 

 

「くっ……やりますわねっ…………!(怒)」

そして、ジルは地団駄を踏み。カゲは腹いせに拷問されたという………………