ある日の痴話喧嘩
「なークルガン、今日ジョウイ様がなーまた医務室に運ばれてー」
「………」
カリカリカリ…
「それでジル様に、オレが「大丈夫なんですか?」って聞いたらなー」
「………」
カリカリカリ…
「ジル様、「大丈夫ですわよ、あのくらいでは死にませんものv」って言ってさー」
「………」
カリカリカリ…
「それからなー…」
「………」
「―――なぁ、クルガン聞いてるのかよ?」
「…お前こそ、どこをどう見てそんな事を言っている?」
でん!と積まれた書類の山。そして、その前に座って黙々と仕事を片付けているクルガン。そしてその机の上に腰掛けて、その日あった事を話しているシード…。
どこをどう見ても、クルガンの言う事の方が正しいと言えようが――――――…そんな事はシードの知った事ではなかった。
「『そんな事』ってなんだよっ!?(怒)」
「………」
「あーー!そうかっ!もういいっ!」
何故だか、突然切れたシードは、怒りも露にクルガンを睨み付けた。…ちなみに、クルガンのやっているこの仕事は、全部シードの物だったりするのだが…
「もうオレの事なんて愛してないんだなッ!クルガンのバッキャローーーーーーーッ!!!!!(怒)」
言い終わるが早いか、シードはバッターン!と扉を壊す程の勢いで外へと飛び出して行った…。
そして、暫く。
「…やれやれ、」
カタン、とペンを置いて、ゆっくりと立ち上がるクルガンであった。
「―――――て、訳で暫くここに置いてくれねぇか!?」
「……それはいいですけど…」
「わーーーーーっ!!(汗)カイルさーんっ!!捨てないで下さいーーーーーーーーーっ!!!!(泣)」
漆黒の瞳をしばたかせて、カイルは―――腰に号泣しながら抱き着いてくる少年をグイグイと引き離しながら―――そう答えた…。
「よっしゃーー!サンキュな、ぜっっったいっ!クルガンの野郎をギャフンと言わせるまで帰らねぇぞッ!!」
途中で、目的がずれたらしい。まあ、痴話喧嘩と言う物は、大抵そうだろう…。
ガッツポーズをしながら、シードは当初とは掛け離れた(それほど離れてもいないが、)野望に燃えた。
「行かないで下さいーーーーーーーーーーっっ!!(泣)もう寝起きに悪戯かましませんからーーーーーっっ!!!(泣)」
「離してっ!(怒)―――――それで…どうするんですか?」
ちなみに、この2人は何故揉めているかと言うと…朝起きた時の話だ。
『カイルさん起きて下さいーv』
ちゅーvといつも通り(?)カナタはおはようのほっぺちゅーvをかました。
そこまではよかったのだが、場所がやや悪かった。そこはカイルの性感帯だったらしいのだ、耳に近く、首に近く、項に息がかかる程のポイント。
『ん、んんっ…』
ビクリと震えるような反応を示し、朝っぱらから(鼻血を噴く程の)艶っぽい声…
一気にカナタのボルテージが上がる…。とどめは――――…
『…カナタ?』
(寝ぼけている)うっすらと目を開けて、小首を傾げるような動き。
アウトだった。
『カイルさーーーーーんっっっっ!!!!!好きですーーーーーーっ!!!!』
『!?』
がっばあ!!―――と、押し倒され、カイルは朝から大変な目にあったのだった。
―――まあ、そういう話は置いておいて、カイルの問いかけにシードは答えた。
「ん〜とりあえず暇だからぶらぶらしたいんだけど、暇なら付き合ってくれるかカイル?」
「はい、」
「暇じゃないですーーーーっっ!!(泣)」
ちなみに、カナタの正しい言い分は、カイルの放った棍の一撃で却下させられる事になった…。
「じゃあ行くか〜っ!」
「そうですね…」
カイルさーん!との叫び声が空しく辺りに響き渡る…。
「しくしくしくっ…ううっ…カイルさ〜〜〜んっ…(涙)僕が悪いんじゃないんです〜〜〜っ本能がーっ!理性がーーーッッ!」
途方と涙にくれながら、カナタは2時間程床を涙で濡らす…。かなり立ち直れないらしい。
そんな時…一人の男が姿を表した。予想もできるだろうが、そう銀髪のあの人。
「失礼、カナタ殿」
「う”うっ…?」
かけられた声に、少年は顔を上げた。聞き覚えのある声だったのだ。
その主はすぐにわかった。
「…クルガンざん…おじさしぶりでず〜〜…」
「シードはここに来ませんでしたかな?」
鼻水を垂らした同盟軍リーダーの姿にも動じず、クルガンは単刀直入に用件を告げた。
その言葉に少年はピクリと反応を見せた。
そう…シードさえ来なければカイルは後10分程で泣き落とされてくれたであろう。
シードが来た為に、自分とカイルは2時間もバラバラになっているのである…。
少年は逆恨みと言う感情で見事に復活した。
「来ましたよ、ついでに僕のカイルさんを連れて行ったんです!―――一緒に探しませんか?」
「…是非、そうさせてもらいましょう。私一人では、この城を歩くのに多少差し障りがありますゆえ、」
にこ〜と小悪魔微笑を浮かべる少年に、鉄仮面的表情な大悪魔…
ここに恐るべき闇が噴出した…。
「大体なー!人の話を聞かないクルガンの方が絶対悪いっ!!」
オレは悪くない!と力説するシードに、カイルは首を縦に振るだけで、曖昧に相づちを打っている。…まあ、確かに原因を聞いてしまえば、良識ある人物ならば、そうするしか出来ないのだが…
「アイツが謝るまで絶対オレは帰んねーーーっ!」
ついに断言までしたシードだ…。
「………(汗)」
ため息を零すカイルだが、特にシードを説得する気はないらしい。
ふいにシードを見上げて首を傾げる。
「それで…これからどうするんですか?」
すでに色々と城内を見回った為(遊んだとも言う)の、このセリフだ。
「ん〜…客室ってあるか?」
「…こっちです、」
にっか〜☆と笑って言ったシードだ。無論、泊まる気満々らしい。それに、カイルは先立って案内をする。
…勝手に敵側の将軍を泊めてもいいのかと言う感じだが、まあ今さらだろう。カイルも、一応トランに帰る事はしないようだ。カナタの謝り攻撃が多少影響あるらしい。
「ふ〜…落ち着くなーv仕事もなんもねーし。」
ベットに転がってのシードのセリフだ。というか、元々シードは仕事はしていない…。
カイルももう一つの開いているベットに腰を下ろしているが、…何やら落ち着かない様子だった。
「?どうかしたのか?」
「いえ…そろそろ…」
カナタが復活して追いかけてきそうだとカイルが言いかけた時…
「カイルさーーーーんッ!!どこですかーーーーーーっ!?クルガンさんも探してますよーーーっ!?早くシードさんと一緒に出てきて下さい〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!!」
「げ。」
「………。」
小さく呻き、嫌そうな顔をしたシードは、反射的に起き上がり、素早く決断を下した。
珍しく判断が早い。
「カイル!隠れるぞっ!!」
「え…」
――――その判断が正しいかどうかはわからないが…
しかし、隠れると行っても、この部屋にあるのは隠れられそうにない調度品類とベット。窓もあるにはあるが、高さ的に逃げ出すのは危ない。残るのは衣装箪笥で――――…
「よし!タンスに隠れるぞっ!」
「はい、(でも、見つかったら逃げられないような…;)」
――――――数分後、カイルの勘は当たる事となる。
『かくれんぼみたいだなッ!』
『そうですね…』
衣装を押し退け、何とか入り込んだ2人は、ひそひそと小声で話し合う…。
「あれー?おかしいですねーこの辺だと思ったんですけどーーー…」
ガタガタと捜索する音と、カナタの声が聞こえて来る。しかし、それも数分間やり過ごすと遠くなって行き、最後にはバタンと扉の閉じられた音が聞こえた。
『よし!絶対にやり過ごすぞ!』
作戦がうまくいき、シードが意気込んだその時―――――――ギィッとタンスの戸が開いた。
「「「…………」」」
三者三様の沈黙が満ちると、目前に立ちふさがるクルガンは、あっさりとシードを大根を引っこ抜くように(例えが悪い。)タンスから引っぱりだした。
そして、シードが騒ぐのも気にせずに、カイルを見ると、黙って一礼してドアを締めた。
「………(汗)」
一体ここに閉じ込められて、どうすればいいのだろうか?;とカイルが考え込んだ時、ふいに背後―――壁なはず―――から気配がした。それを感じ取った瞬間、カイルはすでに抱きすくめられていた。
「―――っ!?」
「ふふふふふ…舐めないで下さい、だてに城中に隠し通路を作りまくってませんよ〜…v」
「んんん!?」
背後から現れたのは、ただいま喧嘩真っ最中なはずの少年だった。その少年に片手で口を塞がれ、残る手は拘束しつつ服の中に手を突っ込んでいる。
…そんなカナタの行動は、もは、反射的な本能(?)らしい………。
「ん、んんっ…!!」
「ふふふふふ!さあカイルさん!このままクルガンさんとシードさんのじょーじ!を見ながら僕にりょーじょくされるか、大人しく僕に連行されるかを選んで下さい。」
すでに服の中の手は、怪しい動きを見せている…。
「んん……」
―――とりあえずカイルは、「後者」を選び、大人しく力を抜いた。
「―――――さあ…カイルさん、」
それがカナタに伝わったのか、にやりと不敵な笑みを浮かべた…。そして―――…
「思う存分謝り倒しますからねっ!(本気)」
「………………。」↑な所が、嫌いになれない理由なカイルさん。
「って!何すんだよっ…!」
ぽいっとベットに投げだされ、今にも噛み付かんばかりにシードはクルガンに食って掛かる。
「………」
「なっ…なんだよっ!謝るのはクルガンの方だからなっ!オレは絶対に謝らねぇぞっ!」
「…本当にそう思っているのか?」
「うっ……!;」
じぃ〜〜と無言で凝視され、さすがのシードもぐっ!と詰まった…。そう、確かにもう何が原因で怒っていたのかも思い出せないのだ。
自分は悪くないと思う反面、悪かった気も…と様々な葛藤がシードの心中で行われているのだ…。
「………(滝汗)」
「………そうか、」
ヘビに睨まれたカエルのごとく、シードが大人しくなると、クルガンが何やら納得したように呟いた。
「では、反省の色を見せてもらうか…」
「結局それなんじゃねーかーーーっ!!!!!(怒)」
あれよあれよと、脱がされるシードである…。どうでもいいが、敵の本拠地の真只中でこんな事をしていていいのか?
「あぁ…っやめっ…」
「やめていいのか?」
一体どうやったのか、とてつもなく脱がしにくいはずのコートと上着、それに下まではだけられ、逆にシードの方が中途半端に脱がされた衣装の為に身動きがとれなくなってしまっていた。
「うぁっ…!」
しかも服の間を縫って入り込んできたては的確にシード自信の敏感な箇所を責め、乾いた感触の手の平が、シードの出した液を絡めて濡れた音を立て始めている。
「っ…!」
濡れた音と、与えられる刺激に、体は素直に反応を示していた。
その事を知ってか知らずか、クルガンは耳元で低く囁いた。
「イくか?」
「ひッ…」
言葉と同時に与えられた強い刺激に、シードの身体は痙攣したように跳ねた。
…強い快楽の後に訪れた倦怠感に、シードはぐったりと身体をベットにしずめるが、その隙に両足から縺れていたズボンを抜き取られた。―――この後に何をされるか、シードにはわかっていたが、もはや抵抗する気はなかった。
「………」
「、」
そんな姿を見て、男は笑みを浮かべてシードに口付ける。
侵入して来た舌に初めは答えなかったシードも、その動きが熱い物になるにつれて、自らも反応を見せ始めた。
「っぅ…ん、んっ…!」
くぐもった声と濡れた音が響く中、シードの体内に滑った指が入り込む。
一本、二本…と増やされ、奥まった所にある快楽を刺激される中、次に来るはずの刺激を求め、シードの腰が誘うように浮き上がる。
「クルッ…ガン…!もっ…」
ヒクッ…とシードの咽がなった。
「いいのか?」
「早くっ…ろって…っ…クルガンッ…」
次の瞬間に押し入って来た激しい熱に、シードは再び白濁した液を放ち、相手の収まる事のなかった欲情に泣かされる羽目になったのだった…。
「――――――…」
身体が痛い。
特に在らぬ所が痛い。
本当にこれでオレが悪かったのか?
…シードは考えた。
結論は、
オレは悪くない!
「オレは悪くねーーーーーーっ!!!!!クルガンのバッキャローーーーーッッ!!!!!」
枕に顔を伏せて、拗ねていたシードは寝て体力を回復した為か、(気絶していたとも言う)元気良く起き上がり、何処ともなく走り去って行った…。
それに対してクルガンは…
「……やれやれ、」
困った事だと、と肩を竦めてみせた…。
「カイルーーーーー!一緒に遠くへ逃げるぞーーーーーっっ!!(怒)」
「Σえっ!?;」
「ああーーーーーっっ!?僕とカイルさんの甘いピロートークタイムをーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!!」
…この後、再びクルガン&カナタ少年のスペシャルタッグが組まれて、2人を追跡した事は言うまでもない……………
―――以下、エンドレス。
えんど。
クルシーの書き方忘れまし、た…;(吐血)
こそこそと退場してゆきませう…(汗)