眠れる森の美女 〜美男の間違いでは?〜

 

昔々ある所にそれはそれは仲睦まじい王様と王妃様がおりました。

 

「やあ、ジル」

今日も夜半に王様が王妃様の部屋へやってきました。

しかし、王妃様は窓枠のへばりついたまま、繰りかえらずに冷たく一言王様に返事を返しました…。

「あなた?私、今とても忙しいんですの」

「また覗きかい?君も飽きないね…」

呆れたように言う王様に王妃様は一旦双眼鏡から目を離し、にっこり微笑んで言いました。

「あら、美男子同士の夜の営みを暖かく見守るのは乙女の義務ですわv」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

何か言いた気にしていた王様でしたが、言っても無駄だ、という結論に達し、力なく頭を垂れます。

「ああ、私にも息子が欲しいですわvvv」

(生を間近で観察できるかもしれませんしv)

 

その王妃様の願いは叶い、翌年、玉のような男の子が生まれました。

「やりましたわ、あなたvvv」

「うん、良く頑張ったね!後継ぎができて良かったよ…」

しみじみと言う王様。思うことがあるようです。

その日、国を上げてのお祝いがなされました。

大臣に貴族そして、魔法使いが皆それぞれの贈り物を持参し、この王子の出生を祝いました。

しかし、そのお祝いの席に呼ばれない人がいました…。

「何故この俺が呼ばれんのだ!!!!!」

あまり・・・いや、かなり評判の良くない魔法使いルカでした。

「だって、お兄様に目をつけられてしまっては困りますものv」

王妃様とこのルカは異父兄弟で仲が良いのか悪いのか…妙な所で意気投合している部分があるのですが、今日はそれが裏目に出たようです。

魔法使いルカの好みは王妃が一番良く知っています。

この王子はまさにルカの好みに当てはまるであろうと察した王妃はルカをわざと呼びませんでした。

しかし、国を上げてのこの騒ぎに気付かないはずもなく、ルカは招待されなかったことに対して怒り、こともあろうことか、王子に呪いを掛けてしました…。

その呪いとは…。

「その王子は絶対に同性と結ばれることはない!!そして、若いうちにぽっくりあの世逝きだーーーー!!!!!」

笑いながら去って行くルカ…。

その言葉に王妃は泣き崩れました。

「そんな!!!!!私の楽しみがっ!!!!!!!!」

一体何を期待していたのやら…。

「ジル・…」

王様も悲しみました。

理由は違うとはいえ、二人ともルカに掛けられた呪いを解いてやりたいと思い、その方法を周りの魔女に聞きましたが、知っているものは誰もいませんでした。

「及ばずながら僕らの魔法で、死だけは逃れられるように死の呪いの呪詛をを眠りの呪詛にかきかえておきましょう」

そう、名乗り出たのは最近この近くに越してきたカイルとカナタであった。

「あははvでも結局呪いだったりしてvvv」

「『死』だけは逃れられるのですね…では、この子は王女として育てましょうv名前は…『シード』が良いですわ♪」

こうして、王子は王女として育てられることになりました。

 

こうして、十数年の歳月がたち、王女として育てられた王子はすくすくと美しく成長しました。

深紅の髪、深紅の瞳に透けるような肌の白さ、桜色の唇。

その容姿の美しさはこの国ならず、近隣諸国にまで知れ渡りました。

「ふあぁあぁ〜〜〜あ、毎日毎日退屈だな…」

ただ、あまり上品でないのが、難点やも知れません…。

「何か面白いことでもねぇ〜かな〜」

城内を散歩と賞し、ぶらぶら歩き回る王女様は聞きなれないある音を耳にし、その音に引き寄せられるかの様に城の隅にある塔の階段を上っていました。

 

「おお、お前がシードか…」

塔の最上階には、シードが見たことのない魔法使いが糸紡ぎをしていました。

「ん?そうだけど…あんた誰???」

「俺か?俺のことはルカ様と呼べ!!様までちゃんと付けろよ!!」

糸を手にしたまま威張り散らす男を不信に思いつつも逆らうと後が怖そうなので、王女様はとりあえず本人の希望通 り呼ぶことにしました。

「で?ルカ様はこんなところで何してんの?」

「おお、そうだ、お前に糸紡ぎというものをさせてやろうと思ってな!!!」

「遠慮させていただきます…」

即答する王女様にルカは気にした様子もなく笑って言葉を続けます。

「わははははは!!!!そうか!!やりたいか!!!最初だけだ、痛いのは!!!!!!」

「ちょっと待て!!俺は断ったじゃねーか!!!しかも痛いってなんだよ!!!!!なんかめちゃくちゃ怪しいぞ!!!」

「わははははは!!!!!気にするな!!!!!」

っぶっすぅ ルカは王女様の細い手首を掴むと糸紡ぎ機に思いっきり突き刺しました。

「いっっっっってえええぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」

「わはははははは!!!!死ね死ねぇ!!豚は死ねぇ!!!!!」

「うううっ……」

指を押さえたまま、王女様はその場に倒れこんでしまいました。

「…しかし、もったいなかったか?」

倒れた王女様を見てルカは呟きましたが、すぐ、興味をなくしたようにその場を立ち去りました。

 

こうしてシード王女は寂しくないようにとカイルの掛けた魔法により眠らされた城の者と共に永い眠りについたのであった。

 

国一つ、突然機能しなくなる事態に異変を感じ取った多くのものが王女様を救おうと腕に覚えのあるもの達が数多く城の調査にやってきましたが、皆、ことごとく、あのルカに返り討ちにされてしまいました。

そんなある日、たまたま城の前を通りかかったある国の王子を、二人の魔法使いが呼び止めました。

王女の呪いを死から眠りに変えた魔法使いカナタとカイルでした。

「こんにちは〜クルガンさん♪」

「こんにちは」

「あなた方はこの付近の魔法使いですね?何故私の事を知っているのですか?」

「あはは〜、魔法使いに分からないことはありません〜〜〜v」

適当なことを答えているのはカイルの引っ付き虫カナタです。

「あなたの運命を左右する御方がこの閉ざされた茨の城の中にいます」

真面目なカイルはまっすぐクルガンの瞳を見据えて予言を告げます。

「運命を左右する者…?」

「このお城には100年間眠り続けている王女様がいます…」

「あはは〜、どんくさいですよね〜v悪い魔法使い罠にまんまと引っかかってるんですよ〜♪」

「カナタ!!」

慌ててもう一人の魔法使いが諌める。

「てへvすみません、カイルさんvvv思わず口から出ちゃいましたvvv」

全く悪びれた様子もなく、カナタと呼ばれた魔法使いが素直に謝ります。

「で?私にどうしろと?」

「王女様をアッツ〜〜〜イキッスで起こしてもらえれば良いんですvvv僕には関係ありませんがvvv」

「カナタ・・・・・・・」

じと目でカイルがカナタを睨みます。

「だって、僕は王女のことよりもカイルさんと愛を育みたいですからvvv」

「・・・・・・・・・・クルガンさん、触れるだけでも目覚めますので・・・」

最早何も言う気力がないらしく、王子もといクルガンにそう告げると足早に立ち去っていってしまいました。

「ああぁあぁぁ〜〜〜カイルさ〜ん!!待ってくださ〜〜〜い!!!!!!」

その背を追い、カナタもどこかへと走り去って行きます。

その場に残されたものは・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ぶぅぶぅ・・・」

一匹の子豚だけでした。

 

クルガンはとりあえずお城に向かうことにし、馬を走らせると後ろから例の子豚がついてきます。

仕方なく、子豚も連れて、お城に向かいました。

 

「わははははははははは!!!!!よく来たな!!俺がこの城に呪いを掛けた魔法使いだ!!!!!」

茨の道、開かずの扉、ドラゴンと難なくクリアーしてきたクルガンの最大の難関の登場であるかの様に見えましたが…。

「むっ!!!!!豚!!!!豚は死ねえええぇぇぇぇ〜〜〜〜!!!!!!」

クルガンの連れていた子豚が何処かへ駆け出すと同時にそれを猛スピードで追いかけて行ってしまいました。

「何だったんだ今のは…」

表情を変えないまま、一人取り残されたクルガンはそう呟きました。

剣に掛けられたままの手が虚しく見えます。

 

大広間らしき所に入ると真中に寝台が設置してありました。

その寝台に、誰かが横たえられています。

クルガンは罠がないことを確かめると、そっと、その寝台を覗きこみました。

そして深紅髪を辺りに散らばせて眠る王女様を見て、クルガンは思わず息を呑みました。

「これはなかなか・・・・・」

そう言って、クルガンは王女様の顎を取ると口付けました。

「ん・・・・んんっ!!!!!」

優しい魔女が触れるだけのKISSでも目覚めますよ。と言っていたのにもかかわらず、クルガンは王女様に深い口付けを送りました。

目覚めたばかりで自分の置かれている状況が分からず、抵抗しようとした王女様でしたが、両手を一纏めにされ、抵抗らしい抵抗はできませんでした。

「はっ・・・ぁ・・・あんた誰だよ……」

長い口付けに瞳を潤ませた王女が尋ねると、クルガンは薄く笑って自己紹介を始めました。

「ふむ、私の名はクルガン、お前の運命の相手らしいぞ?」

「な、何だよ!!??それ!!!!!」

「名前は?人に名乗らせておいて自分は名乗らないつもりか?」

「いや、別にそういうわけじゃ、俺はシードっていう・・・・・・って名乗る前に人にキスする奴が言えた義理か!!!???」

もっともなシードの意見も、クルガンの一言で、粉砕されてしまいます。

「しかし、口付けを送らねば、お前は眠ったままだったのだぞ?」

「うっ!!」

「というわけで、私はお前の恩人だ」

「・・・・・・・・・」

腑に落ちない表情でシードが睨みつけるとクルガンは続けて言いました。

「恩人は何か礼をしてもらわねばな…」

そう言ってドレスの裾から手を侵入させ、シードのすらりとした脚をなぞり、下着を剥ぎ取りました。

「ちょっ!!!!冗談じゃねぇーーーーーー!!!!!!」

「良くしてやるから心配するな」

 

シードの叫びも虚しくあっという間にシードは裸に剥かれ、クルガン自身を受け入れていました。

「あっ・・・・ふ・・・・やっ・・・・・・・」

クルガンが腰を打ちつけるたびにシードの口から絶え間ない嬌声が漏れます。

その動きが激しくなると共に、シードの嬌声もより一層鮮やかになります。

「くぅ・・・はっ、ああ!!んふ・・・・・ぁ・・ん・・・・・・」

淫らな格好をとらされていることも手伝い、喘ぎ声は自分でも押さえられないものとなっていました。

「ん・・・ああああっぁぁぁぁぁぁ!!!!」

中に放たれたクルガンの熱さにシードは一際甲高い嬌声を上げました。

その時――――――――――

「う〜ん・・・うるさいな・・・・あっ・・・・・」

周りで眠っていた人々が目覚め始めました。 人々が多く眠っていた広い広い大広間。

その中心に設置されている寝台。

その寝台の上で行為の真っ最中の二人。

シードはあまりにもあまりなこの状況でただただ呆然とクルガンにされるが侭になるしかありませんでした…。

 

                                              END

 

あとがき

4000キリリク『パラレルクルシー』ということで、『眠れる森の美女』を題材にしてみたのですが…。

ミヤビ様、これで良かったのでしょうか???(汗) 相変わらず文章力のない奴です…。

しかも、オチがこれまた…。(爆死)

今回珍しく(←悲しい…)濡れ場が少ないです…。(^−^;)

この話、私的には気に入っているのですが…。(原作の反対っぽくって…)