愛ゆえの暴走大会!!
真っ暗な舞台、出し物が始まる前なのだろう辺りはざわめきに満ちている。
――――――暫くしてステージ場に1人の少年が現れた………。
少年の名はカナタ、―――同盟軍リーダ……………………のはずだ。
「第一回暑さ我慢比べ大会〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
イエーーーーーー!!
マイクを手にカナタが叫ぶと同時にライトが四方から舞台を照らす。周りからノリのよい掛け声が今回巻き込まれなかった人々の口から放たれる。自分さえ巻き込まれなければこの手の企画は楽しいものだ………。
「優勝したいですかーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「オーーー!!!」
「ハイランドに行きたいですかーーーーーーーーーーー!!!!(?)」
「オーーー!!!」
そんな事で時間を潰しているが、今回つっこむものは全員参加選手として捕獲されてしまっているので誰も止められない。
「早速第1回暑さ我慢比べ大会を開催しま〜す!!!参加選手はそこらで強制的に拉致した―――――じゃなくて、好意で快く役目を引き受けてくれた人々です〜〜〜〜〜〜vvv」
にこ〜vと笑って取り繕うが、前者と後者どちらが真実かは言わずと知れるだろう。
―――背中に何か黒い羽でもみえそうだ。
「第一関門はv『地獄の灼熱風呂60秒耐久』ですっ!!さあ!レッツトライです!!」
ババーンと煮えたぎったドラム缶風呂を舞台に運び込む、入ったならば美味しい鍋になりそうな程グツグツと煮えたぎっている…。
カナタは、それはそれは楽しそうに暇つぶしをしている。はずだったのだが…………
「カナタ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!ストーーーップよっっ!!」
どんっ!―――――ドボンv
「あづ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!」
舞台裏から登場してきたナナミに背後から押され、灼熱風呂へダイブイン。
思わず小さくガッツポーズをとってしまうメンバー達。まあ、ムリのない事だろう………。
あわあわと溺れながらも、カナタはなんとかドラム缶から顔を出すと自らを熱湯の中に叩き込んだ義姉の顔を涙目で見る。
「ナナミ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」
「だってお姉ちゃんも司会やりたいのよ!だからカナタは参加するのっ!」
ビシイッと言い切り、カナタの手にあるマイクを奪い取る…。この姉弟はどっちもどっちの性格だろう。
カナタが当然のように『じゃあ一緒にやろっか!』と言い出す前に、ナナミが後ろからとある賞品(?)を取り出した。
「じゃじゃ〜〜〜〜んっっ!!優勝者にはなんと―――」
「ああっ!カイルさんっ!!?」
今回は暑くなりそうだからと言う理由から、巻き込まないようにしていたはずの人物にカナタは驚いた表情になる。
「そう!カイルさんから祝福のキッスがもらえるのよーーーーーーー!」
「…………」
ナナミに引き連れられ、カイルは黙って後ろに立っている………またもや押し切られてしまったのだろう……。ため息などをついている、
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜――――っ!絶対優勝しなきゃダメですね!!」
キュピーーーンッ!と、目が煌々と輝いてかなり無気味な様子だ。ついでに言うとかなり血走った目をしている。思わずカイルが後ずさった程だ………。
「あとーー、やっぱり優勝者以外何も無しって言うのはダメよね!他の人はナナミちゃん特製プリンを参加賞としてプレゼントよ!!」
ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
心からの悲鳴が参加者から上がる。
恐怖の生命体プリント少女のようにかわいらしいトランの英雄からのキッス、選べと言われれば誰でも後者を選びたいだろう…………。
俄然志気の上がる選手達だ………………………
「あ、カナタ。60秒経ったわよ!合格ね!!」
「―――ほへ?」
ようやくカナタは、自分が煮えたぎる湯の中につかっている事に気付いたらしい………
無論、即行で悲鳴が辺りに轟いた。
「トウタ、火傷の薬と腹痛の薬を!!」
「はいっ!!」
どたばたぱたぱたと舞台裏と外とを走り回るホウアンとトウタ、―――かなり負傷者が出ているようだ。
「暑いです…………」
しんしんとストーブの上のやかんから蒸気が上がっている。
もわっとした空気の中、身体中に湯たんぽを付けられ、その上から毛布と座ぶとんとどてらを被せられたカナタだ…………見ている観客達もあまりの暑苦しさに、服をくつろがせている。
「いやマジ死にますよ、」
「えーでも、カナタが書いてたメニュー通りのやつなのよ〜?」
「そんな事オレらだけにやらせるつもりだったのかッッ!!」
生き残ったものたちからかなりのブーイングが飛んでいるが、カナタはいっこうに気にしていないようだ………。
「カナタ!がんばるのよ!!お姉ちゃんはカナタを応援するからね!!」
「…………」
もはやナナミは暑さで訳のわからない事になっている……。
少し目が虚ろになったナナミは、指をぱちんとならす(フリだけ)
「ハイ・ヨーさんーーーーー!!」
「はいよ〜〜〜〜!注文の灼熱うどんセットお待ちヨ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
どこからか現れた水着姿のハイ・ヨーが、土鍋を手にやって来た
「その恰好でうどんを食べるのよ!!」
「愛の証明ですね!!」
もはや熱で頭がイッてしまっているらしい………が、この部屋にいる者自体暑さでおかしくなっているので誰も変に思う者はいなかった、それどころかなぜか感動で涙を流す者さえいた……………。
そして、カイルはと言うと、
「…………」
誰も気付いてはいないが、暑さで脱水症状を起こしかけていた………。
―――――ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
「ふひほふぁひほはへへひゅ!!(コレも愛のためです!!)」
顔を真っ赤にして、うどんをすするカナタ少年。
普通はそんな恰好でそんな物を食べれば、戻してしまうだろう…………そう、周りで鼻からうどんを出して伸びている者達のように………………
――――――――全滅。
全員が倒れ、カナタ1人がうどんの汁をすすっている。
それでは、カナタが優勝者なのだろうが――――――――――
「次よ〜〜〜〜〜〜〜!!次の種目に行くのよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「カイルさんのためなら、熱湯の一気も出来ます〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
暑さで壊れた2人はそれくらいでは止まりそうにはなかった…………………。
薄れ行く意識の中、カイルは『あいってぼうそうするもの…………?』と壊れた思考で考えていた。
「軍師殿ーーー!!!大変です――――――――!!」
「なにいっ!?」
「こんどは何をやらかしたかーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!」
がったーんと扉を蹴り壊して乱入したシュウだが、すぐに後悔する羽目になった。
その心は、『いっそもう少し放っておけば、楽になったかもしれん………』だ。
この日、脱水症状を起こしたメンバー達の看病で、ホウアンとトウタは大忙しだったそうな…………。
終わっちゃいます…
すみません………(汗)
あんまり我慢大会っぽくないです……。
全然文上達しません……(滝涙)
もう、切腹して詫びましょう(泣)