お盆でボン

 

ここだけの話なんですケド………カイルさん『見える』人らしいです。―――色々と……。

だからお盆とか大変なんです。―――――いえ、カイルさんじゃなくて、周りが…………(K君談)

 

 

お盆。それは、一言で言ってしまえば、死んだ人が帰って来る日。

まあ、そんな日でも全くおかまいなしに元気に走り回っている少年がいた。

 

「カイルさーーーーーーーーーーーんvvvvv遊びに行きましょ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!デートデートデートです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜vvvvvvvvvvv」

ばったーーーんっっと扉を吹っ飛ばし勢いよく駆け込んできたまではいいが、カイルの姿を見た瞬間カナタは固まってしまった。

カイルは椅子に座って、ジ〜ッと窓の外の景色を見ていた……………ただそれだけなのだが、カナタはその姿に『天井やある一点の何もない空間を凝視している猫』の図を思い浮かべてしまったのだ………。

 

「カナタ?」

 

どうしたの?とカイルから声をかけられ、カナタは『まさかねっ!!』と気を取り直しいつも通 りに100パーセント子供スマイルを浮かべカイルに光速で抱き着く。

「なんでもないですーーーーーーーーーーーvvvvvvv」

スリスリと思う存分擦り付けて満足げだ。

「そう言えば、カイルさん何見てたんですかーー?」

カイルの肩の上から窓の外を覗くが、特に変わった景色ではない上、人影一つない。

自らの不安を取り除くためにそんな事を聞いたのだが、それは大きな間違いだった………。

 

「ん………やっぱりお盆は帰って来る人多いなーって思って………」

ぼうっと何もない所を見つ、そんな事を言うカイル。

 

1拍

 

「何が誰がですかーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!????」

ぎゃーーーっと聞いてはならない事を聞いてしまい混乱するカナタ少年。まあ、仕方のない事だとも思うが、もう少し頑張れ。

「え?亡くなって戻って――…」

「言わないで下さいーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっっ!!!!!」

「!!?――――っんぅーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!?」

コレ以上は聞きたくないですーーーーとばかりに、ガシイッとカイルの顔を固定し噛み付くように口付ける………。混乱しているというかなんというか…………。

 

-間-

 

「……………」

カイルはヒリヒリする唇を押さえつつ、

「カイルさーーんっっ城の中でデートしましょうっ!!」

カナタはズキズキするたんこぶを押さえつつ、部屋から出てゆく。

 

 

「カイルさん急にそーいう事言わないで下さいよーーーーーーっっ(泣)」

手を繋いで、てくてくと城内を歩く2人。仲は良いようなのだが…………………………。

「そう言われても………あ、カナタ、」

「なっなんですかっっっ!!?」

ふと自分の足下を指差したカイルにカナタはビクッとする。かなりの恐怖らしい。

「踏んでる………」

「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」

『ナニを』かは絶対聞きたくなくて逃げまどうカナタだが、ここの城は元々かなりの死人が出ていた場所だ………避けても避けてもいる事は間違いないだろう…………………。カイルもその事はカナタに告げなかった。

最終的にカイルに抱き着いて発作は収まったようだが、あんまり解決にはなっていない。

「この時期は賑やかだから、楽しいよね〜v」

「あh〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(楽しくないですけど、カイルさんに抱きつけるのは役得ですか〜〜〜〜〜〜???)」

 

――――――このままでは城内のデートすら出来そうにないと、カナタは意を決してコレ以上被害がでないようにガンテツを捕獲して、お盆の儀式(?)をやってもらおうと心から思った。

 

「カイルさん!」

「?」

キッと真面目な瞳をカイルに向ける。

「ちょっとガンテツさん呼んできますから!ここ動かないで下さい!!」

「うん…?」

「カナタ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

ホッと息を着いたのも束の間、新たなトラブルメーカーの登場だ。

「はうあっ!!(まずいです!このままだとまた!!僕がひどい目にあってどひゃ〜なワンパタなオチになってしまいます!!!!絶対に阻止しないと行けません!!)」

そして、大きな木箱を手にこっちにかけてくるナナミを見据える!

「カナタカナタ〜〜〜〜!あのねーテツさんがお風呂掃除するからコレちょっと外に出してろ〜って受け取ったんだけど、中身なんなのーーーーー???」

「はうあっっ!!」

お風呂そうじ→邪魔→セットしてあったのろい人形。

この図式が、頭の中に浮かび、カナタはかなり慌てる。今こんな時にカイルと呪われたグッツなどを近付けたら何が起こるかわからない。

ナナミを止めようとこっちからも走りよるが、もう一歩の所でナナミが何かに躓く………

「あっ」

「危ないーーーーーーーーっっっっっっ!!!」

 

ズザザザザザザザザーーーーーーーー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

寸での所でキャッチする。―――が、ワンパターンかしてきたオチはそんな事では変えられようがなかった……。

 

「ふ〜〜〜セーフですーーーー。」

「カナタすご〜〜い!!」

パチパチと拍手を送る呑気なナナミだ。

「カナタ、大丈夫……?」

「はいっ!大丈夫ですvvv」

カイルが心配して近づいたその時、木箱の蓋がぽろりと落ちた………。そう、中身ののろい人形はカイルの足下に転がった。

 

「あ、のろい人形v」

 

嬉しそうなカイルの声とともに、のろい人形の目が怪しく光を放つ………。

――――― 辺りが怪しい光に包まれると、謎の浮遊物がカナタ達の目にも見えるようになった………。

そう、どう言った訳か、化学反応か(?)お盆とのろい人形とカイルの効果からきたと思われるが、それ以上は不明の現象だ。

 

 

カナタ+ナナミの絶叫が城中に響き渡る…………………………………。

 

 

 

 

 

 

「茄子ときゅうりに割り箸刺しましょう〜〜〜〜〜〜↓」

「うん」

ナナミは医務室に運ばれていったが、カナタは根性でなんとかカイルとのデートを続けたらしい………。

ほのぼのとした空気の中、カイルと作業しつつカナタは思った。

お盆って恐ろしい物ですーーーーーっっっ!!

―――――と、そんなことを確信してしまったカナタ少年15の夏(笑)の事だった………………………。

 

終わります〜