僕らはみんな生きている!―――転んでも落ちてもねv
『カイルさんvカイルさんvvここ見晴しが良くて気持ちいいですよねvvv』
『そうだね、』
4階から見る景色は確かに綺麗だった。
『はっ!カイルさん!!危ないですっッ!!!』
『!?』
唐突に押され、最初は何が起こったのか理解できなかった………。
『ムムーーーーー!!』
『ふー危なかったです。もう少しでムクムクがカイルさんに飛びつく所でした!―――あれ?カイルさん?カイルさん!?』
それが4階から落ちた時の、最後の記憶だった…………。
「軽いねんざですね、しばらく動かなければすぐ良くなります。」
「ありがとうございました」
ペコリと頭を下げるカイル、足にはシップが貼られているだけで他に外傷はない。強いて言うなら、数カ所のすり傷ぐらいだ。
隣ではカナタがどよ〜んとした表情で座っている。
「なんで、4階から落ちて無事なんだ………?(汗)」
「途中で引っ掛かったし、ちゃんと掴まったから。」
カイルが怪我をしたと聞いて、わらわらと解放軍メンバー達が医務室に集ってきたのだった。おかげで、狭苦しい。
そしてその騒がしさに、ホウアンは少し迷惑そうな顔をしたが、まあ入院中の者も少ないので大目にみてくれている。
「まったく、相変わらず……それにしても」
キッと全員の視線が現リーダーに集まった。
hっとカナタは一歩下がるが、後ろからナナミが変わってそれを立ち塞ぐ。
「カナタも悪いけど!カナタを虐めたらお姉ちゃん許さないわよっ!!」
「ナナミ〜っっ」
美しき姉弟愛にルックはため息をついてそれ以上何も言わなかったが、事態はルックの毒舌攻撃よりも悲惨な事になった…………
「カナタは毎回毎回!カイルさんに怪我させるような事ばっかやってるけど!悪気は全くないのっ!!だから毎回反省しないで危ない事ばっかりやるのよ!!『カイルさんを守る』っておっきな野望も持ってるんだけど、今回だって怪我させちゃった役立たずだけど!!きっとその内多分ほどほどには守れるようにぃ〜…―――」
おいおい、それは言い過ぎだろ…というか、ナナミもそうなんじゃ………(汗)と、全員の心は一つになっていたが、カナタがついに耐えきれなくなって半泣き状態で立ち上がる。
「うわーーーーーーーーーーんっっっっっっっ!!!!!!どうせ僕は役立たずのスイカ人間(!?)なんですーーーー!!!!カイルさんごめんなさいーーーーーーっッっっっっっっっ!!!!!」
「カナタ!?」
ずだだだだだだだだだだ〜〜〜〜〜〜〜と走り去ってゆくカナタ。
本人もかなり気にしていたらしい……………。
「………………………なあ、スイカ人間ってなんだ?」
「さあな。まあ、そんなことよりカイルの回復を祈って酒でも飲むか?」
(何もなくても飲むが…)何かにつけても飲むビクトールだ。
「――――〜〜っ、」
捻挫した足で追いかけようとしたのか、カイルが足首を押さえて痛そうにしている。
「カイルさんっ!お姉ちゃんがおぶっていってあげるわっ!!」
きゅぴ〜んと瞳を輝かせるナナミだが、カイルはそれは辞退しホウアンから松葉杖を借り、カナタを追いかけた。足音からすると階段を登っていったのだろう、しかもかなり上の階に。
「うーんお姉ちゃん両方とも心配よ!」
「アレでエレベーターまでたどり着けるのか?」
「いや……たしか、アイツは昔からエレベーター使うのが嫌いだったような……………」
あの足で階段を……?まさか、な……。
「っ……しょ、」
松葉杖で階段を登るのは、無謀だったかも………などと思いつつもカイルは片手に松葉杖を抱え、片足で階段をなんとか登ってゆく。生理的にエレベーターが苦手なのだ…。特に、『2』の……
「hhっ…最近ずっと泣いて走りっぱなしのような気がしますっついでにギャグ小説で怪我するなんてありなんですかぁ〜〜〜?(泣)」
しくしくと男泣きになくカナタ少年だ。少年の持論として男が泣いていい時は、財布を落とした時と箪笥の角に小指をぶつけた時と、カイル関係の事だけと決めているらしい。
「カイルさ〜〜〜〜ん。わざとじゃないんですーーー」
「わかってるから……」
「はうあっ!?」
まさかと思い、後ろを振り返るとそこには松葉杖をついたカイルの姿があった。
素足の包帯がカナタの目には痛々しく映り、良心(あるのか?)がチクチクと痛む。
「カイルさんっ」
カツンカツンと石畳がなる、ぎこちない動きで松葉杖を使っているがなんとかカナタの元へ来れたようだ
「怒ってないから、」
「でも僕はカイルさんを奈落の底へまっさかさまで地獄の亡者がわっさわさなバイオハザードにっっ………」
「……………???(汗)」
カナタの中では、ものすごい出来事に脚色されているようだ。
「大丈夫だったから、もういいよ?」
「カイルさん…………っ」
反省してるみたいだし………とカイルは言う。
「―――じゃあっ!怪我が治ったら、またカイルさんに思いっきり抱き着いてもいいんですねッ!?」
「…………治ったらね、」
カイルは少年の切り替えの早さに、おもわず松葉杖を握る手に少々力がこもってしまった。
――――――かなり甘い判断だった。カイルは後々そのことをいやと言う程思い知る事になるのだ。
あんまり甘やかすんじゃなかった………―――と。
「カイルさ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んvvvvvvvvvvvv」
「カナタッ!!ここ、船の上ぇっっ!!!(汗)」
こうして、危険な愛情表現は認可されたそうな………。
少し昔の物語☆
カナタ:愛ですね!!愛ゆえの愛情表現ですね!!>目がキラキラ
カイル:…………………………(もう少し時と場合を考えてほしかった……>汗)