密室会議
「あれ?あれ?あれあれ〜〜〜〜〜〜〜〜???」
よく晴れた昼下がり。この日、同盟軍本拠地はとても平和だった…………………。
「ねえねえ、シュウさん!カナタ知らないーーーーーー!!!?」
先ほどからいくら探してもいない、義弟を案じて、シュウの元にやってきたナナミだ。
「カナタ殿なら、」
「はっ!まさかカナタがあんまりにも仕事をしないから、拉致監禁して地下室で働かせてるのねっッ!!?」
『(アイツが)そんなタマかッ!』
と、その場にいた人々は思ったが、この平和を崩したくない一心で、シュウ(胃痛持ち)はあっさり言葉を続ける。
「トラン共和国との主脳対談に出かけましたな、」
「へーーーーーーー!!カナタちゃんとお仕事してるのねっ!!さすがあたしの弟v」
「……………。」
- トラン共和国 -
「………………」
「………………」
光を閉め出した部屋の中、一本の蝋燭だけが、互いの姿を照らしていた。
――――――先に口を開いたのは、少年だった。
「――――――で、解放軍時代のカイルさんはどうだったんですかーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!?」
「いやいや、やはりそちらの近況から教えていただきたいッッ!!!!!」
…………。
「そんな勿体無い事教えれる訳ないじゃないですかーーーーーー!!!!!」
「ではこの話はなかった事にいたしましょうかッッ!!!」
「――――――――――――この城に火つけて、カイルさんのコレクションだけパクってやる……。」
「…………」
「…………」
再び静寂。
よく辺りを見回してみると、壁に『トランの英雄についての秘密会議』と書かれた紙が貼られている。
暫くして、レパントが動いた。
スッと、カナタの前に一枚の写真が差し出される。
「はっ!これは―――――!!!!!」
『入浴中』の写真。(ちなみに、撮影後レパント半殺し。)
一瞬の間。
「―――――――――当たり障りのない所で、まず味覚についてから話しましょうかv」
「ですな、」
「えーっと、カイルさん甘いものが好きですー。苦いものが嫌いですけど、食べられない事はないみたいですね。」
「うむ。味覚は変わっておられぬ様ですな。」
昔を懐かしむような目でレパントはいう。
「で、レパントさんvvv」
「なんですかな?」
「トランの英雄象下さいv」
「ダメ。」
何ごともなかったように会話は続く。
「えーーーっと、カイルさんは寝顔がカワイーです!最近朝から、ムクムクと戯れるのが日課みたいですっ!僕としては悔しい限りですーーッッッッ!!!(怒)」
「むっ、朝といえば、昔は棍の鍛練を日課として、やっておられましたな。よく、鍛練後に汗を流されて………」
「…………見たいです。」
きゅぴ〜んと瞳が輝く。
「トランの英雄象下さい!」
「ダメ!」
まだ話は続けられる。
「やっぱカイルさんといえば、一番のポイントは性格ですよね〜〜〜〜〜〜〜!!!!!あの天然が入っているよーなそうでないよーな、照れ屋で、恥ずかしがると耳まで真っ赤になる所がも〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!すんごくカワイーんですっっっ!!!!!」
「おおっ!そうですな!!!あの一撃で敵を倒すすばらしい腕前とまるで少女のような可憐な容貌!!あのアンバランスな――――――――――――――――――(以下略)」
微妙に話がずれているが、確実に2人のテンションは高まってゆく………。すでに部屋の外まで声が響いている。
「トランの英雄像下さーーーーーーいッッ!!!」
「ダメ!!」
「――――――――――――いくらカイルさんの過去を知ろうとも!これは知らないでしょう!!カイルさんの身体にあるあのほくろの位 置を〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
「なんと!―――いや!こちらにはこのカイル殿の『恥ずかしい写真』がありますぞっっ!!」
「うええええええええええええええ!?そんな写真が!?思わず同盟崩してでもレパントさん殺(ヤ)りたくなってきましたーーーーーーーーーーー!!!!!!!トランの英雄像くださいーーーーーーー!!!!!」
「ダメダメダメじゃーーーーーー!!!!!」
――――――――――――キィ…
さして、大きくもない音がした……。―――扉が開いた音だ、―――しかし、2人を沈黙させるには充分すぎる程だった。
眩しい光の中、花のような笑みを浮かべた人物がそこに立っていたのだから………。
「カイルさんカイルさ〜〜〜ん。」
「?」
全身に裂傷を負った少年は、それでも楽し気に手をつないで帰路についていた。
「結局、カイルさんの『恥ずかしい写真』ってどんなのだったんでしょーねっv」
「…………。」
その日……トラン共和国の城が炎上したという情報は、ハイランドにまで届いたという…………。