時を駆ける少年

 

証言1フリックさん

「解放軍時代のカイル…?ノーコメントじゃ……―――いや、なんだ…その………。そうだな〜…強かった、と思うぞ………。え?他にか…!?(汗)そ、そうだな……ちんちろりんが―――知っているって言われてもな…(滝汗)オレの口からそれ以上は……………」

取材人が逃亡した為、取材不可能

 

証言2クレオさん

「坊ちゃんの解放軍に入る前の事ですか?そうですね……お友達とよく遊んでいらして、毎日がとても楽しそうでしたね。―――たまに、悪戯をして御一緒に怒られていらしたりして…」

嫉妬魂により、取材不可能

 

証言3グレミオさん

「え?坊ちゃんの小さかった時の話ですか?それは、も〜〜〜〜〜本っ当に、お可愛らしかったものですよ!何か、怖い事があると、私のエプロンを掴んで離さず………そういえば、眠られる時には、いつも熊のぷ〜ちゃんを離そうとしませんでしたねぇ…え?アルバムですか?はい、ちゃんと残してありますよ―――――ああ、はい、いいですよ」

アルバムに見愡れる。(一応)取材成功

 

 

 

「む〜〜〜〜」

オレンジドラゴン軍リーダーカナタは、唸っていた。

何となく、カイルの過去について調べてみようと思い立ったのであったが、よくわからなかったのだ。というか、余計にわからなくなった。

「まあ、カイルさんだったら、何でも好きなんですけどvvv」

とか、ケロリと言いながら、バナーの村を抜け、またたきの手鏡で帰宅する。

 

しかし、とはいうものの、好きな人について全てを知っていたいと言うのが、ストーカー…もとい、人情と言うものだ。

「ム〜〜〜〜…」

ヒュッと見慣れた大鏡の前に出現する。

「あ、テレポートするの〜?」

のほほ〜んと、ビッキーが声をかけてくる。しかし、それに気付く余裕がカナタにはなかった。声をかけられた事にも気付かず、考え込んだまま唸っている。

「ム〜〜〜〜…」

「どこに行きたいの〜?」

「わかりません…」

「わからないの〜?」

「カイルさんの過去…」

「過去〜〜〜?わかった〜任せて〜〜―――えいっ!」

「へ?うわっ!?にょへーーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!!!?(汗)」

 

 

 

 

ほんの少しの偶然と、運命に弄ばれカナタは時を遡る。

全ての流れを乗り越えて、過去の戦乱へ、つかぬ間の平和へ、幼き頃へと………

 

 

 

 

 

「h〜〜〜〜〜…(汗)」

なんだか、よくわからないうちにテレポートさせられた上、着地に失敗しカナタは目を回して唸る。

「一体、ここはどこなんですか〜〜〜…(汗)」

いつまでも、そうしている訳にもいかず、カナタは倒れたまま顔を起こして辺りを見回した………。

岩場の多い草原…。目前に大きな岩がある為、見渡すのに手間取ったが、そんな所だった。

――――――――全く見なれない異質の地…。いや、どこかで見覚えのある…

 

『―――――たしか、カイルさんにどうしても(デートしたい)って行って、観光させてもらった………』

 

まさか、トラン共和国領土内にまで飛ばされたッ!?と、カナタはギャフンッ!と言った顔つきになるが、ふとした違和感を覚え動きを止めた。

近ごろでは、すっかり嗅ぎ慣れた匂い……。鉄臭さと腐ったような匂いが入り交じった空気…………それが辺りに充満していた。

「ムムッ!戦争………」

少年は、考えた。『カイルさんの過去と呟いていた事』『ビッキーのテレポート』『トラン共和国内なのに、戦争』…………。

 

ふいに、目の前が陰ったような気がした。

「―――そこにいるの、誰?」

 

聞き慣れた声、反射的に見上げる。

少年の瞳が大きく開かれた。

「―――――カイルさん!」

 

「僕の事知ってるんだ?」

 

一瞬、間が空いた後、相手はフッと笑いそう言った……

 

 

 

 

 

…………いくら、トランの英雄(現役)だとしても………いや、だからかもしれないが、あの少年の動きは予想できなかったに違いない…。

あの後、物凄い跳躍力で少年は、カイルめがけて飛びついて行ったのだ……。

勢いあまって、もう少しでカイルは頭をぶつけかける所だった。反射的に受け身をとったのだろう、なんとか無事だ。

 

「のいてくれる?」

さすがに苦しいのか、ハッキリと要望を述べた。

「あ、すいません〜〜っ!!」

パッ!と離れると、カナタはにぱ〜vと無邪気な子供らしい笑みを投げかけた。

その手は有効だったのか、飛びついた事は不問となる。

 

『やっぱり、過去に吹っ飛ばされたみたいですね…。』

 

 

 

「カナタ殿!!カナタ殿はどこだっ!?――――ええいっ!あの穀潰し軍主がっ!!

 カイル殿からも何かお言いになってはどうですかなっ!?(怒)」

「………(汗)」

もはや、聞き迫る形相をも通り越した表情のシュウにカイルは同情を覚える……。

「ビッキー!カナタ殿を見なかったか!?」

「え〜〜〜?『カイルさんの過去』に行きたいって言ったから〜〜〜テレポートしたよ〜〜〜?」

「何ィ!?(汗)」

「!?(汗)」

 

 

 

 

雰囲気がまるで違っていた……。細身の身体から放たれるオーラは、覇気と言うのか………確かに彼自身が幾万もの兵達を支える指導者だと告げている。口元には、人を引き付けて止まぬ のであろう、微笑が常にたたえられていた。

「ねえ、こんな所で何してたの」

「え〜っと〜。わかりません〜〜v」

ここは戦場だと、警告する口調に、カナタは首を傾げて答える。

案の定、カイルは一瞬戸惑うような動きを見せた。

その隙にカナタは素早く計算する。

『昔のカイルさん――――………僕がやるべき事は、なるべく相手の記憶に残らないように心掛けて、未来に支障がありそうな事はやらかさない、ですね。………でも。』

チロッと目の前の人物を見る。

 

――――――どこか、毒を持つ花のような魅力…

 

『………………(キラリ☆)これを逃す手はないと思いますっ!』

ゴゴゴゴゴゴ!と燃え上がるのは、恋の花か、欲情か………。

 

「、」

―――――戦争後期辺りなのだろう、服には、ところどころ返り血なのか赤いものが散っていた。

数え切れぬ程の『敵』をその手でほふって来たのだろう………。見れば、白い頬にも赤茶けた色に変色した血液がこびりついている。

「―――――どうかした?」

自重するような笑みが相手から、わずかに洩れた。

強い意志を放つ瞳に、他の者は決して気付かないような闇が覗く

―――――――ああ、

不思議と、少年にはわかった。

今なお、彼の中にあり続ける深い悲しみの片鱗…。

 

そっとてを伸ばす

「ほっぺた。汚れてます、」

何度か擦ってみるが、乾いてしまった血は簡単には取る事が出来ない………

「ああ―――…、これはとれないから。もういいんだ、」

初対面だというのに、カイルは少年の外見から気を置いたのか、その行為を容認している。

「…………」

他の意味を含んだようなセリフ、

 

「――――そんな事ないです」

 

顔を近付ける。

―――――突然頬に触れた暖かいものに、カイルは驚愕した

「!?」

 

 

数度、血のついた部分をなめると、カナタの口内に鉄臭い味が広がってゆく…。

「ほら………とれましたv」

「………!」

真っ赤な顔が、先程まで確かにあった感触を押さえ、絶句するカイルだ。

凛々しい表情を崩し、子供っぽいような感情を露にするのは…………。

 

 

『……………………鼻血がッ!もー我慢できませんーーーーーーーーー!』

 

 

「カイルさーーーーーん!!!!!」

ドサーーーーーーッ!―――ガツンッ!

と、押し倒したカナタは、その瞬間自分の身に、異変が起きている事を敏感に察知した。

強制力のような、力。…………それが、別の次元へとカナタを引っ張り始めている。

 

「ああっ!!せっかくいい所なのにッ!!」

 

ガツン!の部分で、勢いあまって岩に頭をぶつけされられたカイルは、気を失って、ぐったりと身を横たわらせていた。

 

「こんちきしょーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

負け犬の遠ぼえを放ちつつ、カナタの姿はかき消えて行った……。

 

 

 

「…………う、ん…?」

「おい!カイル…!どこだ!?」

「―――――あぁ、ここ…」

「そこか、そんな所で何してたんだ、昼寝か?」

「まさか、!フリックじゃあるまいし――――…うん、でも…よくわからない」

何があったっけ…?と考え込むカイルだが、全く思い出せない上に頭がずきずきと痛む。

「お前な………、お前…少し顔色がよくなったな……?」

「―――そう?」

言われるまで気付かなかったが、確かに全身にのしかかっていた重いものが、幾分か軽くなっている気がした。

「まあ、何にしろよかったじゃないか、―――――行くか、」

「うん、」

まっすぐに前を見つめる

「戦いを―――――――終わらせる為に、」

陽光を背後に、しっかりと彼は立ち上がった…

 

 

 

 

 

 

ドササササーーーーーーッ!

物凄い音をたてて、カナタは木の上から地面へ落下した………。

「〜〜〜〜〜〜〜くわ〜〜〜〜〜っっ……痛いです〜…(汗)」

多分、擦り傷が出来たに違いないと思いつつ、カナタは辺りを見回す。

どうやら森らしい事がわかった。そんなに深い森ではなく、ところどころ木漏れ日が覗く綺麗な森だ……

「今度はどこに飛ばされたんですか………?(汗)」

ガサガサと背後から、音が聞こえた。

「誰かいるの?」

「はうっ!!」

現れたのは、先程より幼い顔立ちのカイルだ。思わぬ展開にカナタは鼻血を噴きそうになった。

 

 

「あれ〜〜?失敗しちゃった〜〜〜」

「もう一度!もう一度だ!!(汗)あのカナタ殿が何をやらかすか!いや、それよりも、とっとと溜まりに溜まった債務をすぐにやってもらわなければならん!!」

「え〜〜〜その場にいない人をテレポートさせるなんて、わかんないよ〜〜〜」

「………」

直接迎えに行くべきか、悩む所だ…。

 

 

 

活発そうな笑顔がカナタに向けられている。

ちょうど、今のカナタと同じ年頃らしい事が何となくそれでわかった。

「………」

「?」

 

『なっなんか言わなきゃダメですっ!!(///)てか、心臓がばくばくいってんですけどっっ!!!?』

 

ドキドキと心臓が高鳴り、少年は真っ赤な顔になってしまっている…。

そうこうしているうちに、遠くからカイルを呼ぶ声が聞こえてきた。

「あ、テッドだ。いかなきゃ」

「まっ――――…」

呼び止めようとした瞬間、再び、例の感覚に包まれ、何も言えぬままカナタの姿はかき消えた。

 

「……………あれ?」

振り向いたカイルは、きょとんとした表情で首を傾げた。

そして、またカイルを呼ぶ声が響く

「あ、ごめーん!今行くーー」

 

 

 

 

 

 

 

「―――――次はどこなんですか〜…?」

ムックリと身体を起こし、カナタは辺りを見回す。大分慣れたようだ。

しかし、今度は見知らぬ土地ではなかった。

「ここは―――キャロの近くの…」

また森の中だ。町中に落とされるよりはマシと言った所だが、見覚えのあると言う事によけいに不信感が沸き上がる。

「現在の場所ならいいんですけど〜、間違って過去の場所だったら昔の僕と遭遇しちゃいますね…」

カナタはフッと考え込むと、

「近親憎悪起こしそうですから、動かないでおきましょう…」

遠い目をしてそうのたまった…。

「…」

なにか、人の気配を感じる。カナタは、素早く背後を振り向くと…―――その瞬間とろけ落ちた。

 

「だれぇ…?」

 

5、6であろうカイル自身が、何故か立っていた。どう言う経緯かはわからないが、幼い頃カイルはここに来ていたらしい。

「絶好のチャンス…」

「?(汗)」

おもわず、本音が溢れ、びくっと小さなカイルは怯えた。

「大丈夫ですから、ちょっとこっちきてください〜〜〜〜vvv」

「…ほんと?」

てこてこと近付く、

「迷子ですか?」

「うん。」

はぐれたの、いうカイルは本当に幼い様子でカナタは本気で持ち帰ろうと企んでいる…。

「紫の上計画も夢じゃないですね…」

夢にしておけ、と言うおつげからか、再びカナタはテレポートさせられた。

 

「目指せ紫の上〜〜〜〜…v」

 

よくわからない事を言いながら、消え去った少年に、子供は

「おばけ…???」

と、呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ええいっ!まだかっ!?」

「あれ〜?」

 

ひゅるるるるるるる〜〜〜〜〜〜〜!

 

ドスンッ!

 

「やったです!今回は成功!!(なんか、足下で変な感触しますけど)」

「あ〜〜成功した〜〜〜vこれでいいよね〜シュウさん〜あれ〜?なんで、寝ちゃってるの〜〜〜?」

「………(汗)」

カイルはノーコメントで、帰ってきたばかりのカナタを見た。

「はうっv」

ようやく辿り着いた、現在にカナタは目を輝かせてカイルを見る。懐かしい姿だ。

 

「カイルさんっ………!」

 

きらきらきら…

―――――――――カナタはスローモーション効果で思いっきりタックルをかました。

 

「ただいまですーーーーーー!あのですねー!」

「?」

「やっぱり、カイルさんは可愛かったですーーーーー!!」

「???(汗)」

 

あれだけ、テレポートさせられまくってそんなコメントしか漏らさない少年…。

紙一重で馬鹿なのだろう…。

 

潰されたシュウは遠い意識で、そう考え呪っていった………………………………

 

 

 

お、おまけで、他2時代もつけてみました…(死)

な、謎でしゅ。

だばっと逃げます!